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『東京物語』1953年監督小津安二郎
小津の映画は初めて見たが圧巻でした。
この世界に引き込まれる。
登場人物ひとりひとり実に人間臭い。
だが、終盤紀子も言っていたが兄弟(兄、姉)もただただ薄情で悪い人間というわけではない。
親離れの結果。新しい家族を持つことの結果なのである。
だからこそ、それを理解している父、母ともに東京に訪れた際、夫婦間でもはっきりと言葉に出して自分の子供たちに対する不平不満を言わなかったのである。
しかしわかってはいてもやはり人間さみしいものである。
そこで紀子に救われたわけだ。
ただその紀子も胸につっかえる想いはある。そこを描ききっているところが素晴らしい。
個人的には父のなんともない返事である。
「うーん、そうだのうー」「んー」…
すべてを受け入れているかのような懐の深さ、その背景にある人生経験。
なんとも見事である。
あとは時代感ですね。こういった感じを古き良き日本というのかなあ。
これを観た海外の人たちの日本に対するイメージというのはすごいものだろうなあ。
でもだからといって今の日本とは完全に異世界でもない。
冠婚葬祭の場などは分かりやすいが、「そういうことするよな」って連想する場面が実体験としてある。
やはりまぎれもく今に続く日本の一時代なのだなあ。
感銘を受けましたわー。