「情報の上書き」
今、このブログを読んでおられる方はパソコンを普通にお使いになる方々で
しょう。ワードやエクセルなどのソフトのとても便利なのは、一度書いたこと
を自由に書き換えることができるということです。書き直したあとに、「上書き」をクリックすると、新しい情報にすべてが置き換わります。特殊なソフト
を使えば以前のものを再現することも可能だそうですが、通常は消えてしまっ
てもう目に入ることはありません。そして目に入らなければ、そのうち忘れて
しまって、最初にどのような文章を書いたのかは思い出せなくなります。
人間の脳はコンピューターに似ていると言われますが、元々は人間の脳を真
似てコンピューターがつくられているのですから当然といえば当然のことです。
そして、人間の脳はコンピューターにない素晴らしい機能があります。それは
「忘れる」ということです。「忘れる」というと加齢による健忘などと関連させられて悪いことのように言われることが多いのですが、「忘れる」というのは実は素晴らしいことなのです。本人にとって生きていくのに用だたないと思われる情報は脳はどんどん忘れていきます。だから本当は、今の自分のためにならない「過去」は忘れていくはずなのです。こう聞くと「そんなことはないよ、かえって嫌なこと、忘れたいことの方がよく覚えていることのほうが多い」と思われるかもしれません。
それには理由があります。それはあなたがその「過去」を忘れないように繰り返し頭の中で「過去」を反復しているからです。どんなことでも、何度も何度も繰り返せば記憶は定着します。あなた自身がその記憶を頭の中で繰り返しているので忘れられないのです。思い返してみると納得できるはずです。事あるごとに反復されますます強化される本当は忘れたい「過去」をではどうしたら良いのでしょうか。
反復しなければ良いのです。そしてその方法があるのです。この方法を試すとアレッという感じで、「過去」が思い出しにくくなることが実感できます。思い出しにくくなると、反復できなくなり、いつの間にか、事実の記憶は残りますがその意味付け解釈としての「過去」は思い出せなくなっていきます。
このテクニックについては、次回記しますね。
