急に降りて来たというか、思い出した沖本貸本店。11年前までには建物が存在し、30年前位までは店の戸は開かれており、中を覗くことができた。店の壁には背の高い本棚があり、古そうな少年キングやマガジン、漫画本が沢山並んでいた。ただ、先に噂があった。最初の噂は「貸してくれるけど、保証金がやたら高いからやめた」という噂。これは35年前位に聞いた噂だった。そして、20年前位には「店はあるけど、もう貸本はやめたらしい。」という噂。自分はそれらの噂に惑わされて結局きちんと店に入ったことがない。今となっては悔やまれる話だ。
最初の写真は2年前だが、2枚目のものは11年前のもの。これには建物がまだ残っており、看板も見える。そして、南1条通(裏参道)側の右手奥には30年前位まで山本理髪店があった。ここは野幌の開拓の村に移設され、今も残っている。つまりこの一角は札幌屈指のタイムスリップ・スポットだったわけだが、その後は見たとおりの面白くもくそもないグレイな建物の塊地域となってしまった訳である。
沖本貸本店跡