YMO現役時代に坂本龍一がリリースしたアルバムに「左うでの夢」というのがあったが、今日はその話ではなく、単純に自分の左腕の話。
 最近はろくに楽器も弾かないので、P.C.のキーボードを叩く以外に細かい作業を左手がするということは非常に少ない。今の自分は発病したこともあり、今後何が起こるかわからないので、右腕ばかりを頼るのではなく、左手、左腕をも使って慣らしておこうと思い立った。
 そこで、とりあえずは、と歯磨きを左腕で行うことにした、が、これが非常に難しい。当然のことながら、思うように歯ブラシを操作できず、ブラシではなく、頭や顔を動かして磨く、ということも間々あり、もし他人が端で見て居たら非常に滑稽な絵だろうな、と一人ニヒルに笑ってみせたいところではあるが、幸か不幸か近くに他人はいないので、それはよし。
 で、左手歯ブラシ作戦を始めてから今日で10日になるのだが、ここに来て少し慣れてきた。最初の頃に比べたら、左手首のスナップが多少効くようになり、ほんの少しだが、磨くことの苦痛が軽減された気がする。
 そして思うのだが、今まで慣れた右手だけで磨いて来た歯と歯ぐきだが、やはり癖といふものはあるようで、磨き残しというものは残念ながらある。それが、左手磨きを始めてから、磨き残しの面積が減って来た部分があるのだ。これは舌先で毎度確認しているのだが、間違いない。右手で磨けていなかった部分が、たどたどしい左手で磨けている部分がある!のだ。正直これには驚いた。そこまで期待してゐなかったのに、意外な効果が見えて来た。その上、左手左腕の機能も多少は向上するだろうと思うと、なんだか嬉しくもある。この調子で箸にも挑戦するか。とも思ったが、まあ、ジョジョに、徐々にといふことにしておこう。