いつ頃からか、飴玉が怖くなった。誤飲して喉に詰まらせる危険性を感じるのだ。
十数年前から顎関節症の疑いがある。うっかり大あくびをしたら、左顎の骨が外れるようになった。それが時々起こるようになり、しまいにはスプーンでカレーを食べるためにちょっと口を広げただけで外れるようになった。その時はそれでも何とか時間をかけて顎を元に戻すことができた。
顎が外れるようになった頃からだと思う。奇妙な夢を見るようになった。
仰向けに眠っている時、どこからか右腕が出て来る。指先には何かが摘ままれている。それが口先に差し出される。
自分は思わず口を開ける。ころん、と口中のほとんどを占めるような大きな丸い物が口の中へ放り込まれる。
「あっ、飴だ。気管に詰まる!」と思ってガバッと起き上がる。
「ああ、夢だったのか」と、ほっとする。
口の中に放り込まれるものは、たまに小石の事もあった。それは舌の感覚でわかる。これはマズイと思う。しかし、それでも飲み込んでしまうのだ。
顎が外れやすかったとき、この夢をよく見た。頻度としては、一番見た時で週に1回くらいは見ていたかもしれない。
しかし、だんだん顎が外れにくくなり、夢の回数も減っていった。今はほとんど顎が外れることはなくなったが、それでも稀に夢は見て居る。そう、つい10日前位にも見たばかりだ。
自分の顎関節症は治ったのか?というと、多分違う。しかし、あることをしてから改善した。そのことは以前ここのブログに書き込んであるが、後に今一度書き込んでおこうと思う。その前に、顎が完全に外れて閉まらなくなり、泣く泣く歯科へ向かった日の事を書いておこう。
カレーを食べていて顎が外れて何とか収めた時から数日位経った時だと思う。つい、うっかり欠伸をした。今まで聴いたことがない「ガリッ」という音が左顎からした。「しまった」と思った時にはもう遅い。がっちり嵌ってしまって居る感じで、外れた顎はビクともしない。それでも数十分、口をあんぐり開けた間抜けな顔であれこれ対処してみたが、どうにもならない。結局、近所の歯医者に電話して、顎が外れた。何とかできるか?と電話した。幸い徒歩5分圏内に顎関節に対処できる歯科医がいたので、そこへ急いだ。