そういへば、今年はアポロ11号の月着陸からちょうど50年といふことで、思いだしたことを、ちょっと。
午後だったと思う。教室に先生と共にカメラを持った人が入って来た。その人はH海道新聞の記者で、みんなにお願いがあるという。聞くと、当日すでに生で見終えていたアポロ11号の中継を、今まさに見て居るという風でみんなの写真を撮らせてほしいということだった。
今でいう「やらせ」記事を書かせろということだったが、当時はまだそんなことが問題だと余り思われていないようなところもあったので、先生も生徒のみんなも賛成し、教室の左前方にあるテレビの前にみんなが集まり、歴史的な瞬間を見守っているという体を装って何も映って居ないテレビを眺めた。写真が数枚撮られ、翌日の新聞に載りますからと言って記者は去って行った。
さて、翌日の朝新聞は届けられ(うちは北K道新聞購読者だった)、少しの期待を抱きつつ家族全員で読み開いた。テレビ欄の前のページだったと思う、当該の記事はあり、「アポロ11号の中継を固唾を飲んで見守る〇●小学校のこどもたち」という見出しの下の写真の中には、私の顔3分の2が切り落とされて写し出されていた。位置取りが悪く、肝心な時には活躍できない人間の真骨頂だったなぁと思う。
記事はもちろん保存されなかった。