諸星大二郎センセの「西遊妖猿伝」。今は大幅加筆訂正され、全16巻に膨れ上がっているが、自分が持っており、内容も知って居るのはアクションコミックス全9巻だけである。このことは常々気になっており、古本屋さんで良心的価格で出逢えることが出来ればぽろぽろと買ってきてはいたが、抜け歯が多く、こうなったら一気に読みたい性分なので、買っては置いても一切中身には目も通さずにいた。かといって全巻揃いで一気に買い揃えるというのも性分に合わない。ということでうじうじしていることを友人にぽろっと伝えたところ、なんと 大唐篇全16巻と西域篇6巻を一気にプレゼントされてしまった。そしてこれがまた電子書籍なのだ。何でもクーポンが溜まっているからの大盤振る舞いとのことでその一部を太っ腹にもあてがってくれたのだ。その時こっそりクーポン残高を教えてもらったが、これがなんと驚愕の数字で、これだけあれば4Kテレビの超大型でもブルーレイ付けて軽くいけるというところで、世の中こういう人がいるんだなぁと驚かされた訳だ。間隙を縫ってついでに悲願のPS4をも・・・という訳にはいかなかったが、「西遊妖猿伝」一気に電子版でゲットできてしまったのだ。それで毎日1巻ずつ読み進めているのであるが、これで内容は把握できる。そこは満足である非常に嬉しい。しかし、やはり自分は冊子で、本で持っていたいのだ。揃わぬ歯のようになっている本たちの間をぼちぼち埋めて行きたいという野心は今もって燃え続けて居る。いや、今回の一件で再燃してしまったといってよい。
 という訳で、最近また古本屋巡りに力が入りつつあるのだが、これがほとんど巡り会わない。こういうものは不思議なもので、出逢う物は既に手に入って居る物なのだ。実際2冊以上持ってしまって居る巻もあるので、手帳にメモして常に持参するようにしている。しかし、間にぽんと収まる機会の少ないこと。それどころか、ここ10年位は「西遊妖猿伝」に巡り会う機会自体が減っているようになっていると思う。まあ、諸星センセの「西遊妖猿伝」もまだまだ続いていきそうだし、しばらくは電子版で楽しめる幸せを噛みしめつつ、重厚長大な実本の世界との縁も延々と続く訳であるのだ。
 それにつけても金のほしさよ。