妻夫木聡と一緒に仕事をしている。
朝会社でミーティングをした後、すぐ外へ。

妻夫木聡と一緒に入ったのは古いアパート。
部屋に入ると、12畳二部屋くらいの、カーペットだけ敷かれた何もない部屋。
その一角に妻夫木は腰を下ろし携帯を見始める。

 自分は暫く彼の傍に立っていると、顔を上げた妻夫木が首をくいっとひねって、その辺へ座れという。そこで妻夫木から1メートルくらい離れた場所に腰を下ろす。
と、突いた手と尻が痛い。
見ると白い三日月上のものが沢山カーペットの上に転がっている。
足の裏がちくちくするので見ると、靴下にその三日月状のものがびっしり刺さっている。ひとつ取り上げてみると、それは爪切りで切った爪だった。それも、手の物よりも大きい。おそらく男性の足の親指の爪だろう。それが部屋のカーペットの上一面に転がっている。
一体何人分の爪なのだろう?妻夫木ひとりのものではあるまい。もしかしたら、会社の職員がここで爪を切っているのかもしれない。でもなぜここで?

 そういえば、ここへ来てから僕らは何もしないで待っている。
そう、待っている。でも、何を?誰を?

 妻夫木に尋ねようとするが、彼は携帯を真剣な目で睨んでいる最中なので、邪魔したくない。

それにしても、この爪、ちくちくして痛いし、気持ちが悪い。襖で隔たれた隣の部屋を覗くと、そこにも同じカーペットが敷かれ、その上にも爪がびっしりと散らばっている。
そうだ、掃除をしよう。掃除機は玄関横に置いてあった筈。
それで掃除機を持ち込んで、まず隣の部屋から掃除を始める。ノズルがじゃりじゃり音立てながら夥しい数の爪を吸い込んでゆく。
掃除機をかけ終えた床は真っ赤な色へと変色してゆく。
ああ、本当はこの色だったんだな。カーペット。
きれいになってゆく床を見るのが気持ちよくて、ついつい夢中になってしまった。
ふと気づくと、妻夫木がこちらの方を見ている。
はっと思いスイッチを切る。
何か文句を言うのだろうか?
しかし妻夫木はまた携帯に目を落とすと、そのままの姿で固まった。

僕らは何をしているんだろう?
僕らは何を待っているんだろう?
僕らは、いつまでここんい居るんだろう?

[2014.6.23 午前4時に見た夢]