第八惑星が月に接近し、その影響で地球の地軸が動いたということだった。
その為皆は天変地異を恐れたが、多少の地震が発生した程度で済んだ。
ある日、大学に行くと、学生会館でかつて同じクラスだった(?)女性と会い、話をする。そこで彼女はかつて私を好きだったと告げる。
私は今でも好きなのに、君はもう過去形なのか。とがっかりする。
すると彼女は唐突にJ教授の話を始め、その教授のゼミを受講することに決めたと言い、1冊の本を差し出す。それはJ教授の著書で、ぱらぱらとページをめくって見て、私もこれはいい本だいい教授だと思う。
早速図書館へ出向き、他の著作も読んで見て面白いと思い、私も彼のゼミを受けたいと思う。
図書館の外へ出る。そこはおそらく大学の屋上。季節は冬で周囲には雪が積もっており灰色の寒々しい光景が続いている。そしてその空には赤・黄・青の原色の世界がガラス板を折り重ねたように広がっており、私は大変綺麗だと思う。
こんな光景となったのはやはり第八惑星接近の影響だろうかと思いながらカメラを手にする。カメラは昔から使っている1眼レフの重たいフィルムカメラだ。ファインダーを覗くと、アングルの中にテレビアンテナが入り、邪魔なのでビルの反対側へ行って写そうとする。
そして初めてはっとする。空以外の地上には灰と白以外の色はなく、荒涼とした世界となっている。一見して生物など存在しない惑星だと気付く。
驚いた私は思わずカメラを落としてしまう。が、足元に落ちた筈の大型カメラは何の音もさせずに掻き消える。いやそれどころか、今は自分の両足すら見えない。
思わず両手を広げて目の前に翳して見る。が、やはりそこには何もない。
ああ、私は意識だけの存在なのだな、と合点する。そういえば、そんなSF映画だったか、コミックだったか、昔見た気がする。と、こう思う。
その為皆は天変地異を恐れたが、多少の地震が発生した程度で済んだ。
ある日、大学に行くと、学生会館でかつて同じクラスだった(?)女性と会い、話をする。そこで彼女はかつて私を好きだったと告げる。
私は今でも好きなのに、君はもう過去形なのか。とがっかりする。
すると彼女は唐突にJ教授の話を始め、その教授のゼミを受講することに決めたと言い、1冊の本を差し出す。それはJ教授の著書で、ぱらぱらとページをめくって見て、私もこれはいい本だいい教授だと思う。
早速図書館へ出向き、他の著作も読んで見て面白いと思い、私も彼のゼミを受けたいと思う。
図書館の外へ出る。そこはおそらく大学の屋上。季節は冬で周囲には雪が積もっており灰色の寒々しい光景が続いている。そしてその空には赤・黄・青の原色の世界がガラス板を折り重ねたように広がっており、私は大変綺麗だと思う。
こんな光景となったのはやはり第八惑星接近の影響だろうかと思いながらカメラを手にする。カメラは昔から使っている1眼レフの重たいフィルムカメラだ。ファインダーを覗くと、アングルの中にテレビアンテナが入り、邪魔なのでビルの反対側へ行って写そうとする。
そして初めてはっとする。空以外の地上には灰と白以外の色はなく、荒涼とした世界となっている。一見して生物など存在しない惑星だと気付く。
驚いた私は思わずカメラを落としてしまう。が、足元に落ちた筈の大型カメラは何の音もさせずに掻き消える。いやそれどころか、今は自分の両足すら見えない。
思わず両手を広げて目の前に翳して見る。が、やはりそこには何もない。
ああ、私は意識だけの存在なのだな、と合点する。そういえば、そんなSF映画だったか、コミックだったか、昔見た気がする。と、こう思う。