
そこには薔薇園があって、かすかにその香も漂ってくる。
こちらはまだまだ酷暑とはいえない。
日陰では、気持ちのよい風が吹いて、
それで、思わず眠ってしまった。
眠りの邪魔もしない。
しかも、聴いていたのが「The Return of the Durutti Column」
1曲目は「Sketch for Summer」
今の季節にぴったりな曲なのだ。いや、この曲ばかりでない。
すべてが溶け合っている。
まどろみにも溶け入ってくる。
続いて
ドラムスが適度な刺激となって、心地よい目覚めへと誘う。
いつまでもここで聴いて居たかったが、席を立った。
隣のベンチでお弁当を食べていた若いOLが、ふとこちらを見上げた。
「ごめんなさい 若い造りの おぢさんで」
多少卑屈な気持ちを、ふと詠んだ。
この瞬間、ドゥルッティ・コラムを聴いている
おぢさんは、おそらく、自分だけだと思った。
気持ちは 若返った 気がする。