
戦争を悲しむイエス・キリストが、雲の形を借りてその姿を現した。とキャプションか説明にあったように思う。
今となっては、何で見たのかすら分からない。もしかしたら数多あるオカルト本の中で見たのかも知れない。あるいはテレビ番組の中で見たものか・・・……。ただ、新聞やニュースの類ではなかったような気がする。
つまりは、きちんと検証された写真ではない、ということである。
Agapeのこのアルバム・ジャケットを見ると、いつも上記のエピソードを思い出してしまう。
近くに寄って見ると、何だかわからない。でも、ちょっと引いて見ると、それがイエスの姿を描いている、とわかる。その姿は雲の形のごとくに儚く、脆い。
アガペは今もって“ゴスペル・ハードロック”という特異なジャンルの中で語られているバンドである。活動期間も短く、いわゆる“幻の”と語られるバンドのひとつだ。
1971年という、ロックが活発に核分裂を繰り返していた頃に生まれたこのアルバム。サイケデリアの洗礼を受けつつ、ブルース基調の泥臭いハード・ロックである。
「無限の愛」「無償の愛」「不変の愛」「不朽の愛」・・・・・・アガペ