
リリース前からこの“スーパーグループ”のデビュー・アルバムを楽しみにしていた自分は、国内盤を待ちきれず、“UK”盤で買い求めた。確か、2,500円よりちょっとは高かったような気がする。
最初に聞き終えた感想は「え。こんなもん?」という感じだった。特に期待していたアラン・ホールズワースの存在感が薄い。自分はウェットンとブラッフォード鉄壁のリズム隊の間をジョブスンのヴァイオリンとホールズワースのギターが縦横無尽に駆けめぐるサウンドを期待していたが、音の構成が思った以上に管理されたものであり、意外性やダイナミズムを感じられる物ではなかったことに失望したのだ。
瞬時によぎったのは「ホールズワースが脱退するのではないか。」という不安。「ホールズワースが出てしまうなら、共に演奏したいと願っているブラッフォードも一緒だろう。」と予想し、図らずもこれは的中してしまうこととなる。
それでも「理解」しようとした努力の跡がこの“手書きの歌詞カード”である。後に日本盤で購入したE君からライナーノーツを借り受けて模写したことを覚えている。当時の自分は歌詞からも理解しようとしたのだろう。コンビニでコピーが1枚10円でできる時代ではなかった。一般市民は複写専門の事務所へ持ち込まなければコピーできない時代であった。
それにつけても、暇だったものだ。こんなものを書き写すだけで小1時間はかかっただろう。ご苦労さんである。それで、コレが彼らの「理解」に繋がったかというと、正直、否、である。
しかし、「理解」はできなくとも、時間が自分を優しく包み込んでくれたようで、以前のような厳しい評価はかなり緩んできた。これはこれでいいだろう、立派にプログレしてるよ、と。まあ、「産業ロックの始まり」と言った渋谷陽一氏の意見は当たっているなと今も思いはするけれど、ASIAほど堕ちてはいない。今の若者が崇めているような、とてつもなく高いものではないにせよ、自身の評価は自然と上がっているのである…。
いやあ、今U.K.の動画探してみたけれど、ないんですねぇ、コピーバンドばっかり。そこで、トリオになった時のポップなナンバー「Nothing to Loose」ですが。テリー・ボジオ、若い。
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