すっかりごぶさたしてました。復活です。

蒼い瞬間1
 6月末朝日新聞に掲載されたブロンズ像の広告。
清河宗翠作『蒼い瞬間 (あおいとき)』
 美術通販大手・トップアート社の商品だ。

まずは解説を読んでみよう。


『瑞々しい女性美と芸術が一体となった傑作』
 “輝くように美しく溌剌とした裸身を晒して寛ぐ少女。遠くの空を仰ぎ見るように傾けた顔には清らかな安らぎの表情を浮かべ、しなやかに伸ばされた腕の指先には少女を見つめるように愛らしい一羽の小鳥。……(中略)……
伸びやかな肢体、くびれた胴からふっくらと肉付いた腰、形のよい乳房。そして、絶妙のバランスを保って傾けられた上体のなめらかな曲線。未だ成熟しきっていない少女の青い果実のように瑞々しい裸身に漂う麗しさが、ブロンズならではの精緻な造形で見事に表現された女性美の芸術傑作です。”


蒼い瞬間2 この文章は、ロリータ心を内に秘めた男のねちっこい視線で捉えた少女ヌード礼賛の表現以外の何者でもない。とはいえないだろうか?それを芸術という枠に入れることで、そこから発信される「反社会性」(児童を性のなんたらにするというアレである)を見事に阻害している。
 広告とはいえ「少女のヌードは美しい」と全国紙(朝日新聞)で高らかに宣言しているこの広告。それでは、なぜブロンズ像ではよくて清岡 純子の写真では駄目なのか。大いなる矛盾が生じる。「キヨカワとキヨオカ」は似てるし。え?関係ない??それはともかく。作者は清河宗翠氏。どのような方なのか、ネットで調べてみた。
 …がまともなプロフィールは存在せず。上記トップアートのものが一番詳しいようだ。

 このブロンズ像。私には人気イラストを立体化したものとしか思えない。ポージングは理想的といえば言えるが、普通といえばフツー過ぎる。別にゲージツ家ではなく、隣のゲンさんでも簡単に浮かび出てきそうな構図ではないか。顔の構成も可愛らしさは伝わるが、芸術といえるような奥深さが感じられない。一番しっくりする位置でいえば、ロリータ漫画雑誌の中が一番よいのではないだろうか。芸術というには余りに凡庸な作品である。
 とはいうものの、こんな時代であるからこそ、きっと人気が高いのだろう。限定15点。一括払価格157500円(送料別)。………う~ん………。