
もちろん一言にフュージョンといって、例外も実は多い。ウエザー・リポート、チック・コリア、ハービー・ハンコック関連、そしてもちろんマイルス・デイビスのほとんどの作品は今もって新鮮な驚きである。
上記の素晴らしいバンドと並べても遜色のない現代的サウンドを有しているのがAllman Brothers BandのChuck LeavellとLamar Williams等が結成した『サザン・フュージョン・ロック・バンド』 シー・レヴェルのこれはサード・アルバム。
さすがに元オールマン・ブラザーズ・バンドで、適度な泥臭さと垢抜けなさ、そして疾走感が時代を突き抜けて新鮮に聞こえてくる。これは当時都会派を標榜しなかったサウンドに秘密があると思う。フュージョン・サウンドを目指しながら、基本はロックというスタンスがいいのだ。
何故ロックのスタンスが良いのか?それはロックが未完成の音楽だからである。フュージョンはその類稀なるテクニックと頭脳を有したミュージシャン達が核融合し、極めて短期間にその音楽構造を完成させてしまったのに対し、ロックはあらゆるジャンルの音楽と離合集散を繰り返しながらも未だ完成をみない音楽である。そのため、フュージョンは評価の定まった“過去”なのであるのに対し、ロックは評価が現在進行形のため現代的かつ、未来的でもあるのだ。

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