遥か群衆を離れて 30年以上前、日曜洋画劇場(?)で一度見たきり、それ以降は欠片すら目にしたことがない。レンタルビデオを探しても見つけられず、今日に至ってしまっている。しかもこの作品、オリジナルは170分の超大作なのだから2時間以内のテレビ洋画劇場はカットカットのズタズタ作品である。そんなモノだけで紹介するというのは余りにも軽率すぎるとは思うのだが、この際DVD国内リリースを願ってあえて記載したい。

 実はストーリーすらまともに覚えてはいない。主人公の女農場主(ジュリー・クリスティ)がひとりの男に運命を翻弄される物語だ。(と思う)
 そのひとりの男とは、テレンス・スタンプ扮する軍曹トロイ。この男が憎らしくも魅力的なのだ。
軍曹トロイ
この軍服姿のスタンプが見たいのだ

 そう、自分はテレンス・スタンプが好きなのだ。もしかしたらただそれだけのために、この映画を見たいと欲しているのやも知れぬ。
 そもそも虜にされたのは、『コレクター』、『テオレマ』、そして『世にも怪奇な物語』に於いてである。
特に70年代前半までの若きスタンプは、繊細かつ退廃的悪魔的美しさに満ちている。自分はこの毒に撃たれたのだ。
テレンス・スタンプとモデル
1968年10月。本作プレミアでのテレンス・スタンプとモデルのセリア・ハモンド。男の自分が見ても惚れ惚れする姿。(とはいってもワタクシほもではございません。)

 後にわかったことだが、一時インドで隠遁生活を送り、その折にはドラッグ漬けであったというエピソードもいい。
 『スーパーマン』にゾッド将軍役で出演した時はなんかなぁ・・・とは思ったが、まあ、彼も生きて行かなければならないのだから仕方がない。1978年以降は余り追いかけなくなったが、『私家版』『フェリーニ 大いなる嘘つき』で思いがけずも再会出来たときは嬉しい驚きであった。
『フェリーニ 大いなる嘘つき』では、あの美しくも恐ろしい「悪魔の首飾り」での裏話を聞かせてくれていて、楽しい。風貌も綺麗な年の取り方をしており、自分もかくありたしと願うところではある。

 と、テレンス・スタンプ大会になってしまったわけであるが、話戻って『遥か群衆を離れて』監督は『真夜中のカウボーイ』(邦題はカウボーイではなく、あくまでもカーボーイなのにはびっくり)『 マラソン マン 』で知られる名匠ジョン・シュレシンジャー1968年公開の文芸作品。アメリカでは既にDVDリリースされている。日本でもそろそろお願いしたい。もちろん廉価版でね。
コレクター/テレンス・スタンプ

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テオレマ/テレンス・スタンプ

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世にも怪奇な物語/ピーター・フォンダ

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フェリーニ 大いなる嘘つき

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私家版/テレンス・スタンプ

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