Renaissance Live at Carnegie Hall クラシックとロックとの融合、オーケストラとロックバンドの共演という60年代から続けられてきた実験はここに完結し、これ以降は当然のこととしてロックに取り入れられたといっても過言ではないだろう。それ位の金字塔的作品といえるのが、この「ライヴ・アット・カーネギー・ホール」である。クラシカルとは言いながらも、適度にポピュラーで耳障りの良いサウンド、そして何と云っても5オクターブの声域があると言われたアニー・ハズラムの天にも昇る心地にさせる歌声は、プログレ・ファン、ロック・ファンならずとも多くの支持を得た。
 …そんな絶頂期を迎えていたルネッサンスの生の姿を捉えたLP2枚組な訳である。
 10年ほど前、CD化されたと聞いてショップに出かけるも、どこも既に品切れ状態で、その内諦めてしまい、現在に至っている。
 今振り返るとその頃には名匠トニー・ヴィスコンティ全面バックアップ、ウイスキーCM曲への起用、そして元レベッカの土橋安騎夫との共演という華々しい話題をまいたアルバム『Blessing In Disguise』がリリースされたということもあり、やにわにルネッサンス熱が高まっていた時期だったのだろうと思う。

 今は簡単に入手できる状況ではあるが、もうCD熱が冷めたというか、アナログ・レコードで聴くのが良い。という風に思ってしまっている。
 プレミアが付いているとか価値があるとかではなく、ジャズ・レコードとは違い、アナログLPとしてリリースされる可能性は、限りなく0なため、愛おしさに近い感情をアナログ盤には抱いてしまう。それが名作とあれば尚更なのである。

 ただし、この持ち難い大きなジャケットを開くと、ロック・ミュージシャン気取りの、髪の長い自身の姿を幻視するような気分となるのはちと気恥ずかしいのではあるが……。

Live at Carnegie Hall/Renaissance

¥2,030
Amazon.co.jp

Blessing in Disguise/Annie Haslam

¥1,513
Amazon.co.jp

シェラザード夜話(紙ジャケット仕様)/Renaissance

¥2,494
Amazon.co.jp


運命のカード(紙ジャケット仕様)/Renaissance

¥2,600
Amazon.co.jp