
大手書店では見掛けたことが無く、ふらりと入った小さな古着屋や雑貨屋の床に無造作に置かれた段ボールの中にあったりした。古書店では見掛けることがあるが、その折に入手しておかないと、次には売り切れているという、なんとも魅力的な雑誌だった。ボンデージや奇形、ストリプティーズ、タトゥー、ピアシング、スパンキングなどなど、後年大きく取り上げられる「カルチャー」がいち早く紹介されていた。当時としては過激な写真も多く掲載されていた為、警察に目をつけられていたのに違いない。
ご覧頂いているのは1987年3月発行のSALE2 VOL.7 NO.30[奇妙的欲望]だ。
今号の目次を記載してみる。
ある種の方々は目次を見ただけでグッとくるものがあると思う。
リシャール・セルフ 眼の戯れ
倒錯の確立 ミシェル・フーコー
死の本能とは何か? ジル・ドゥールズ
美女と野獣 レスリー・フィードラー
ジャン・ジュネ論 澁澤龍彦
黒いエロス A・P・ド・マンディアルグ
飼い馴らされた「写真」 ロラン.バルト
肉腫 ジョイス・マンスール
体質的同性愛の女 メダルト・ボス
ルイス・キャロル 観念の少女誘拐者
異物 A・P・ド・マンディアルグ
女性収集狂 植島啓司
マルドロールの歌 ロートレアモン
ベルメール 少女と人形
ポンデージ・カタログ
総合批評[第五回]コンピュータ旧人類シンドローム 岩谷宏
読切り小説[第十三回]待ち合わせ 赤羽建美
男の美学[其ノ七]カバン考 テリー・ジョンスン
ボエムティック・ライフ[第四回]死ぬヴィタリー 猪俣匠子
シオリのマニエリスティック人生[第二回]プリミティブ0へ 穏木紫織

ホームページを覗いてみると今は結構角がとれた作品を発表しているようだが、この時期はインモラルな雰囲気の写真を沢山撮っていた。その一端がこの写真である。
ヤバイよヤバイよリシャール・セルフ!