昨年末。新聞広告に目を奪われた。
 ブーグロー「ヴィーナスの誕生」がクリスタライトで立体像として販売されている。
ヴィーナスの誕生
クリスタライト「ヴィーナスの誕生」販売ページ


ウィリアム・アドルフ・ブグロー(ブーグロー)William Adolphe Bouguereauの代表作である。官能的、いや扇情的ですらあるしなを作ったポーズとバランスのとれた肢体に当時人気爆発。特に紳士がこの「芸術」を見るためにごったがえしたとか・・・。
 しかし、上手いことは間違いないのだがあまりに通俗的「美」の表現に、20世紀初頭には評価が下がり、忘れ去られてしまった。再評価されたのはつい30年前位。ゴッホやピカソ、シュルレアリスム芸術の前では色あせて見えたんですな。

 まあ、それはともかく、絵画から飛び出した立体「ヴィーナスの誕生」。絵画は「芸術」としても、その一番官能的な部分のみを抜き出し、立体化したものは、「芸術」なのか? 
 自分はその官能性のみを抽出したものゆえ、「エロ」でしかないと思う。でも「芸術」の仮面を被せているので人気爆発、品切れ状態なのだろう。

 [数年前、同様の品を知人宅で発見。これは確かドミニク・アングル Jean Auguste Dominique Ingresの『泉』だったと思うけど、これが見事にエロ本棚の中心に屹立していた。これが何よりの証明と思う。]

 素材のクリスタライトは樹脂+ガラス粉を混ぜ合わせたもの。ライトアップするとほのかなピンク色に輝くというのも人気の秘密だろう。どうせなら人肌に温まる機能を追加したらもっと売り上げは伸びるだろう。等身大ヴァージョン人肌機能付きで10万円以内だったら、きっと一家に一つの時代が来ます。というか、自分も欲しい。

春
次回もブーグロー作を立体化するのなら「春」をぜひお願いしたい。これもイヤラシ…もとい、官能的芸術作品であるから。