今朝から今まで内田善美さんのハロウィーンにまつわる作品「万聖節に黄金の雨が降る」が収録されている『かすみ草にゆれる汽車』(ぶーけコミック'81年刊)を探していたが、以前から探していた深井克美の図録は出てきたものの、こちらはとうとう見つからなかった。絶対売っ払わない永久保存版なので、家のどこかにはあると思うのだが、大事にしまいすぎて、その在処を忘れてしまう……、という自分の特徴を最大限に発揮してしまった。
ってわしはモズの早贄か!
ここ近年、10月31日はハロウィーンということで認知され、随分盛り上がっているが、今から30年前には、欧米で生活したことのある人以外にはなじみのないお祭りだった。自分がその存在を知ったのは内田善美さんの「万聖節に黄金の雨が降る」(初出は'77年)という漫画からだったのだ。感傷的な作品で、秋気分にどっぷりと浸ってしまえる作品だった。……それが見つからない。

仕方がないので内田さんのイラスト集『少年たちの記憶』から1枚を苦し紛れに紹介しよう。とはいっても解説がないのでこの登場人物が誰なのかすらわからないのだが。
自分の記憶では「彼」が登場する作品を知らない。もしかしたらイラストのみに描かれたものなのかもしれない。それにつけてもこの細密な描き方をご覧あれ。内田さんは後期作品になればなるほど描き込み方がものすごく繊細になって行き、
「このまま描き続けていけるのかなあ」
と心配していたら、案の定『星の時計のLiddell』発表後に筆を折ってしまった。
もしかしたら楳図かずおさんのように、編集者の心ない言動に断筆を決心させられたのかも知れない。
効率と採算性を何よりも求める近年の出版業界に内田善美さんは辟易してしまったのではないか と自分は見ている。
内田作品はほとんど一度は手にして読んだり眺めたりしているが、ひとつだけ、漏れている物がある。『ソムニウム夜間飛行記』という作品がそれで、ネットで表紙を見たことがあるだけで、自分にとっては全く幻の作品だ。
内田善美さんの作品は沢山の人々が復刊要請をしているが、本人に描いたり発行したりする意志が全くないらしく、希望が叶いそうになさそうな状況だ。
他で書いたことがあるが、自分を文学ともいえる繊細でアーティスティックな少女コミックの世界へ誘ってくれたのは内田善美さんなので、改めてその耽美的作品世界に触れてみたいと思うし、まだ見たことのない若い人たちにも触れてもらいたいと切に願うものである。
ってわしはモズの早贄か!
ここ近年、10月31日はハロウィーンということで認知され、随分盛り上がっているが、今から30年前には、欧米で生活したことのある人以外にはなじみのないお祭りだった。自分がその存在を知ったのは内田善美さんの「万聖節に黄金の雨が降る」(初出は'77年)という漫画からだったのだ。感傷的な作品で、秋気分にどっぷりと浸ってしまえる作品だった。……それが見つからない。

仕方がないので内田さんのイラスト集『少年たちの記憶』から1枚を苦し紛れに紹介しよう。とはいっても解説がないのでこの登場人物が誰なのかすらわからないのだが。
自分の記憶では「彼」が登場する作品を知らない。もしかしたらイラストのみに描かれたものなのかもしれない。それにつけてもこの細密な描き方をご覧あれ。内田さんは後期作品になればなるほど描き込み方がものすごく繊細になって行き、
「このまま描き続けていけるのかなあ」
と心配していたら、案の定『星の時計のLiddell』発表後に筆を折ってしまった。
もしかしたら楳図かずおさんのように、編集者の心ない言動に断筆を決心させられたのかも知れない。
効率と採算性を何よりも求める近年の出版業界に内田善美さんは辟易してしまったのではないか と自分は見ている。
内田作品はほとんど一度は手にして読んだり眺めたりしているが、ひとつだけ、漏れている物がある。『ソムニウム夜間飛行記』という作品がそれで、ネットで表紙を見たことがあるだけで、自分にとっては全く幻の作品だ。
内田善美さんの作品は沢山の人々が復刊要請をしているが、本人に描いたり発行したりする意志が全くないらしく、希望が叶いそうになさそうな状況だ。
他で書いたことがあるが、自分を文学ともいえる繊細でアーティスティックな少女コミックの世界へ誘ってくれたのは内田善美さんなので、改めてその耽美的作品世界に触れてみたいと思うし、まだ見たことのない若い人たちにも触れてもらいたいと切に願うものである。