Procol Harum これはプロコル・ハルムのファースト・アルバム。邦題は「青い影」で、表題曲の"A Whiter Shade of Pale" が大ヒットしたが、この'67年リリースのドイツ盤に同曲は収録されていない。かわりに2曲目のヒット曲"Homburg"が収録されている。LPリリース時にシングル・リリースされていた"Homburg"をテコ入れするためだったといわれている。
 まあ、それはともかく。
 このあまりにも有名なアルバムであるが、このイラストがどうして採用されたのか、誰が書いたのか、全く知られていない。自分もそれなりに調べて見たが、わからずじまいだった。
青い影 普通、こんな陰鬱なイラストをアルバム・ジャケットに採用するものだろうか?見れば見るほど奇妙なイラストである。癲狂院を抜け出た狂女が森を彷徨っている姿か、あるいはトランス状態を抜け出たばかりの魔女か。見ている内にぞっとしてしまうのは自分だけだろうか?右下に咲く花も奇妙に絡まっていて、何かの隠喩のようにも思える。
 とにかく。気分のよくなる絵ではない、しかし、このイラスト、シングル盤などにも使用され続けている。もちろん今のCDでもである。もしこのイラストに意味があるのなら、知ってみたい、とこのアルバムを手にする度に思ってしまう。


 もう1枚はジャズの逸品。アート・ファーマーの名作『Sing Me Softly of the Blues』邦題は『ブルースをそっと歌って』。1965年の録音だが、全く古さを感じさせないアルバムだ。センスが良いのだ。数あるジャズ名作の中でも、自分の棺桶に入れて欲しい作品である。
Art Farmer Quintet そして、このジャケットもちょっと気味が悪い。女性がまるでゾンビなのだ。右手を差し出しているところが怖さを増幅している。
 さて、こちらのアルバムにはちゃんとクレジットがある。“Cover Photo : Pete Sahula”となっている。
 カバーにはピートさんの写真が使用されているのだ。ナニ、写真?自分はジョルジュ・スーラのような点描画だと思っていたが、違ったのねぇ。写真も点によって構成されているから、ま、いっか。
 このピートさん、オーティス・レディングの「Otis Blue: Otis Redding Sings Soul」とビル・エヴァンスの「Moonbeams」でもお仕事されています。しかしここでは美人をアンニュイに色っぽく撮っておられる。なぜアート・ファーマーだけにこんな気持ちの良くない写真を使用したのか。きれいなオネエサマ写真の方がもっと売れたかもしれないのに………

     ………   謎である   ………