
プログレを聞き始めた頃、レコード屋に行っては“King Crimson”のレコード棚へ向かい、このファーストを引っ張り出して帯の謳い文句に陶酔する、というようなことを儀式のように繰り返していた。
帯に曰く
「'69年末英国で『アビー・ロード』を抜いてトップに立った驚異のアルバム」
プログレ・ファンのプライドをくすぐる痺れるコメントだった。
'70年代初期から中期、解散はしたものの、まだまだものすごい人気があったビートルズ。その最高傑作と評価する人の多い『アビー・ロード』を、全然知られていない新人バンドのアルバムがトップから引きずり落としたというのは、本当にものすごいことのように思えた。
30年以上経過して改めて眺めるこのアルバムとその帯。
この謳い文句が事実か誇大表現か、自分に確認する術はないが、今でも峻烈な印象として脳の片隅に残っており、ドラッグなんか飲らなくとも、強力に効いてくる。