クチコミネタ:バブルの思い出

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 バブルといえば思い出す…
 放火に怯えた日々と、ディスコでの馬鹿騒ぎ
 
 日本がいわゆるバブル時期に突入した時、閑静な下町住宅街だった我が家のあたりが商業地域に指定され、そのために戦々恐々とした日々を送る羽目となった。

 放火が流行ったのである。

 多くはボヤで済んだが、中には自宅や倉庫が全焼したところもあった。我が家の3軒先でボヤが出た時は、さすがにバケツと水道ホースを握りしめ、鎮火まで緊張し続けであった。
 おかげで町内では自警団が組織され、夜な夜な拍子木とライトを持って見回らなければならなくなり、貴重なプライベート・タイムが削られた。
 
 しかしながら、バブルが終わったと同時に、放火騒ぎもぴたっと止んだ。地上げ屋の仕業だったと確信した瞬間であった。

 自分はバブルな時期に経済的恩恵を受けることはなかったものの、その雰囲気を味わいはした。

 わが地方都市にもジュリアナやマハラジャ・スタイルのディスコがあり、大勢のボディコン・ギャルが集まり、それを目当てにするあんちゃん達もひしめいた。
 自分はその頃は既に微妙な年齢で、ナンパをしに行くような元気はなくなっていたが、それでも飲み友達には若い女性もいて、そんなディスコに誘われることがあった。
Juliana


 当然自分は一緒に踊るようなことはなく、ジントニックか何かを片手に、友人等が踊る姿を遠くから眺めている訳であるが、30分もそんな風にしていると、もう飽き飽きしてしまい、その気分で友人等を眺め直すと、お立ち台で似合っているとは思えない派手な衣装を纏い、パンツ丸出しで踊っている自分の連れ達がお目出度すぎる人種に思われ、そこにひとり浮き草のようにふらふらしている自分が絶望的な程の馬鹿であることは疑いようがないと感じられ、そうなると妙に醒めた気分となり、友人達をおっぽり出してそこを飛び出した。
「一人で好きな酒を飲んでいたい。」
しみじみ そう思ってしまったのだ。

 翌日から友人達にはひどいしっぺ返しを食らったが、それも今は良い想い出となっている。