Last Days1

 “ニルヴァーナ”のカート・コバーンへのオマージュ作。
ということで話題作となった映画だが、
見た人たちは皆大丈夫だったのだろうか?と思ってしまった。

何が?
頭が。

この映画は特にストーリーがない。
リハビリ施設を抜け出し、極端に鬱化した男を淡々と描いている。
97分のさほど長くはない作品だが、自分は15分で頭が痛くなってきた。
主人公のブレイクの脳波と自分の脳波がシンクロしてしまったのだ。
元来自分は鬱がちなのだ。もちろんブレイクほど重くはないにせよ。
体もどっしりと重くなり、腕を動かす力すら出すのが鬱陶しい。
見終えた時は、体が床の中に塗り込められているようだった。

映画の中では、自死したブレイクが天へ向かって上っていったようだが、
自分の意識は下へ闇へと向かってゆく。
そしていつしか重い眠りへと導かれていた。

ここまで同化させるのかこの映画は。
ガス・ヴァン・サントは、ここまでやるのか。
何のことはない映画だった筈なのに
やられてしまったよ。
Last Days2