ウマグマ

 暫くブログを書くどころか、読むこともままならない状況となった。今後も春までキビシイ状況が続きそうだが、なんとか時間をやりくりして書き込んでいきたいと思う。
 昨日、全く久しぶりの気まぐれでピンク・フロイドの“ウマグマ UMMAGUMMA”を聴く気になった。
 このアルバム。高校時代に入手した時から1枚目のライヴ盤の方ばかり聴いていた。2枚目のスタジオ録音盤は現代音楽的要素が強く、次作“原子心母 Atom Heart Mother”のための試作品のような感じがしていたのが気に入らなかったのだと思う。
そしてその印象は今も変わらない。ただ、ロジャー・ウォータース作の“グランチェスターの牧場 Grantchester Meadows”なんかは翌年リリースされたロン・ギーシンとの名作“ 肉体(ボディー) Music from the Body”の中に納められていてもおかしくないような牧歌的な名曲だし、デヴィッド・ギルモアの“ナロウ・ウェイ三部作 The Narrow Way, Pt. 1~3”はポップと前衛のぎりぎりの所で遊んでいるようなところが面白い。リック・ライトの“シシファス組曲 Sysyphus, Pt. 1~4”は少し“39年前”という時代を感じさせられてしまうし、ニック・メイスンの“統領のガーデン・パーティ三部作 The Grand Vizier's Garden Party, Pt. 1~3”は12年後にカーラ・ブレイとコラボレートしたソロ“ Fictitious Sports”を彷彿とさせるぶっ飛び様である。これらを全編通して聴くのが結構キツイのだ。
 だがしかし、この疲労感をブットバシテくれるのが1枚目のライヴ盤。4曲とも絶妙なアレンジで気持ちよく盛り上げてくれている。演奏にムラがあったこの時期のフロイドではあったが、ここに納められた曲はすべてこの時期のライヴ演奏のベストといえる。そして4曲目の“神秘 A Saucerful of Secrets”を聴いて思い出すことがあった。
 当時私は友人4人とプログレのコピー・バンドをやっていた。イエスの“Roundabout”、ELPの“展覧会の絵(抜粋)”、ユーライア・ヒープの“対自核”キャメルの“Lady Fantasy”“スノー・グース(抜粋)”等を演奏していたのだが、私が当時一番好きだったフロイドも演奏してみたいと、即興的要素の強い“神秘”も演ろうとメンバーに強く推したが理解を得られず、結局妥協策として“マネー”を演奏することになった。この“マネー”。私はフロイドの中では大嫌いな曲だったので、かなりふて腐れながら演奏したのを思い出した訳である。ああ、オレって発言権なかったよなぁ。

ちなみにこのジャケット写真。“UMMAGUMMA”の裏ジャケ写真です。当時は「こんな大量の機材を使うんだなあ。やっぱりフロイドはスゲエ!」とか思ったものです。