3月から朝日新聞夕刊に連載されている小説が最近気になっている。
まずその挿し絵が目に留まった。なんとも不可思議な雰囲気を醸している絵である。そしてその名前にびっくり。『束芋』とあるのだ。たばいも?ネットで調べるとこれがなんと女性だった。「田端さんちの妹=タバイモ」と呼ばれていたことからこの作家名にしたという。それにつけてもこの絵の雰囲気、なんとなく見覚えがあるような、懐かしいような感覚がある。ゲージツ家のクマさんこと篠原勝之氏の書いた漫画『糸姫』を思い出した。この本は十年ほど前に売り払ってしまったので手元にないのでご覧に入れることはできないが、確かに同じニオイがする。 (束芋さん紹介サイトはこちら。)
挿し絵につられて思わず読み始めた吉田修一氏の手による小説、これがまた、何というのだろうか、週刊誌の事件記事を読むような感じで 淡々と進む内容に「この人、事件記者出身だろうか」と考えてみた。感情を廃したような地理的状況説明が続いていて2回目の終わり近くで突然、殺人事件の記述が持ち上がる。ぐっと来た。調べてみると2002年『パーク・ライフ』で芥川賞作家となった人とのこと。へええそうだったのかあ。20年前位までは芥川賞受賞作は読破していたものだが、最近は受賞作家も覚えていないもんね。これではいかん、とまたもや反省。
朝刊の4コマ漫画はいしいひさいち。夕刊はしりあがり寿。先月で終わったが梅原猛の連載ありと興味をくすぐる朝日新聞。イデオロギーとは別になるが、朝日頑張れ。