古い和箪笥の上部を、我が部屋のキャビネットにした。

なんとも古めかしい、匂いがする。

カビと、けやきと杉と、なにやらもろもろ。

幅は、1.2メートルくらいかな。

下には、引き出しが3個ついている。

引き出しの底板は、どれも杉の4ミリくらいの板で、どこも隙間がある。

たぶん、いきりぬき。

そして、なぜかどれも新聞紙をしいてある。

昭和初期の頃の、古いもの、これも湿気対策なのだろう。

新聞紙といえども、貴重な資材だということだろう。

引き出しの上は、高さが450くらいの引き分けの建具四枚があったのだけど、

これを全部取っ払って、

オープンなキャビネット風にした。


テレビとかで、見た、キイハンターとか、

洋画とか、奥様は魔女 とかの海外ドラマに出てくる、ウイスキーやブランデーなどを

さりげなく陳列してる、

サイドボード の気分なのだろうね。


決して、昭和レトロ なるようなことでは、ない! 昭和 最中!だもんね。


いつの時代も、新しいモノに、魅かれている。

ましてや、時代のスピードが 

夜空の 七夕ロケットのようなあの頃だから。


なんちゃって、サイドボードの中に、

13歳の僕が、飾ったモノは、

当時、駄菓子屋の店頭に現れた、

時代の最先端!

1リットル、瓶ペプシ!


ガラス製なのだけど、プラスチックとの合の子みたいな、表面がブツブツになった、

半透明な瓶。

その瓶に、瓶保護も兼ねてだろう、

発泡材の薄いコーティングがしてある。


もちろん、全体が 赤、青、白のペプシデザインが斜めに印刷されていて、

まさしく、新しい七夕ロケット!!

そのものなのだ。


その空ビンをそのままでも、高揚感があるのだけど、僕は、その表面のラベルを剥がし、半透明な瓶にして、その中に、

雑誌のロードショーの、燃えよ!ドラゴン! 時のスーパーヒーロー!!!

ブルース リーの勇姿を切り取って瓶の中に入れたのだ。


夢と憧れと、時代のスピードと高揚感!


昭和初期の 祖母の箪笥の上側、サイドボード。


なかなかに、思春期真っ只中、おいらの部屋のシツラエのことなのだ。