鉄の道と書いて鉄道。

一般的には、レールを車輪を有する車両が走行する交通機関である。

だが、ここに本当の鉄の道を極めようとする男たちがいた。


「どぅ、どぅーんでんでんでん。風ぇの中のぉスゥバ痛!」

「おい、坊主!サボってないで仕事をしろ!」

「親方、いきなりげんこつはないですよ!」

「おう?じゃあ、予告してからならげんこつしていいのか?」

そういいながら、親方が指をぱきぽきならす。目、目が本気だ。

「仕事戻ります!」

俺は逃げるように自分の職場・長杉製鉄所へと戻っていく。そう、これは鉄を極める男たちの集う製鉄所の物語でっ‼

「早く仕事にもどれ」

「・・・はい」


***


「お疲れ様です」

「おう、おつかれ」

帰り際、更衣室を出たところにいたのは、先輩の重さんだ。

「そうだ。帰る前に一杯呑みにいかんか?」

「おっいいですね。行きましょ行きましょ!」

「こら、坊主」

背後から聞き覚えのある声に思わずびくっとなる。振り替えると、親方が立っていた。

「親方。親方もどうです?一杯」

「一杯じゃねえよ。お前、未成年じゃねえか」

「親方。何で知ってるんですか?」

「入社の自己紹介で思いっきり18歳って言ってただろ」

「そんな時代もありましたね」

「まだ一月も経ってねえよ!」

「まあまあ親方。たまにはいいじゃねえか。それに18も20も対して変わらんだろ」

「さっすが、重さん。いいこと言う!そっすよ親方。18も20も変わりませんって。もっといえば、俺も親方も重さんも同い年ですって!」

「はっはっは!同い年か。そりゃあいい!」

「調子にのるな!」


***


結局、お酒を飲まないと言う約束で呑みに来た。のだが

「・・・親方、もう無理っす」

「ばか野郎。この程度で音をあげんじゃねぇ。俺の若い頃はなぁ・・・」

「結局、親方が飲ませてるんだもんなぁ。はっはっは!」

「重さん、助けゴブゴフゴブ・・・」

※注)未成年の飲酒は法律で禁止されています。この作品はあくまでフィクションで・・・。


***


始業前になると、スピーカーから流れる音楽にあわせてみんなで体操をする。

「親方」

「なんだ?」

「前から思ってたんですけど、体操ってどうやってするんですか?」

「どういう意味だ?」

「体操が皆、バラバラじゃないですか。どれが正しい体操なんですか?」

丸先輩は片手を腰に当てて左右に体を曲げている。

中先輩は屈伸をひたすら繰り返している。

重さんは太極拳のような動きをしながら、時おり「は!」みたいな声を出している。

そう。皆それぞれ。違う体操をしているのだ。その様子を見ていると、親方がぽつりと呟く。

「坊主、世の中には聞いちゃいけねえこともあるんだ」

「え?」

「聞いちゃいけねえこともあるんだよ・・・」

「はあ・・・」

とりあえず、しっかり体をほぐしておこう。と、俺は伸脚を始めた。


***


「ちなみに親方は何をしてるんですか?」

「見てわからねえか?ラジオ体操だよ」

「え?」



***


「一応、製鉄所には女性もいるのだけれど」

いきなり、そう呟くのは違う班で班長を勤めている椿さん。俺は食べかけのうどんをちゅるんとすすると

「知ってますけど」

「あら、そう」

それきり、椿さんは黙って自分のお弁当をそそと食べ始める。俺は止めていた箸を動かし残りのうどんを食べる。

・・・気まずい。普段話さない先輩だけあって何を話したらいいかわからない。と思っていると

「貴方、それだけで物足りるの?」

「いや、気まずいかなって思ってました」

話しかけられると思わず、つい脳直で話してしまった。

「そう」

きょとんとしていた椿さんも、すぐに元の沈黙に戻ってしまう。今度は俺から話しかけてみるか。

「そのお弁当、カラフルですね。自分で作ってるんですか?」

「違うわ。旦那が作ってるの」

「旦那さん?」

「貴方の親方よ」

「なんですと!?」


***


「珍しく椿の姉ちゃんと飯食ってたな。何話してたんだ?」

「あ、重さん。いや、大したことないですよ。製鉄所に女性がいるとかどうとか言う話です」

「んー?相変わらず。椿の姉ちゃんが考えることはわかんねえな」

「それより、重さん。椿さんと親方って夫婦だったんですね」

「おう、そうそう。教えてなかったな」

「聞いて、ビックリしましたよ。しかも、お弁当が親方の手作りって」

「あいつは手先が器用だからな。逆に椿ちゃんは料理がからっきしでな。まぁそれで椿ちゃんから親方に料理を教えてほしいって声をかけたわけよ」

「そうなんですか?じゃあ、告白したのも椿さん?」

「いや、それがよ。親方なんだ。実は親方、最初から椿ちゃんに惚れてやがってよ。いやーあの時のはしゃぎっぷりをみせてやりたいよ」

「マジっすか。へーあの親方が。・・・あ、親方!」

「盛り上がってるな。何の話題だ?」

「お前と椿ちゃんの馴れ初めだよ」

「なっ!」

「お二人が夫婦って知りませんでしたよ。何で教えてくれなかったんですか」

「別に教えなくてもいいだろ」

「あー照れてる。いいじゃないですか。何でもいいから教えてくださいよー」

「・・・何でもいいんだな?じゃあ、今からメンテナンスをみっちり叩き込んでやる!」

「それはないっすよ!親方!」


***


「一応、製鉄所には女性もいるのだけれど!」

いきなり、そう叫ぶのは事務で同期の楸ちゃん。

「知ってるけど。はい。これ納品書」

「ありがとうー♪じゃあ、ここにサインしてね」

流行ってるのか?女性推し。俺は書類にサインをして楸ちゃんに渡す。

「あ、そういえば」

「ん?どうかした?」

「楸ってなんて読むの?」

「今さら!?同期だよね!?読めないの!?」

「うん。読めない」

「しょーっく」

がっくり項垂れる楸ちゃん。なんか悪いことしたな。

「あれ?でも、さっきから私の名前呼んでるよね?」

「ああ。これはコピペ」

「メメタァ!」

楸ちゃんの心は砕けたけれど、蛙は無事だった的な効果音とともに楸ちゃんは事務所へと戻っていった。


***


「ちなみに普段は私のことなんて呼んでるの?」

戻ろうとしたところで背後から声がかけられる。ふりむくと、楸ちゃんが受け付け窓から半分顔を出していた。

「普段?アキちゃんって」

「じゃあ、それでいい」

「え?」

「私はアキちゃん。それでいいの!」

そう叫ぶと、ピシャリと受け付け窓を閉められてしまった。悪いことしたなぁ。今度、お菓子でも買ってあげよ。




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またやってしまった。

だって仕方ないではないか。

誘惑には負けられないんだもの。

はい、そうです。

一人で仕事帰りにくら寿司いってました。


( ´∀、`)

当たらないね。くらくらポン。

追伸
昨日の投稿、寝落ちして忘れてすんません。
m(__)m
今日、改めて書き直します。

昔、サツムイモは日本を飢饉から救うために栽培されたらしい。

それから、時代も進み、飽食時代となった今では、甘くて美味しいさつまいもへと改良されて

すっかり生活の一部に溶け込んでいる。


しかし、本来は日本を救うために導入されたのであれば

さつまいもに国を変えられるだけのエネルギーが秘められているということ。

そして、それは使い方によっては国を滅ぼす力にも匹敵する!


「・・・と昔考えたのが、研究の始まりです」

「つまり、元々はこの国を滅ぼそうとする悪の科学者だったわけですね」

「はっはっは。その通りです。若気の至りと言いますか。若い頃は闇雲に悪へと憧れておりましたからな」


あれから、数十年。

サツマイモに潜んだ力を研究し、発見した。

そして、その力は低コストで核より強力なエネルギーを産み出し。しかも、核兵器を相殺かつその時の放射能汚染すら防ぐことが可能だった。

つまり、相手を安全に無力化できるのだ。

それを特許で出願し、研究を進めていたら。

いつのまにか、世界を救う科学者になっていた。

ノーヘル平和賞なんかももらってしまった。


世の中、何がどうなるかなんてわからないものである。



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