第27条 取り除かれたボール
まず注意すべき点は、「取り除かれた」ボールと「動かしてしまった」ボールの違い。
「取り除かれた」とは手で持って拾い上げたということになりますが、「動かして・・・」という場合、基本的にありがちなのは知らずに足元にあるボールに足で触り「動かして」という状況が多いのではないでしょうか?
後者の場合でいえば、慌てずにマーキングしてあればそこに、ない場合でも両チームの合意できる地点に戻すという取り扱いになります。
慌ててボールを拾い上げてしまった場合でも元の位置に戻すことになりますが、合意なしの拾い上げになりますので、警告の対象。
1項の「メーヌ終了前の、投げ終えたボールを拾い上げることの禁止」は、どちらかといえば、
有効区域外にあるボールを拾い上げたとし、これを禁じている状況を説明しているのではないかと思われますが・・・
それぞれのチームが何球投げ、何球残っているかを判断するためにも、有効区域外にあるボールを確認する必要がありますので、有効区域外のボールの拾い上げ禁止。
2項の「メーヌの終了に際し、得点を数える前に取り除いたボールは、すべて無効である」。
要は、ボールをピックアップする際に、「何点うちに入っていると思いますが、いいですか」と
すればいいわけですが、それなしの行動をしてしまうと・・・
ただ、たとえば明らかにAチームのボールがビュットに近いが、Aチーム投げ切り。Bチームは
2番手、3番手、4番手のボールがビュット近くにあり、しかも残りボールも1球あったという
状況を仮定します。
最後にティール、ティールが成功すればカロしなくても3点は入るというなかでティール失敗。
やれやれと、Aチームが無言でビュット近くのボールを拾い上げたとします。
ここで、Bチームが「合意なしに拾い上げたのだから、そのボールは無効でしょう。うちが3点
勝った」と主張したとしたら・・・どうでしょうか?
確かに「1点ですね」と断らずにボールを拾い上げたAチームにも反省すべき点はありますが、
やはりBチームの主張を認めるわけにもいかないところですね。
3項「選手がまだ投げるボールが残っているにもかかわらず、有効区域内の味方チームのボールを拾い上げた場合、そのチームは残りボールを投げることはできない」という項文。
ルール改正でも、かなり注目された条項文なんですが・・・
この罰則が適用されるケースは、ふたつのみ。
ひとつは、「メーヌが終了したと勘違いして」というケース。
そういう意味では、6条12項のポータブルサークルの拾い上げと似ていますね。
もうひとつは、「戦略上、味方のボールが邪魔になるから」というケース。
たとえばビュット近くに相手ボール、そのボールにくっついて競技方向奥に味方ボール。
このような状況ですと、真芯をくうティールほど味方のボールだけが飛び出し、相手チームのボールは残ることになりますので、もう一度ティールしなければならないと。
ならばビュットに2番目に近いボールながら、初めから取り除いておいたほうがいいということで(邪魔になる味方ボールを)取り除こうと・・・このような行為に対する罰則。
味方の残りボールは全て無効となりますが、取り除いたボールは元に戻すという処置に。
またこのような悪質な違反の場合、より厳しい罰則(大会からの失格)もありえます。
かっては、いったん取り除いたボールは元に戻せませんでしたが、現行ルールは元の位置に。
このあたり、まだ勘違いしているぺタンカーも多いようにも思えます。
また、日本選手権などの場合、隣接する横のコートに移動したボールは有効(時間制限なし)なわけですが、普段の大会で時間制限ありでやっていますと、このあたりを勘違いして拾い上げてしまうという実例もあるようです。
この場合は、拾い上げた選手に警告、ボールは元の位置に戻す、残りボールは有効ということになります。
27条はわずか3項ながら、まだまだ説明していけば、いろいろなケースがあるようですね。