エキノコックス症は包虫症とも呼ばれ、世界に4種類知られていますが、日本の北海道で問題となっている多包条虫という種類は北半球に分布し、親虫は体長が3～4㎜でキツネやイヌの腸に寄生しています。
親虫が産み出す卵は、動物の糞とともに排出され、直径0.03mmときわめて小さなものです。
通常は、この卵が野ネズミの口から体内に入り、肝臓などで幼虫に発育し、そのままとどまっています。
そして、幼虫を宿した野ネズミをキツネが食べると、キツネの腸で親虫になるというしくみです。
このように、自然界では、エキノコックスはキツネと野ネズミの間で受け渡されながら生活しているわけですが、ヒトがエキノコックス症にかかるのは、親虫を宿すキツネやイヌの糞とともに排出された卵が、何らかの機会にヒトの口に入り、肝臓などに幼虫が寄生することによります。
感染してから症状が出るまでに数年から10数年かかり、治療のためには手術を受ける必要がある怖い病気でもあります。
このエキノコックスが2014年に愛知県で野犬のふんから卵が検出されました。
そのほか本州では豚でも感染が確認されています。
最近では犬などペットを連れて旅行する人も多くなり、北海道だけでなく西日本でも注意が必要になっています。
そのエキノコックス症を予防・治療するお薬が「ミルプラゾン」がです。
フィラリア予防と一緒になっているお薬で、犬用と猫用があります。
マダニ駆除、ノミ対策とたくさんあって大変ですが、ヒトへの感染危険がある病気に対しては、ペットの予防も怠らないようにしたいものですね。
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