今回の地震で
東京にいる私はある程度、外側から
この災害をみていることになります。

さまざまな情報をみながら
ふと思い出したのが
宮沢賢治の有名な

「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」

という一連の文章です。


私は、このメモに書かれていたという
一連の文章が
宮沢賢治の他の作品に比べて
あまり好きではありませんでした。

もっと力強いものがいくつもあり、
それらの方により共感していたのです。


でも、今回の地震で思い出したのは

ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ

という部分。


自然の力の中で、人の力が及ばないことは多く
農業指導者として力を尽くしていた賢治は
そのことが身にしみていたのだろうな…と

今よりもずっと日照りや冷害に影響をうけていた当時の農業。

実際にはただおろおろばかりしていたわけではない賢治ですが
心の中ではそういった無力感も感じていたのでしょうか。

(そういえば、宮沢賢治は
 生まれた年と亡くなった年に大きな地震があったそうです。)


私たちは、本当に
突然の災害に何ができるのか。。。

一人ひとりにできることは小さいものかもしれません。
私などは行動力もないし、特にそう思います。

けれど、
「ほめられもせず、苦にもされず」
そういう存在でありつつ、
できることを少しずつでも喜んでやって行く

毎日をいたずらに不安に思わず
助け合う心を忘れず
思いやりを忘れず
明るい心を忘れずに

生きて行きたいと思います。




新たな詩人よ
嵐から雲から光から
新たな透明なエネルギーを得て
人と地球にとるべき形を暗示せよ

新たな時代のマルクスよ
これらの盲目な衝動から動く世界を
素晴らしく美しい構成に変へよ

諸君はこの颯爽たる
諸君の未来圏から吹いて来る
透明な清潔な風を感じないのか

(中略)

誰が誰よりどうだとか
誰の仕事がどうしたとか
そんなことを云っているひまがあるのか
さあわれわれは一つになって

(宮沢賢治 生徒諸君に寄せる より 一部抜粋)