座る生活、の話 |      生きる稽古 死ぬ稽古

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ー毎日が おけいこ日和ー
        

藤田一照さんと、光岡英稔さんの共著

「退歩のススメ」

を読んで、

 

 

なかなか実行できなかったことに取りかかりました。

 

この本の第1章で

しゃがむことや座ることについて話されているのですが、

 

椅子に座っていると感覚がお尻で止まってしまうからです。

お尻から下はただぶらぶらしてるだけのもので、

足先までが自分だといった感覚がありません

と、光岡さんがおっしゃっています。

 

一方の一照さんも、

人は足腰が奪われたり、足腰の経験が消えてしまうと

一瞬にして自信を失います。

自立できなくなります。

そして足腰が消えていくと肚も失います

とおっしゃっています。

 

(やっぱりそうだったか〜〜〜〜)

ということを強く感じた私は、

仕事机の高さを変える決心をしたのでした。

 

今までの暮らしを振り返ってみますに、

東京に出てくるまでは、ずっと和室が多い暮らしをしておりました。

私は正座が苦手なので、ずっとあぐらをかいていたのですけれど

それでも畳に座る生活が多かったわけです。

 

上京して最初は女子寮でした。

畳の部屋に備え付けのベッドがついていたのですが

それだと部屋が狭くなるため、

ベッドを立てかけてしまって、

畳に布団を敷いて寝起きしておりました。

 

次の一人暮らしは

畳にカーペットを敷いた暮らしでした。

ベッドには寝ていましたが、

食事をしたり、絵を描いたりするのは

座って座卓を使うという生活だったのです。

トイレも和式だったために

<じゃがむ>ことは生活の中で当たり前にあったのです。

 

結婚してから畳の部屋が減って、

食事も、仕事も椅子に座るようになり

トイレも洋式になってから

足がむくむようになりました。

そのことに関係性があるのかないのかわからぬまま

だんだんと畳の生活が恋しくなって、

今の家に住んでいます。

今、わたしの仕事部屋は畳に絨毯を敷いています。

狭小住宅の一部屋が私の仕事場。

プラスチックの引き出しがついている金属スチールを足にして

そこに天板を乗せただけの簡素な仕事机です。

机と椅子で仕事をしていましたが

(事務用の椅子が部屋を狭くしているよねぇ)

ということを常々感じていました。

でも机を座卓にしてしまうと、

スチールに入っている物の置き場所に困ります。

ここで長いこと、二の足を踏んでしまっていたのでした。

 

「退歩のススメ」が、

そんな私の二の足をエイヤッと動かしてくれました。

 

「金属のスチールを、切ることができる?」

と夫に聞いてみましたら、

「できるよ」

と、あっさり答えてくれまして、

で、実際にギュイ〜〜〜ンと切ってくれまして

おかげで見事に座卓を手に入れることができたのでした!

 

 

パソコンの横に写っているのは、

坂本夕美子さんから購入したカッサです。

カッサというのは

皮膚の経絡や反射区を擦って刺激することで、

毛細血管に圧を加えて血液の毒を肌表面に押し出し、

経絡の流れを良くするというもの。

 

床に直接座っていると

足をコレでゴシゴシと擦ることができるんです。

膝から下をカッサで擦れるのも

座卓にした大きな利点ですねウインク

 

そうしてね、この写真では暗くて見えないですけれど、

天板の上で本棚として使っているのが

着物をしまっておくための桐の箱です。

友人から譲り受けたこの箱を、長いこと本棚として使っているんです。

ついでなのでね、この天板と本棚をペンキで塗りました口笛

 

 

以前、色をつけた↑このチェストと同じ色です。

 

こうやって部屋がどんどん緑色に浸食されていく。。。爆  笑

 

昨夜はこの部屋で寝っ転がって本を読みました。

そうしていると、お行儀悪く

足がどんどん好き勝手に動いていきます。

縮こまっているところが伸びたくなって伸びていきます。

 

なによりもお尻が床についているのって

とっても気持ちがいいんですよね。

そうそう、この暮らしがしたかったんですよ義理チョコ

 

「退歩のススメ」の中で、

正坐と椅子の上で座って弾くのでは

三味線の音が違うそうです

ということも光岡さんはおっしゃっています。

 

私が実感として感じるのは、

依頼を受けて描くイラストは

椅子に座って描くことができますけれど

自分の内側から出てくる絵は

床に直接座って描きたくなる

ということです。

 

今までなんとなくそうしてきただけのことなのですが

この本を読んでみて

<座る>ということは

身体感覚に大きな意味があるのだなぁということが、

これまたなんとなくてすが、わかってきました。

 

こうやって少しずつ、

心地よい暮らしを手に入れていく。

幸せなことであります照れ

 

この本に出会えてよかった〜ラブ