フッと目がが覚めた


薄暗い壁が見える


ずいぶんと遠い気がするけどここはどこだろう?


身体を動かそうとしたら激痛が走った


動こうにも脇腹辺りが痛くて動けない


「あれ私横になっている?」


壁と天井を憲子は間違えていたらしい


「ここはどこ?いちちち」


肘で身体をゆっくりと起こし辺りを見回す


「どこかの部屋みたいだけど…病院?」


何故病院で寝ていたのか憲子はわからなかった


自分が刺され病院に運ばれ傷の手当てを受け


この病室に寝ていた事がわからず過去を思い出そうとした。


「そうだ!私確か刺された?なんか腹部に痛みを感じて


そのまま倒れたような気がした」


憲子は刺された腹部を包帯の上から触り痛みを感じた


「私助かったんだぁ…」


憲子は誰かにしゃべるかのようにつぶやいた


「あっ幸太!」


憲子は息子は今どうしているのかと心配をした


夫の将彦も今頃私の心配をしてるんじゃないかと


早く連絡しないとと憲子は携帯電話を探す為自分の周りを見たが


暗すぎて何も見えない


「あーん電気のスイッチどこよ!何も見えないじゃない」


イラつきながら冷静にドアの方を見て


普通スイッチはドアの近くよねとベッドからドアの距離を


目で測った時途方も無く長い距離だと思った。


「あそこまで行くのに傷の痛みに耐えられるかしら?」


憲子はやだやだとため息をつきそーっと腹部に負担が掛からないように


ベッドから脚を下ろした


そのままゆっくり脚に体重を掛けすり足でドアの方に向かった。


傷は少し痛んだがドアにたどり着き電気のスイッチを入れた。


そのままベッドのほうを見渡してあることに気づいた


「コールボタンあったんだ…忘れてたわ」


憲子はまたドアからベッドまでの距離をすり足で戻って


やっとのおもいでコールボタンを押した






部屋を出たのはいいがどうすればいい?


なんでこんな事になってしまったんだろう?


ポケットにしまってあるナイフを気にしながらあても無く歩く


後藤は天にため息をつき歩いていた。


とりあえず犯行に使ったナイフをどこかに隠さないといけない


しかも一切の証拠を出すわけにはいかないから指紋とかも


完全に拭いてからどこかに隠さないといけない。


「めんどくさいな…できるだけ遠くに捨てた方がいいのかな?」


後藤はわざわざナイフ一本の為に遠くまで行かなければいけないのかと


自分に問いかけた。


指紋とナイフの出所が分からなければバレないんじゃないかと思った。


「このナイフは昔買ったうやつだしどこの店で売ってるかなんてわからないだろう」


後藤は自分にそう言い聞かせどこかどの辺の茂みやら川を探して


そこに捨てる事を決めた。


後藤がどこがいいか辺りを見回し頭の中で地図を広げ


今自分がどこにいるか探った。 その時


「後藤さん…ですか?」


急に自分の名前を呼ばれドキッとしてあわててその声の方へ顔をやった


「あーやっぱ後藤さんだ どうしたんですかこんな所で?」


「あーまき…のさんでしたっけ?」


「はいそうですよ。家がこの辺なんですよ僕 んで今コンビニに寄って


夕飯を買って帰るところだったんです」


後藤は少し動揺して


「そ…そうなんですか へーこの辺なんですか住んでる所


僕もこの辺に住んでるんですよ」


「そうらしいですね 刑事さんがそう教えてくれましたよ


どうです?もし良かったら家に寄ってくださいよ


まぁこんな状況なんでもてなす事は出来ないですけどお酒ぐらいありますよ」


とコンビニの袋を見せてこんな飯で良かったらとアピールをした。


「はぁでもこんな時間ですしなんか悪いので遠慮しますよ」


今牧野の家に行ってる場合じゃない 早くナイフを捨てて


少しでも楽になりたいと思い丁重に断った。


「何いってるんですか 後藤さんは命の恩人なんですから


そんな気を使わないでいいんですよ もう近くなんですよ家は


行きましょう!」


将彦は憲子容態を確認出来たのか気が少し楽になっていた


そんなときに後藤にばったり会って憲子の命を救ってくれた事を


感謝したいそんな気持ちだった。


「じゃー…少しだけならお邪魔しようかな…」


後藤は将彦の強引差にかなわず家に行くことになった。


後藤の頭の中はナイフがばれないかとそれだけだった。

新木は後藤のアパートの前に車を止め後藤の部屋を探した


後藤の住んでいるアパートは木造建てで築何十年は経っていると思われ


夜になって見てもボロが目立つ階段も錆びが浮いており手すりに触るのに


戸惑う


新木は後藤の部屋を見つけドア越しにノックした。


「いないのか?」


一応ドアノブをひねってみたが鍵はかかっていた。


「どこいきやがったんだこんな時間に?人でも襲いにいったか?」


新木はフッとでた脳裏に少し嫌な感じを覚えた。


ただの予測と感での想像だが新木は真犯人がわかるまで


その予測と感を信じた。


新木は携帯電話を取り出し署に連絡をした。


「悪いんだが後藤の住んでいるアパートの管理人に連絡して


後藤の部屋の鍵を持ってきてもらってくれ」


「無理ですよ!許可も得てないのに勝手に入ったら不法侵入で


訴えられますよ!


「だから管理人の付き添いで入るんだよ。後はバレなきゃいいんだろ」


新木は強引に署にいる部下を説得し管理人が来るのを待った。