小説 「邪馬台国はどこですか」 | ガレージ ペスカ

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友人に勧められ、小説 「邪馬台国はどこですか」を読んでみました。

 

 

 

日本古代史専攻の大学教授三谷敦彦と、同大学の助手早乙女静香が良く行くバーにて、バーテンダーの松永は、同じく常連客である雑誌のライターで歴史家の宮田六郎を会話でつなぐ事にした。

歴史研究に精通している3人は、言葉を交わすが、宮田が「ブッダは悟りなんか開いてない」と言った為、激しい論議をする事になる。

感情的な静香が、宮田の突起な説に対して、真っ向から反論を言いったり証明を求めたりし、三谷は一歩引いた立ち位置から偶に意見や質問を言うと言う論議スタイルで、バーテンダーの松永はそれを聞いている。

かなり唐突でユニークな説にも拘わらす、主流の説を唱え反論する静香を宮田は論破して、ブッタは悟りを開いていない事を証明いてしまう。

 
 
 

また別の日、同じバーでかち合った3人は、静香の研究テーマであった邪馬台国について論議になる。

邪馬台国が有った場所について、九州説が有力であるにも関わらず、宮田は東北だと言い切る。

当然、激しい反論にあうが、宮田は魏志倭人伝の記述について、信頼できる箇所とそうでない場所を示し、当時の情勢等も含め、またしても自説の正当性を証明してみせてしまう。

その後も、日を変え3人がバーで会うたび、聖徳太子の正体についてや、織田信長自殺説、明治維新勝海舟黒幕説、等について論議を重ね、都度宮田は持論を証明して行く。

歴史について勉強し始め、3人の論議をとても楽しむようになった松永は、バーにPC画面を投影出来るプロジェクターを設置し、宮田が言っていたキリストの復活は事実だと言う発言を、取り出しあえて論議に、火をつける。

 

 

 

双方の言う事を1人が書いているからこそ、成り立ち論議では有ると思うのですが、それでも奇説を証明してしまうハイレベルな歴史論議が、高度な知識で展開される様は他に類を見ない至高の話しだと思います。

相当調べたのだとは思いますが、それでも作者に逸脱した歴史知識が備わっているだろう事が分かります。

また唯一の舞台となるバーの描写も良く、実際にはバーテンダー一人では提供が出来ないとは思いますが、美味しそうな食べ物がいっぱいでてきます。

静香の口悪キャラクターはかなり嫌いな印象を持ちますが、それが宮田の証明を引き立てるエッセンスになっているのだと思います。

古墳から城跡までの史跡や歴史が好きで、バーも行く自分にとっては、とても面白ろい作品でした。