七つの会議
大手家電メーカーの子会社東京建電の営業第二課の課長である原島万二は、会議の度に営業部長の北川誠から、厳しいノルマを掲げさせられていた。
一方毎回、目標金額を達成している営業第一課の坂戸宣彦課長は、北川から賛美を受けていた。
そんな花の営業一課の中での鼻つまみ者、毎度定時に帰り居眠りばかりを繰り返す八角民夫に対し、坂戸一課長は厳しい態度で接し、叱咤する。
しかしその叱咤に対し八角はパワハラで訴えを起こし、社内で調査が行われパワハラは認定され、坂戸は左遷、そして新しい営業第一課の課長には原島が任命される。
そんな中、八角がネジの仕入れ先を既設の業者よりコストが高い、ネジ六と言う会社に変更していた事が分かり原島と一課の女性事務員浜本は、疑問を持つ。
実は浜本は社内不倫に嫌気がさし退社を決める、辞表を出すとしつこく訳を聞かれ、寿退社と嘘をついていた。
そんな浜本は、この会社で何かやった事を残そうと、ドーナッツの無人販売を企画するが、営業部と犬猿の経理部に妨害され一応試験販売と言う名目で行う事になる。
しかし毎回金を払わないドーナッツ泥棒が現れるので、浜元は原島と犯人を突き止めると、何と犯人は元浜本が不倫していた経理部の新田だった。
経理部は、コスト高になるネジの仕入れ先変更の件で八角を、経営会議で追及するが、北川が発覚の肩を持ち不問とさら、反対に新田はドーナッツ泥棒と嘘をついての不倫の件で左遷される。
それでも、仕入れ先の変更に疑問を持った原島と浜本は、以前の仕入れ先だったトーメイテックの作ったネジを手に入れ強度試験に掛けると、何と規定の半分の強度しかない事が分かった。
そこに八角が現れ、実は航空機や列車に使われているネジも強度が不足している事実を話す。
実はいち早くその事実に気が付いていた八角と北川は、社長に報告社長は実態の概要が掴めたら、リコールを発表すると約束していたのだった。
しかし、その約束の日社長は発表を行わず、隠ぺいする事を宣言する。それを聞いた八角は親会社から出向で来ている副社長にネジ強度データ改ざんの情報ををリークし、自体はゼノックスグループの総帥、徳山の前で御前会議に掛けられることになった。
全て部下の責任氏しようとする東京建電社長だったが、副社長に呼ばれた八角が登場しでっち上げの証拠でトーメイテックから聞き出した証拠の自白音声を再生する。
そこには、全てを仕組んだのが東京建電の社長だった事が語られていた、更に事は20年前のデータ改ざんにまで明るみになる。
八角らの完全勝利だった御前会議だったが、徳山はデータの改善を隠蔽する事を決め、東京建電から全ての証拠を回収する。
八角と北川は、偶然残ったネジ1本だけの証拠で、内部告発する事を決意する。
半沢直樹シリーズの池井戸 潤作の小説が原作です。大企業のサラリーマンの話しですが、何となく半沢直樹と同じ雰囲気が有ります。
前半は醜い企業内の派閥争いと弾圧が描かれますが、徐々に陰謀を暴く話になって行きます。
ストーリーの何処にも矛盾や破綻を感じす、また不要な部分も無い為非常に中身が濃い良く出来た話にまとまっています。
香川照之の顔芸も健在で、八角を演じた野村萬斎のニヒルサラリーマンも素敵でした。