源氏物語「若菜・下」② 冷泉帝の退位。そして源氏、入道の願ほどきに住吉の神に参拝する。(本文) | 気ままな日常を綴っています。

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いつか静かに消える時まで。。
一人静かに思いのままに生きたい。。

これといった事も無く、冷泉帝が即位して18年の年月が流れていたわ。

冷泉帝は、予てから退位を考えていたけれども、最近大そう重い病気をなさった事から、にわかに御譲位になったわ。

太政大臣(元・頭の中将→内大臣)は、帝の御退位を受けて自らも辞職して邸内に引き籠ってしまうわ。

そこで、髭黒の左大将が右大臣に昇進して政務を執行する事になったわ。。

 

明石の女御がお生みになった一の宮が東宮にお立ちになったわ。

やはり、これが実現するとなると目の覚めるような素晴らしい事だと思われるのよ。

夕霧の右大将は大納言に昇進して、髭黒の右大臣と良いコンビで政務を司る事になるのよ。

 

源氏は、実は、冷泉院に世継ぎが生まれなかった事を残念に思っていたのよ。

もちろん新東宮も自分の血筋ではあるものの、冷泉院への想いは格別なものだったのよ。

あれほど藤壺の尼宮が冷泉院を帝位に就ける事を望んでいたのに、男御子が無く子孫に伝える事が出来なかったから。。

冷泉院の出生の秘密という罪は、源氏の胸の内の煩悶を外に洩らさなかった故に、冷泉院は無事治世を全うしたものの。。源氏の気持ちはスッキリしなかったのね。。もちろん、そんな事を人にも言えないけれども。

 

東宮の御母君の明石の女御は、その後たくさんの御子をお生みになり帝の御寵愛は深まるばかりだったわ。。

 

新しい帝は、実姉の女三宮の事を心配して心に掛けているけれども、紫の上の御威勢には敵わないわ。。

源氏と紫の上は益々仲睦まじく過ごすのよ。

けれども、紫の上は、もう、源氏の愛にすがって生きてそれを誰よりも受ける事が出来たし、もうこの歳になって俗世にすがるのはどうか。。と、出家を許していただく様、源氏に申し出るのよ。

源氏はそんな紫の上の願いを「とんでも無い」といつも反対するわ。

 

明石の女御は紫の上だけを生みの母親の様にお立てになるし、実母の明石の君は陰のお世話役として分を守っているのよ。

明石の尼君は。こらえきれぬ嬉し涙をしきりに拭いているわ。

長生きして幸福な年寄りの見本の様になっているのよ。

 

源氏は、入道が住吉の神に立てた願ほどきの参拝をそろそろしよう。。と思うのよ。

例の文箱を開けると、数々のたいそうな大願が書き記されていたわ。。

今の源氏の御威勢が無ければとても願ほどきは出来そうも無い分不相応の大望ばかりだったのよ。

今回は、この入道の願ほどきという趣旨は表向きにはしないで、自分の参詣として出発するわ。

そして紫の上も一緒に連れて参詣するのよ。

明石の女御と紫の上は、一つ車にお乗りになるわ。

次の御車には、明石の君それに尼君もこっそり乗っていたのよ。

女御の乳母(源氏がかつて明石に遣わした女君)も事情を知っている者だから。。というので、ご一緒に乗せていただくのね。

実は、明石の君は、尼君はご遠慮したいと申し出たけれど(※亡くなる前にもう一度明石の浦を見せたいという)源氏の計らいで同行が叶ったのよ。

 

10月20日の事だったので、明石の神社は風の音だけではなく紅葉の色にも秋の気配が感じられる風情だったわ。。

源氏は、昔、明石の地に流浪していた時の事を思い出し、あの時我が身を顧みずに会いに来てくれた辞職された太政大臣の事を恋しく思いやるのよ。

源氏は「貴女と私の他に、誰が昔の事情を知っていて住吉の松を尋ねる者が居るでしょうか。。」と尼君にそっと手紙を届けさせるわ。

尼君は、明石の浦で、もうこれが最後と源氏にお別れした時の事や明石の女御がまだ母君のお腹にいらした当時の有様などを思い出すわ。。

そして、お返事に手間取っては失礼に当たろうと「この住吉の浜が縁起の良い浜だと、長らくここに住み慣れた海人も今日初めて知った事でしょう。。」と、思ったままをお返事したのね。

 

紫の上は、お邸の外への旅行は初めての経験なので、全ての事が珍しく感じるのよ。

 

源氏の身分が身分なので、格式に決まりが有り、又と無い煌びやかな御威勢なのだけれど、あの明石の入道がこの有様を聞く事も見る事も出来ない深い山に入ってしまった事だけが、ただただ残念でならないわ。

本当にああした決断はなかなか出来る事では無いのよ。

だからと言って、入道が顔を出していたらそれは見苦しいでしょうけれど。。

 

この明石一族の幸運の例を見て「明石の尼君」と言えば幸運人の象徴の様になっていたのよ。

あの例の前の太政大臣のところの近江の君は、双六を打つ時のお呪いにも「明石の尼君、明石の尼君」と言いながらいい目が出る様に。。と祈って居るのね。

 

ところで出家された朱雀院は、宮中の政務など一切お耳に入れられないけれども、女三宮の身の上はずっと心配して居るのよ。

帝が朱雀院に行幸された時も、院はくれぐれも女三宮の事をご配慮いただく様お願いするのよ。

(帝は)女三宮を二品の位におすすめになり、御封などもそれに連れて多くなったのよ。

女三宮の御威勢はこうして益々盛大になって行くのね。。

 

今日はこれまでです。

次回は、話は進めず、今回の「冷泉帝の退位」について私なりの追記を記載したいと思います。

宜しくお願い致します。

今日も長い文章で失礼いたしました。

 

良い一日をお過ごしくださいね❣️

 

(追記)

要約できないくらい内容が盛りだくさんですね。。すみません。

まあ、私としては、「冷泉帝の退位」がメインで、あとは、明石の女御が生んだ皇子が東宮になったので、みんな揃って幸せに住吉神社にお参りしました、ていう所でしょうか。。あえて要約するならば。

明石の君も明石の尼君も、女御の乳母も、源氏の配慮で一緒に楽しく旅をしたし、紫の上も初めて遠くに旅に出れたというところかな。。。