源氏物語「藤袴」②(最終回)宮仕えが決定した玉鬘の姫君と貴公子たち。 | 気ままな日常を綴っています。

気ままな日常を綴っています。

いつか静かに消える時まで。。
一人静かに思いのままに生きたい。。

玉鬘の姫君は、喪も明け参内は10月ごろに頃に。。という事になったわ。

帝も参内の日を待ち遠しく思うわ。

一方、これまで玉鬘の姫君に思いを寄せていた方々は、どなたも皆残念そうに思い、参内の前に何とかしたいものだと焦るわ。

 

夕霧の中将も、言わなくても良い事をなまじ打ち明けてしまったので、玉鬘の姫君がどう思って居るのか気が揉めて何かと駆け巡って親切にお世話を相手ご機嫌を取って居るわ。

 

あんなに恋い焦がれて辛い思いを姫君に訴えていた柏木の中将は、ようやく内大臣のお使いとして訪れたわ。

姫君は、実の姉弟と知った今でも女房の宰相の君を通じてお話するわ。

柏木は、こんな姫君の態度を不服に思うものの、内大臣の御伝言の数々を(気分がすぐれないという姫君に)声を潜めてお伝えするわ。

 

姫君の冷たさに「今まで実の姉とも知らずに実るはずもない恋文などを送って迷ったものだ」と、つい恨み言を言うわ。

姫君は、「貴方からのお手紙が恋文だなんて気づかなかったわ」と、宰相の君を通じてお返事するのね。

何事についても世間へ気兼ねをせざるを得ない姫君の立場からは(このような冷たい扱いを)許して欲しい。。と宰相の君はうまくとりなして差し上げるわ。尤もな事ね。

 

髭黒の大将は、この柏木の中将と同じ右近衛府の長官なので、始終中将に熱心に相談し、玉鬘の姫君への求婚を内大臣にもよく頼んでいたわ。

大将は人物も立派で、将来は朝廷の摂政ともなる候補者なので、内大臣にとっては婿として不足は無い、と思うのよ。

でも、あの源氏が「内侍に」と決めた事にも反対できかねていたわ。

内侍に出すにはそれ相当の理由もあるだろう。。と(勝手に)思い当たる節もあるので、すっかり源氏に(玉鬘の姫君の処遇は)任せていたのね。

 

この髭黒の大将は、東宮の生母のご兄弟で、源氏・内大臣に次ぐ人として帝のご信頼も厚かったわ。

年齢は32、3歳くらいね。

北の方は、紫の上の異腹の姉上で、髭黒の大将より三つ四つ年上だったわ。。

このように北の方が年上というのは良くある事なのに、大将はなぜかこの方を「お婆さん」と呼んで大切にせず、何とかして別れたいと思っていたのね。

源氏は、髭黒の大将の北の方が紫の上の姉君という関係から、髭黒との結婚はふさわしくなく玉鬘の姫君がかわいそうな事になるだろう。。と考えて居るようなのよ。

髭黒の大将は、姫君が宮仕えに気乗りしていないらしい。。という話を聞いていたので(源氏の意向だけが違って居るが)実父の内大臣も異存が無ければと、弁のおもとという姫君付きの女房にも仲を取り持つように催促するのよ。

 

やがて9月になるわ。

例によって、それぞれ中に立つ女房達がそっと隠し持って来る恋文などを姫君ご自身では見る事はなく、女房達が読み聞かせるわ。

髭黒の大将、蛍兵部卿の宮、式部卿の宮のご子息の左兵衛の督(紫の上の異母兄弟)などの貴公子からのお手紙を、女房達は「宮仕えになったらこんな素敵な方々がすっかり諦めておしまいになり、淋しいでしょうね。。」と残念がるわ。

 

玉鬘の姫君は、どういうつもりか、蛍兵部卿の宮から届いた手紙にだけお返事をしたためるわ。

そこには「好んで出仕する訳ではない私が朝置く霜(兵部卿の宮の事)をお忘れするでしょうか。。」と宮の愛情を受け止めて居るかのような和歌がしたためられていたわ。

ほんの一言にせよ、宮はたいそう嬉しく思われるのだったのよ。

 

今日はここまでです。

ありがとうございます。

 

次回は「真木柱」①です。

今日も良い一日をお過ごしくださいね❣️

ーーーーーーーーーーーーーーー

(追記)

玉鬘の姫君は、とても理性的で、行幸の時の冷泉帝を拝しても決して舞い上がる事なく、内侍としての宮仕えにより思いもかけず帝のご寵愛を受けた場合の自分の立ち位置を冷静に分析しています。

この時代、女性が生きてゆく上で、もちろん身分の高い男性の寵愛を受けることが願いではありますが、やはり、身分の釣り合いが無い場合は、周囲との軋轢が生じ非常に生き難いという事実を、賢明にも彼女は自らの生い立ちの数奇さからうすうす感づいています。

よって、「あまり魅力を感じない」とはいえ、「自分の気持ち」としては蛍兵部卿の宮に嫁ぐのが一番安住すると思っていたのでは無いか、と思います。

しかし、彼女の運命は思わぬ方向に行ってしまうようです。。。