内大臣はあれ以来、大宮邸に訪れず大宮を恨んでいたわ。
その後内大臣は、立后に失敗した長女の弘徽殿の女御がすっかり悲観しているのを見て、里に下がらせてゆっくり休ませて上げる事にしたのよ。
帝は女御を夜昼お側に引きつけて居られたので容易にお許しが出なかったのを、内大臣は強引に女御をお里にお迎えになったわ。
さらに内大臣は「こちらではさぞ退屈でしょうから、大宮のところから姫君をお呼びして一緒に音楽の遊びでもして下さい。大宮の所にお預けしていても早熟な人が一緒に居て何かと差し障りもありますので」と、これまた姫君までも急にこちらに引き取ろうとするのよ。
大宮がとても気落ちしたのを、内大臣は「宮中に仕えていた女御が、ご寵愛が恨めしい様子で里に下がっております間の一時的な事ですよ」と言うわ。。
大宮は、こうした内大臣の御性格を残念に思うのよ。。
大宮は「内大臣は思慮分別が有りながら私を恨んで、姫君を連れて行ってしまうとは。。あちらでは、こちらより安心という事も無いでしょうに。。」と泣きながら言うわ。
丁度其処へ夕霧の若君が大宮邸を訪れたわ。
でも、内大臣のお車が有ったのでそっと人目に付かない様自分の部屋に入ったわ。。
内大臣は「今のうちに参内して、夕方迎えに参ります」と言い残して出かけたわ。
道すがら、今更とやかく言っても仕方がない事だから、穏やかに話を付けていっそ若君と結婚させようか。。とも思うわ。若君の官位が今よりも少し高くなった所で姫君への愛情を見極めてからきちんと婿という形を付けよう。。同じ邸に住んでいては見苦しい事も起こりかね無いだろう。。等々ね。
姫君は14歳になったわ。(※夕霧の若君は12歳)
大宮は姫君を手放す事が淋しくてお泣きになるわ。。
姫君は若君の事を恥ずかしく思っているので、顔も上げられずひたすら泣くばかりだわ。。
其処へ若君の乳母の宰相の君が出て来て「姫君があちらに移るのは残念な事です。内大臣が他の方と縁談を進めてもそんなお考えの言いなりにならないよう。。」などと姫君に囁くわ。
大宮がそんな宰相の君をたしなめても、さらに宰相の君は「確かに、若君は今は六位だけれど他の人に引けを取るか、皆に聞けばわかる」と言い張るわ。
夕霧の若君が、物陰から涙をぬぐいながらそっと姫君を見ているのを、宰相の君はたまらなく可哀想に思って、大宮に上手く言い繕って夕暮れの人の出入りに紛れてお二人を対面させたわ。。
二人はぎこちないながらもお互いの恋心を確認し合うわ。
やがて内大臣が宮中から退出し、大宮邸に姫君を引き取りに訪れたわ。
若君は恐ろしくて震えている姫君を離さないわ。。見咎められて騒がれても構わない、と思ってね。
その様子を姫君の乳母が見つけて「まあ、嫌だ。。内大臣様がお腹立ちになるのも尤もです。どんなに立派なお方にせよ、せっかくのご結婚の相手が六位風情では。。」と呟くのを若君の耳にも入るわ。
若君は自分の事を位が無いと軽蔑されたと、姫君への恋心も少し冷める気がしてこの乳母を許せないと思うわ。
(※この雲居の雁の乳母の暴言は、プライドの高い夕霧の気持ちに突き刺さり、自分が立身出世するまでは雲居の雁に求婚するまい。。と意地になってしまうんですよね。。それが内大臣と雲居の雁を苦しめるんですよ。だから、暴言って自分に降るかかってしまうんですよね。)
内大臣が邸内に入られたので、姫君は自分の部屋に戻っていくわ。
間も無く姫君は、内大臣に連れられて大宮邸を離れて行くわ。。
若君は、後に残された事が人の手前ひどくみっともなく思われ、一人悲しみながら夜を明かしたわ。
今日はここまでです。
次回も「乙女(少女)おとめ」⑤です。
今日も長い文ですみませんでした💦
では皆さま、今日も良い一日をお過ごしくださいね❣️
