源氏は、腹心の家司に(明石の君一行の)無事到着の祝宴を命じるわ。
しかし、自分が行くことは、紫の上に対して口実を考える間に幾日か過ぎてしまったわ。。
源氏を待ちかねている明石の君は、所在なさげに(源氏が京に帰る前にお渡しになった)形見の琴をかき鳴らすわ。
尼君はその琴の音が松風と響きあう音に明石の浜への郷愁を覚えるわ。。
源氏は、といえば、明石の人々を迎えて却って落ち着かない日々を送って居たわ。
人目を憚ってばかりも居られなくなり、ついに大堰に訪れるわ。
例によって、紫の上には事前に自分から事の次第を打ち明けるわ。
「桂の別荘(今の桂離宮あたりにあると言われている源氏の別荘)に用事があります。ついでに訪ねる女も近くに来て居ます。待っている様子なので行ってまいります。それと、嵯峨野の御堂の飾り付けが終わっていない仏像のお世話もありますので。。2、3日空けます。」と。
すると紫の上は、「斧の柄を取り替える程に長いお留守になるのでしょうね」と不機嫌になるわ。
源氏は、紫の上が拗ねるのを見て(そういえば、葵の上は嫉妬なんか見せなかったな。。ちょっとは見せて欲しいと思ったものだったけれど、という昔を思い出し)やっぱりそんな紫の上が愛しいと思うのね。
ごく普通の夫婦の場面が微笑ましいお二人の会話だと思うわ。
源氏は、大堰で初めて姫君に会ったわ。。源氏の感動はひとしおで今まで別れていた年月さえ、哀しく情けなく思うのよ。当然だわね。。
そして、姫君の乳母には、明石でよく辛抱してくれたね、と労うわ。
源氏は、大堰は遠くて訪ねるのも大変だから二条の院に来るよう。。と、明石の君を説得するも良いお返事はしないでいるわ。
その夜、二人は3年ぶりに一緒に過ごし細々と将来を誓い語り合うわ。
翌日源氏は尼君に、姫君を美しく育ててくれた礼を労うわ。
そして明石に残った入道への気遣いのお言葉も述べらるのよ。
それを聞いて尼君は、一度は俗世を捨てたのに今更帰って来て悩んでいる気持ちが報われるような思いだったのよ。
ただ、行く末頼もしい姫君の将来が母の素性の卑しさの為にどうなることか。。と申し上げるわ。
(薔薇のハウステンボス)
源氏は、嵯峨野の御堂の用事を済ませ大堰のお邸に帰ったわ。
源氏は、明石の君の美しく成熟したお姿の素晴らしさを見るにつけ、このまま見捨てる気持ちにはもちろんなれないわ。
けれども可愛い姫君を見るにつけ、有り難く「これからのご幸運を考えると、日陰の子としてそだてるのは非常に残念だ、二条の院に連れて行って紫の上の元で思いのままに育てれば人からとやかく言われまい」と考えるわ。
でも、一方、源氏は、そうなると明石の君の悲しみが痛々しいだろう、と慮ってとても言い出すことができないのよ。
翌日は京に帰る予定だったけれど、桂の院にお迎えの人々が大勢集まって来たものだから、源氏は仕方無く姫君と明石の君との別れを惜しみつつ大堰のお邸を後にするわ。
桂の院では、賑やかに漢詩の絶句を作ったり、和歌を詠んだり、管弦のお遊び等で宴会が催されるわ。
こうして源氏は2、3日という紫の上との約束を過ぎた5日目にようやく二条の院に帰って来たわ。
紫の上は、源氏の帰りが遅かったものだからご機嫌斜めなのよ。
源氏はそっと「比べものにならない相手を対等に考えるのはつまらないものです、自分は自分と平気で無視して居れば良いのです」と優しく教えてあげるわ。
大堰の明石の君と姫君の件について、源氏はあえて紫の上に隠し立てはしないわ。
そして源氏は、紫の上に明石の姫君の事を打ち明けるわ。「実は、あの姫君はこちらで引き取って貴女が育ててくれませんか。3才の袴着などもしてやりたいと思いますが、無礼で無ければ是非、腰結の役としてやって欲しい。。」と。
小さな子供好きの紫の上は、喜んでお引き受けしたいと考えるわ。。
源氏はそうなると、姫君を連れて行かれる明石の君の心情を思い悩むのよね。。
今日は以上です。
有難うございました。
次回は「薄雲」①です。
今日も良い一日をお過ごしくださいね❣️
