【〇○婦問題】2021.03 (h) ① | ぺる Ⅱのブログ

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続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2021

01(03/01)[寄稿]「慰安婦被害者」…誰が少女に被害者らしさを求めるのか

02(03/01)ノーベル賞受賞者など学者2400人が 「ラムザイヤー『慰安婦』論文撤回」署名参加

03(03/02)独立叫んだ三一節102周年、オンライン空間などで「それぞれの記念日」熱く

04(03/02)「ナチス虐殺の否定を連想」2人のノーベル賞受賞者も「ラムザイヤー慰安婦論文」批判

05(03/02)慰安婦被害者イ・ヨンスさん、女性家族部長官と面会「国際司法裁判所への提訴に力を」

06(03/02)文大統領の任期中に韓日関係の改善は可能だろうか

07(03/02)日本、文大統領の三一節記念演説に「韓国側の具体的提案を注視」

08(03/02)[社説]文大統領「相手の立場を考えての対話」、日本も応じてほしい

09(03/03)「ラムザイヤー、歴史歪曲やめよ」慰安婦被害者イ・オクソンさん、保坂祐二教授ら声明

10(03/03)慰安婦被害者遺族ら「ラムザイヤー『慰安婦』論文の撤回と歴史歪曲処罰法の制定を」

11(03/04)「慰安婦」被害者イ・ヨンスさん「ICJへの付託のため、文大統領に会わせてほしい」

12(03/04)問題のラムザイヤー「慰安婦」論文掲載の学術誌、3月出版は困難に

13(03/04)[寄稿]親日派、現在進行形の加害者

 

 

 

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01 

[寄稿]「慰安婦被害者」…誰が少女に被害者らしさを求めるのか

登録:2021-03-01 01:43 修正:2021-03-01 08:01

 

ハム・ソクチョン ソウル西部地裁判事


京畿道広州市のナヌムの家で。ペ・チュンヒさんをはじめとする亡くなった被害者の胸像。日本軍慰安婦被害者たちが日本政府を相手取った損害賠償請求訴訟で初めて勝訴した8日午後に撮影/聯合ニュース

 

 「その時、なぜ大声を出さなかったんですか?」「飛び出して助けを求めればよかったのに」「なぜついて行ったのですか?」 被害者らしさを求める問い。法廷でこのような質問を受けた被害者はどのような様子だろうか。普通はすぐには答えられない。当惑した表情をする。しかしすぐに「なぜここでこんな質問をされるの?」という怪訝そうな表情が続く。恐怖、羞恥心、当惑の入り混じった現場にいた記憶は、時が流れたからといって気軽な話の種になるわけではない。これは、性暴力の被害者がこのような質問を受け、「あの時なぜそうできなかったのか」という自らを恥じる感情を抱けない理由でもある。そんな感情を抱く必要もない。
 

 かつては、このような被害者らしさが、被害者の陳述の信憑性を突き崩す手段として作用してもいた。被告人の防御権を行使するために、弁護人はこのような質問をすることができ、また必要でもあった。しかし今は、性暴力被害者の陳述の信憑性を、このような質問に対する回答によって排斥したりはしない。被害者の証言の信憑性を突き崩すためには、客観的証拠に反する陳述があるかどうかを綿密にチェックすることになる。
 

 「事後的に見て被害者が犯行現場を離れることができたとか、被害者が死力を尽くして反抗しなかったとかの事情のみで、加害者の暴行・脅迫が被害者の抵抗を著しく困難にするまでには達していなかったと不用意に断定してはならない」。2005年以降、絶えず判決で使われてきた表現だ。この表現からも分かるように、事後的かつ付随的な状況を浮き彫りにして、被害者らしくない行動をしたとして性犯罪の成立を否定する時代はすでに過去のものだ。そして今、私たちは、セクハラ事件においては性認知感受性を、陳述の信憑性を判断する基準とする社会に生きている。
 

 強姦の成立要素である暴行、脅迫は、相手の反抗を抑圧するか、被害者の抵抗を著しく困難にするほどでなければならないと考えられてきた。恐喝より強く、強盗と同水準の暴力でなければならないということだ。ところが、学界と実務においては、性暴力犯罪を処罰することで保護しようとしている利益とは「性的自己決定権」であると考えられている。この基準を適用すれば、性暴力犯罪の要件である暴行や脅迫は、相手の性的自己決定権を侵害する程であれば十分だ。判例は明示的に性犯罪での暴行、脅迫の程度を下げてはいないものの、判決を分析してみると、性犯罪の成立は相手の性的自己決定権を侵害したかどうかを重要な判断基準としている事例が増えてきている。
 

 国を失っていた時代に幼い少女が置かれていた状況を考えてみよう。誰かが近づいてきて、仕事をくれると言ってついて行った。車に乗って船に乗って知りもしないところに着いた。そこには銃と刀を持った軍人がいる。全く知らない人たちだ。周りには家族も友人もいない。どこなのか分からないから、そこを離れるわけにもいかない。初対面の男が襲ってくる。兵士たちが列をなして入ってくる。こんな経験をした少女が、解放されたからといって、時間が経ったからといって、その状況を正確に話すことができただろうか。このような状況を経験した後になって、「お前も同意しただろう」と言いながら帳簿に拇印を押せと言ったり、名前を書けと言いながら金を渡したりすれば、その少女に加えた行為は自発的な取引となり、合法となるのか。少女が自らついて行ったという状況を設定してはいるものの、証言を聞けば強制連行されたと評価される状況がほとんどだ。
 

 その少女は性暴力の被害者だ。それも、少女一人くらいは事もなげにこの世から消せる野蛮な集団に性暴力を受けた被害者だ。国家の暴力の前に大切な人権が打ち砕かれた現場にいた被害者だ。にもかかわらず、ある者は彼女たちに被害者らしさを要求している。残り少ない人生の中で思い出したくない過去を思い出しながら、渾身の力を振り絞って証言しようとする少女たちに被害者らしさを求めるのは、もうやめにしてもらいたい。
 

(参考にすべき判例は以下のとおり。韓国最高裁判所2005.7.28.宣告2005ト3071判決、韓国最高裁判所2018.2.28.宣告2017ト21249判決)


  //ハンギョレ新聞社


ハム・ソクチョン|ソウル西部地裁判事 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/984800.html
韓国語原文入力:2021-02-28 15:21
訳D.K

 

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02 

ノーベル賞受賞者など学者2400人が 「ラムザイヤー『慰安婦』論文撤回」署名参加
登録:2021-03-01 05:24 修正:2021-03-01 07:02

オンライン公開から5日で世界各地から参加 
著名な経済学者も「ラムザイヤー論文が児童買春を擁護した」と非難 



日本軍「慰安婦」被害者は「売春婦」という主張を展開し、批判されているハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授=ハーバード大学資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」は売春婦だったと主張した米ハーバード大学マーク・ラムザイヤー教授の論文の撤回を求める署名に、世界各国から約2400人の学者たちが参加した。論文に対する非難が学界、市民社会を中心に広がる中、米国の主流マスコミも関心を持ち始めた。
 

 ラムザイヤー氏の論文「太平洋戦争における性サービスの契約」の撤回を求めたオンライン上の連判状には、公開から5日後の28日昼現在、2464人の学者が署名していることが分かった。米国だけでなくオーストラリアや韓国、香港、英国などから経済や歴史、法学など多様な分野の学者が参加した。ノーベル経済学賞を受賞したハーバード大学のエリック・マスキン教授ら碩学も名を連ねた。
 

 特に世界銀行のチーフエコノミストを歴任したイェ―ル大学経済学部のピネロピ・ コウジャノウ・ゴールドバーグ教授は26日(現地時間)、声明を発表し、「ラムザイヤー教授の論文が児童買春を擁護した」として、強く批判した。
 

 日本のマスコミがラムザイヤー論文をめぐる議論に沈黙している中、米国のニューヨーク・タイムズ紙は「あるハーバード大学教授が戦時性奴隷を売春婦と呼んで、反発を買った」という内容を26日付で報じた。同紙は「国際歴史学者が一斉にラムザイヤー教授の主張は広範囲な歴史的証拠を無視し、日本の極右教科書の内容と類似しているとして、論文の撤回を求めている」と報道した。
 

 ラムザイヤー氏が論文の根拠に該当する朝鮮人「慰安婦」契約書を見たことがないと話した事実が明らかになるなど、論文の決定的な誤りが露呈したことで、学会の批判が高まっているが、国際学術誌「「インターナショナル・ レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス(IRLE)」を発刊するオランダの出版社エルゼビアは「懸念を表明」する文と反論を掲載するとしながらも、同論文を3月号に予定通り載せる方針を固守している。
 

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/984792.html?_fr=st1
韓国語原文入力:2021-03-01 02:31
訳H.J

 

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03 

独立叫んだ三一節102周年、オンライン空間などで「それぞれの記念日」熱く
登録:2021-03-02 03:21 修正:2021-03-02 07:59

コロナの影響で記念行事が中止に 
ソウル、蔚山など全国で「画像記念式」 
ラムザイヤー批判、「独立万歳」も叫ぶ 
 
SNSに#手書き3・1運動をアップ 
家で子どもと太極旗を描くなど 
市民、非対面で3・1節を再確認 



ソウル興士団「オンライン3・1運動記念式」より//ハンギョレ新聞社

 

 市民は太極旗に敬礼した後、殉国烈士に対する黙祷へと移った。独立運動記念日である三一節102周年を迎えた3月1日午前11時、ソウル、蔚山(ウルサン)、慶尚南道昌原(チャンウォン)、密陽(ミリャン)など、全国各地の市民が一堂に会した。ただし、広場ではなくビデオ会議システム「ZOOM(ズーム)」でだ。彼らはノートパソコンやタブレットなどで、それぞれのやり方でこの日の行事に参加した。新型コロナウイルス拡散防止のためオフラインでの三一節記念行事のほとんどは取り消しとなったものの、三一節を称える市民の動きは止まらなかった。多くの市民がオンライン空間と自宅で三一節の意味を再確認した。
 

 この日、市民団体「ソウル興士団」はビデオ会議システムを通じて「オンライン3・1運動記念式」を開いた。同団体会員のヤン・スンテクさんが「興士団は未完の解放を完成するため、日本の歴史歪曲に強く対応し、慰安婦問題に積極的に取り組む対日市民運動をさらに強化する」との内容の声明を読み上げた。日本軍「慰安婦」のことを売春婦と主張するハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授を批判したり、独立運動家を称えたりするプラカードを手にした50人あまりがこれを見守った後、「大韓独立万歳」を三度叫んだ。オンライン記念式に参加したソウル興士団団員のタク・イルチャンさんは、「コロナのせいで直接集まることはできないが、3・1運動の精神を一人ひとりの暮らしの中で実践していってほしい」と語った。



チェ・ウンギョンさんの5歳と6歳の子どもが童話を読み、太極旗と柳寛順(ユ・グァンスン)烈士の絵を手にしている=チェ・ウンギョンさん提供//ハンギョレ新聞社


 自宅で子どもたちと太極旗を描くなどして三一節の意味を再確認したという市民もいた。全羅北道全州(チョンジュ)に住むチェ・ウンギョンさん(40)は、5歳と6歳の2人の子どもと一緒に、三一節に関する童話を読んで太極旗を描いた。チェさんは「毎年、三一節や光復節には子どもたちの祖父が眠る顕忠院を訪れているが、今年はコロナのために、家で読書とお絵描きをすることにした。子どもが『あの方たちがいなかったら、今の私たちは幸せに暮らしていられなかっただろう』と言った。殉国先烈への感謝の気持ちを抱く時間を過ごした」と話した。大田(テジョン)に住むチョン・ヒョンジュさん(38)も、4歳と6歳の子どもと一緒に太極旗を描いて三一節を祝った。


チョン・ヒョンジュさんの4歳の息子が、自分で描いた太極旗の絵を手にしている=チョン・ヒョンジュさん提供//ハンギョレ新聞社

 

 普段の趣味を活かして三一節を記念する人もいた。京畿道華城(ファソン)のアン・スジさん(34)は、太極旗を刺繍してSNSにアップした。アンさんは「今は集まること自体が危険なので、各自の気持ちで三一節を祝うのがいいと思う。私の得意な刺繍で、約100年前に独立運動をした方々に対する感謝の気持ちを表現した」と語った。京畿道光明(クァンミョン)に住むソン・ヘジンさん(29)はカリグラフィーで「大韓独立万歳」を書き、それを撮影してSNSにアップした。ソンさんは「私が好きなやり方で三一節を記念した」と笑った。


 インスタグラムなどには、三一節を記念する書き込みも続々とアップされた。多くの人々が「大韓独立万歳。今日の困難も最後まで勝ち抜きます」と書いた手書きのメッセージを撮影し、「#手書き3・1運動」というハッシュタグをつけてアップした。「手書き3・1運動」に参加したパク・チュンヒさん(38)は「独立精神を再確認したいが、集まること自体が難しい今は、こうした方式への参加が最も望ましいと思い、参加した」と話した。



アン・スジさんが刺繍した太極旗=アン・スジさん提供//ハンギョレ新聞社


ソン・ヘジンさんの「大韓独立万歳」カリグラフィー=ソン・ヘジンさん提供//ハンギョレ新聞社

 

キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/984965.html
韓国語原文入力:2021-03-01 18:31
訳D.K

 

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04 

「ナチス虐殺の否定を連想」2人のノーベル賞受賞者も「ラムザイヤー慰安婦論文」批判
登録:2021-03-02 03:22 修正:2021-03-02 08:38


2020年にノーベル経済学賞を受賞したスタンフォード大学のポール・ミルグロム教授(左)。右は共同受賞した同大のロバート・ウィルソン教授/AP・聯合ニュース

 

 ノーベル経済学賞を受賞した米国の2人の経済学者が、ゲーム理論に言及しつつ、日本軍「慰安婦」のことを売春婦だと主張したハーバード・ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授を批判する共同声明を発表した。
 

 スタンフォード大学のポール・ミルグロム教授とハーバード大学のアルヴィン・ロス教授は28日(現地時間)、声明を発表し、「ゲーム理論によってラムザイヤー教授の主張を合理化することはできない」と指摘した。両教授はラムザイヤー教授の論文について意見を交わしたことを紹介しつつ、「ナチスドイツによるユダヤ人虐殺の否定が連想された。非常に苦しかった」と述べた。彼らは「日本軍『慰安婦』被害者についてのラムザイヤー教授の歴史的な解釈が正当かどうかは、証拠によって判断されるだろう」とし、「単純なゲーム理論モデルによって証拠が変わるわけではない」と強調した。
 

 ミルグロム教授は、オークションやインセンティブの理論、産業経済学、経済史、ゲーム理論など、経済学の様々な分野で第一人者として認められている学者だ。オークション市場の特性と人々の行動様式を研究するオークション理論で、昨年ノーベル経済学賞を共同受賞した。ロス教授もゲーム理論と市場設計分野の研究で2012年にノーベル経済学賞を共同受賞している。
 

 法学を専攻したラムザイヤー教授は、物議を醸す論文「太平洋戦争における性サービスの契約」で、経済学のゲーム理論を用いて日本軍「慰安婦」の契約を合理化している。戦場における売春という職業の危険性や名誉に傷がつく可能性などを考慮して、女性たちは大規模な前払い金を要求し、これによって成立した合理的な契約だったという主張だ。しかし、ゲーム理論の学者でさえ問題を提起したことで、論文の論理的弱点がさらに浮き彫りになると見られる。
 

 米国スタンフォード大学のロジャー・ノル経済学名誉教授も27日、個人声明を発表し、ラムザイヤー教授の論文を掲載する予定の国際学術誌『インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス(IRLE)』を強く批判した。ノル教授は「この学術誌に論文を2編掲載した者としては非常に悲しく、驚愕している」とし「このジャーナルに論文を掲載した私の過去の決定を今、後悔している」と述べた。
 

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/984912.html
韓国語原文入力:2021-03-01 14:22
訳D.K

 

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05 

慰安婦被害者イ・ヨンスさん、女性家族部長官と面会「国際司法裁判所への提訴に力を」
登録:2021-03-02 03:23 修正:2021-03-02 07:07

チョン・ヨンエ長官「政府支援を積極検討…被害事実の収集、拡散に努める」 
イさん「『強制連行』の証拠溢れている…
一人でも多く生きている時に日本は謝罪すべき」



女性家族部提供//ハンギョレ新聞社

 

 三一節(独立運動記念日)を迎えた1日、日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんは女性家族部長官と面会し、「日本軍『慰安婦』問題についての日本政府の責任を明確にするためには、国際司法裁判所に提訴して判決を受ける必要がある」と語った。


 この日、イさんは、チョン・ヨンエ女性家族部長官と正午にソウル光化門(クァンファムン)周辺の飲食店で会い、2時間あまり食事を共にした。この席でイ・ヨンスさんはチョン長官に「被害者が一人でも多く生きている時に日本はしかるべき謝罪をすべきだ」と強調した。最近物議を醸しているハーバード・ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の論文について、イさんは「日本が強制的に連れて行き、人権を侵害したという証拠は溢れている」と反論した。ただしイさんは、ラムザイヤー教授の論文について、政府が直接対応すべき問題ではないと述べたと女性家族部は伝えた。



チョン・ヨンエ女性家族部長官が1日午後12時、ソウル光化門周辺の飲食店で日本軍「慰安婦」被害者イ・ヨンスさんと会い、意見を交わしている=女性家族部提供//ハンギョレ新聞社

 

 チョン長官はイさんの意見を聞いた後、「日本軍『慰安婦』問題を伝え、解決に努めてきたイ・ヨンスさんが進めようとしていることに対して、政府が支援できる部分を前向きに検討する」と答えた。特にチョン長官は「被害者のみなさんの意思がきちんと伝わるように積極的な役割を果たすのが私たちの役目」とし「被害事実の歴史的な記録を体系的に収集して拡散するために、さらに努力する」と述べた。
 

 イさんは国と国の間での学生や青少年同士の交流と教育の強化が必要だと要請し、これに対しチョン長官は「民間で行われている様々な記念事業に関する支援を強化していく」と述べた。
 

 最近、日本軍慰安婦被害者を「自発的売春婦」と主張するラムザイヤー教授の論文が物議を醸す中で、女性家族部は、被害者との直接対話を増やし、関連学界と専門家の意見を収集する一方、国際カンファレンスの開催など「慰安婦」問題についての認識拡散に向けて努力していく予定であることを表明している。
 

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/women/984933.html
韓国語原文入力:2021-03-01 16:23
訳D.K

 

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06 

文大統領の任期中に韓日関係の改善は可能だろうか
登録:2021-03-02 05:21 修正:2021-03-02 07:19


文在寅大統領が今月1日午前、ソウル鍾路区のタプコル公園で開かれた第102周年三一節記念式典で、独立運動に参加したイム・ウチョル愛国志士と挨拶を交わしている/聯合ニュース

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、三一節(独立運動記念日)記念式典での演説で、歴史問題と他の懸案を切り離す「ツートラック」アプローチに基づき、韓日関係を改善する意志を改めて強調した。しかし、強制動員被害者問題と日本軍「慰安婦」賠償判決など、主な懸案について、日本が期待していた“具体的な解決策”は提示しなかった。米国のジョー・バイデン政権の発足後も、韓日関係に薫風が吹くまではかなりの時間がかかるものと見られる。
 

 今年の三一節記念式典における文大統領の演説は、韓日関係の改善と韓米日三角協力の復元を強調してきたバイデン米大統領就任後初めて公開されるもので、国内外から大きな注目を集めた。しかし日本が執拗に要求してきた懸案解決のための韓国の“譲歩案”は示さなかった。その代わり「韓国政府は常に被害者中心主義の立場で賢明な解決策を模索する」という原則的な立場と「韓日両国の協力と未来の発展のための努力も怠らない」という協力意志を同時に示す「ツートラック」基調を改めて確認した。さらに、「韓日協力は両国だけではなく、北東アジアの安定と共同繁栄にも、また韓米日3カ国の協力にもプラスになるだろう」と述べ、協力の必要性を重ねて強調した。韓国には韓日関係を円満に解決しようとする意志があるが、日本の“強硬な態度”のため、それが実を結んでいないことをバイデン政権に間接的に伝える形を取ったのだ。
 

 韓国政府は昨年9月に菅義偉首相が就任した後、「最も近い隣国である日本政府といつでも対話し、コミュニケーションを取る準備ができている」として対話を呼び掛けており、昨年11月にはパク・チウォン国家情報院長が直接日本を訪れ、「東京平和五輪」開催の成功に向け、積極的に協力する考えを明らかにした。
 

 しかし韓国のこうした融和的な姿勢にもかかわらず、日本は「関係改善のきっかけは韓国みずから作るべきだ」として、強硬な姿勢を崩さなかった。今年1月8日、日本政府が慰安婦被害者に直接賠償しなければならないという裁判所の判決が出てからは、菅首相と茂木敏充外相が新任のカン・チャンイル駐日韓国大使と面会を拒否し、チョン・ウィヨン外交部長官と電話で会談にも応じない冷淡な態度を維持している。このような状況で、文在寅政権が歴史問題に取り組む大原則と言うべき「被害者中心主義」を破ってまで日本との関係改善に乗り出す必要はないという判断を下したものと見られる。
 

 今後、両国が関係改善を試みるとしても、合意案をまとめるのは容易ではないのが現状だ。文大統領は同日も「易地思之(相手の立場に立って考えること)の姿勢で膝を突き合わせれば、過去の歴史問題もいくらでも賢明に解決できる」と韓日共同の努力を強調したが、日本は「(慰安婦への賠償判決は)国際法に明らかに反する。韓国に対し、国家として自らの責任で直ちに国際法違反の状態を是正するために適切な措置を講じることを求める」(1月23日、外相談話)とし、韓国の一方的な譲歩を求めている。日本国内の状況に目を向けても、新型コロナと菅首相の長男の総務省官僚接待問題などの政治スキャンダルのため、韓国と交渉を進める状況ではない。
 

 結局、韓日関係が解決するには、早ければ4~5月頃に新型コロナワクチンの効果が確認されて、各国が防疫に自信を持つようになり、バイデン政府が対北朝鮮政策を公開して不確実性を最小化するなど、東京五輪を「朝鮮半島平和プロセス」再稼働のための契機にする諸条件が整うことが必要であるとみられる。韓日関係を先に解決してこそ南北関係改善と朝米対話のきっかけができると判断した時、文大統領にとっても“譲歩の名分”が生まれるからだ。見方を変えれば、7月の東京五輪という機会を逃した場合、来年5月までの文大統領の任期内に韓日関係改善の新たな機会をつかむのは困難であることを意味する。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/984909.html
韓国語原文入力:2021-03-0116:27
訳H.J

 

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07 

日本、文大統領の三一節記念演説に「韓国側の具体的提案を注視」
登録:2021-03-02 05:23 修正:2021-03-02 07:29

加藤官房長官、定例記者会見で従来の立場を繰り返す 
日本メディアも「新しい提案はなかった」 
文大統領、日本政府に対話を再度提案



文在寅大統領が1日午前、ソウル鍾路区のタプコル公園で開かれた第102周年三一節記念式典で演説している/聯合ニュース

 

 日本政府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が1日の三一節記念式典での演説で、日本に再度対話を提案したことについて、「重要なことは、両国の間に(強制動員と慰安婦問題など)懸案の解決のため、韓国が責任を持って、具体的に対応をすること」だと述べた。これまで日本政府は、韓日関係の改善のために韓国側が先に解決策を講じるよう求めてきたが、その延長線上にあるものとみられる。
 

 加藤勝信官房長官は同日の定例記者会見で、文大統領の三一節記念式典での演説に対する意見を問う質問に「現在日韓関係は旧朝鮮半島出身労働者問題や『慰安婦』問題など、非常に厳しい状況にある」と述べた。さらに「文在寅大統領の個々の発言に対するコメントは差し控えたい」としながらも、「重要なことは、両国の懸案解決のため、韓国が責任を持って具体的に対応していくこと」だと述べるなど、従来の立場を繰り返した。「具体的な提案を注視していきたい」とし、「(これが)日本政府の立場」だと付け加えた。
 

 加藤官房長官は「韓国は重要な隣国」であり、「北朝鮮問題に対して日韓、日米韓の連携は不可欠」だとしたうえで、「日韓が健全な関係に戻すためにも、日本の一貫した立場に基づき、引き続き韓国側に適切な対応を強く求めていく」と強調した。
 

 日本メディアも文大統領の三一節記念式典での演説について「具体的で新しい提案はなかった」と報道した。共同通信は文大統領の発言について「歴史問題と切り離して日本との協力を進めたい意向を強調したが、日本政府への具体的な要求や新しい提案はなかった」と報じた。同通信はさらに、「日本についても、慰安婦・元徴用工など当事者に対しても、明確なメッセージのない演説で、依然として事態打開の見通しは立たない」と付け加えた。読売新聞も文大統領の演説について「改善への意欲を示した」としながらも、「元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)や元慰安婦問題の解決に向けた具体的な言及はなかった」と報じた。
 

 文大統領は同日、三一節記念式典での演説で「過去に足を引っ張られるわけにはいかない」とし、「韓国政府はいつでも日本政府と向き合って対話する準備ができている」と述べた。
 

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/984918.html
韓国語原文入力:2021-03-0117:42
訳H.J

 

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08 

[社説]文大統領「相手の立場を考えての対話」、日本も応じてほしい
登録:2021-03-02 06:13 修正:2021-03-02 06:52


文在寅大統領が1日、ソウル鍾路区のタプコル公園で行われた三一節記念式典で記念演説をしている=大統領府フェイスブックよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は1日、ソウルのタプコル公園で行われた三一節(独立運動記念日)記念式典で、韓日関係について「過去に足を引っ張られているわけにはいかない」とし、「過去の問題は過去の問題として解決していき、未来志向的な発展により力を入れなければならない」と述べた。過去の問題とは異なる懸案を分離しアプローチする「ツートラック」路線を再確認し、韓日関係改善の意向をいつにも増して強く明らかにしたものだ。文大統領は記念演説で、日本軍「慰安婦」問題や強制動員被害者問題など日本政府が敏感に感じる問題には直接言及しなかった。
 

 歴代大統領は三一節記念演説を通じ、韓日関係や南北関係に対する重要なメッセージを出してきた。今年は1月に韓米日の三角協力の復元を強調してきた米国のジョー・バイデン大統領が就任した後だということで、より一層注目を浴びた。文大統領の記念演説について日本政府は「重要なのは、両国間の懸案を解決するためには、韓国側が責任を持って具体的に対応すること」だと明らかにした。残念だ。1965年の国交正常化後で最悪という話が出る韓日関係を解決するには、どちらか一方の一方的な譲歩では不可能だ。韓国政府が賢明な解決策を模索するとしても、過去の問題の基本原則である「被害者中心主義」を放棄できない。日本政府は「関係改善の契機は韓国が作らなければならない」という硬直した姿勢から脱し、対話に乗りだしてほしい。
 

 1月に「日本政府は慰安婦被害者に直接賠償しなければならない」という韓国の裁判所の判決が出た後、菅義偉首相と茂木敏充外相は新任のカン・チャンイル駐日韓国大使との面談を拒否し、チョン・ウィヨン外交部長官との電話会談にも応じていない。心から問題を解決しようとするならば、ボールを相手を渡し責任を問うのではなく、膝を突き合わせなければならない。手のひらは打ち合ってこそ音がするものだ。
 

 文大統領は、日本に易地思之(相手の立場で考えること)の姿勢で話し合うことを提案し、「私たちが越えなければならない唯一の障害物は、時に過去の問題を未来の問題と分離できずにかき混ぜることで、未来の発展に支障をきたしてしまうこと」だと述べた。文大統領は、韓日協力の機会として7月の東京五輪をあげた。東京五輪は文大統領の言葉のように、韓日、南北、朝日、朝米の対話の機会になり得る。東京五輪が朝鮮半島平和プロセスの再稼動の契機になるには、まず韓日関係を解決しなければならない。両国は東北アジアの安定と共同繁栄に力を集めてほしい。
 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/984977.html
韓国語原文入力:2021-03-02 02:41
訳M.S

 

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09 

「ラムザイヤー、歴史歪曲やめよ」慰安婦被害者イ・オクソンさん、保坂祐二教授ら声明
登録:2021-03-03 01:47 修正:2021-03-03 07:28

「学問の自由という仮面をかぶった人権侵害行為」


日本軍慰安婦被害者のイ・オクソンさんが2019年7月午後、ソウル鍾路区の旧日本大使館前で開かれた第1395回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモで涙を流している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者のことを「自発的売春婦」であると規定したハーバード大学のジョン・マーク・ラムザイヤー教授の論文に対し、「慰安婦」被害者イ・オクソンさん(94)など36人が「歴史捏造・歪曲行為をやめよ」との声明を発表した。
 

 2日、世宗大学の保坂祐二教授は「ラムザイヤー教授の論文は学問の自由という仮面を被った人権侵害行為にすぎない」との声明を発表した。声明は、ナンシー・ペロシ米下院議長やハーバード大学のローレンス・バコウ総長、ラムザイヤー教授の論文が掲載される学会誌の編集長、パク・ピョンソク国会議長らに送られた。イさんをはじめ光復会のキム・ウォヌン会長、共に民主党のソン・ヨンギル、ヤン・ヒャンジャ両議員ら36人が声明に名を連ねた。
 

 声明は、ラムザイヤー教授の論文を詳細に批判した。声明は「多くの女性たちが日本軍によって強制連行されたり、就業詐欺で日本軍の性奴隷となった。そこには日本女性だけでなく朝鮮人、中国人、台湾人、東南アジアの人々、欧州のオランダ人とドイツ人も含まれる」「ところがラムザイヤー教授は、日本政府と日本軍は介入していないと虚偽の主張を行い、業者と女性たちが互いの利益のために性売買の契約を結んだという虚偽に基づいた論文を書いた。同氏は論文を通じて、日本国内の売春業の状況を拡大解釈することで、日本軍『慰安婦』がすべて売春婦だったと言い張る致命的な誤りを犯したのだ。特に、このような間違いは単なる学問的ミスではなく、特定の政治勢力に便乗した、意図されたものであることを懸念せざるを得ない」と批判した。
 

 また「掲載されてはならない論文」とも指摘した。声明は「日本軍『慰安婦』問題においては『性契約』そのものが存在しておらず、すべての女性たちが連れて行かれたり他の名目に騙されて連行され、逃げられない環境で性奴隷とならざるを得なかったというのが歴史の真実だ」「そのような歴史的事実を無視したラムザイヤー教授の論文は、学問の自由の領域を逸脱しており、被害者たちに対する人権侵害の要素が強く、論文としては掲載不可判定が下されるべきであった。同氏の論文が掲載される学会誌で再審査を行うのが妥当だと考える」と述べた。続いて「ラムザイヤー教授が、日本軍『慰安婦』問題を説明するために使ったゲーム理論は、歴史的事実を説明するのには適していない。互いが互いの利益のために契約を結ぶとするゲーム理論は、性犯罪には適用できないからだ」と指摘した。
 

 声明は「ラムザイヤー教授だけでなく、彼を擁護する日本の極右勢力、韓国内の新親日派勢力も、歴史の真実に背を向ける歴史捏造・歪曲行為をもうやめなければならない。そして韓国国会は『慰安婦問題歪曲禁止法』を一日も早く制定しなければならない。米国の歴史学会は、ラムザイヤー教授の論文を徹底的に検証すべきだ」と述べた。
 

チョン・グァンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/985124.html
韓国語原文入力:2021-03-02 18:08
訳D.K

 

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慰安婦被害者遺族ら「ラムザイヤー『慰安婦』論文の撤回と歴史歪曲処罰法の制定を」
登録:2021-03-03 05:50 修正:2021-03-03 07:55

「『日本軍性奴隷被害者』に名称改めるべき」


日本軍性奴隷被害者遺族会などが今月2日、京畿道議会の平和の少女像前で、ハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の論文の撤回などを求める記者会見を行っている=ホン・ヨンドク記者//ハンギョレ新聞社

 

 「生まれ変わったら、大韓民国を守る軍人になりたい」
 

 慶尚南道宜寧(ウィリョン)出身の故キム・スンドク(1921~2004)さんは、日本工場で働く女工を募集するという話にだまされて中国上海に行き、日本軍慰安婦として惨めな生活を強いられた。キムさんの息子であるヤン・ハンソク「日本軍性奴隷被害者遺族会」(遺族会)会長は「日本軍性奴隷被害者だった母は、よほど無念だったのか、いつも軍人になって国を守りたいと言っていた」と話した。
 

 遺族会と遺族らは2日、チョン・デウン京畿道議会議員とともに京畿道議会少女像前で記者会見を開き、ハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の論文の撤回と歴史歪曲・妄言処罰法の制定を求めた。
 

 1991年、金学順(キム・ハクスン)さんの最初の告白の翌年、母親から慰安婦被害者という話を初めて聞いたというヤン会長は、「母の話を聞いて、家族全員が涙を流した。(告白後「ナヌムの家」に入所し、)また一緒に暮らそうと説得したが、『日本の謝罪を受ける前には家には戻れない』として、日本軍性奴隷被害を国内外に知らせる活動を続けたが、謝罪も受けられないまま、2004年に亡くなった」と語った。
 

 2013年に亡くなったイ・ヨンニョさんの息子、ソ・ビョンファ遺族会副会長は「日本は、被害者らが亡くなったら、日本軍性奴隷被害者問題は解決すると思っているようだが、これからは遺族らが証言者になる」とし、「被害者問題を解決するためにも、加害者中心の『日本軍慰安婦被害者』という用語の代わりに、日本軍の加害事実を正確に示す『日本軍性奴隷被害者』への用語の変更を求める」と話した。
 

 「日本軍性奴隷被害者研究所」のアン・シングォン所長は「日本軍性奴隷被害者たちを売春婦と規定したラムザイヤー教授の論文が議論になっていることを受け、韓国国内でも被害者たちを嘲弄する妄言が相次いでいるが、これを表現の自由だと言って黙過することは歴史の傍観者になること」だとし、「国会は歴史の歪曲を防ぐためにも特別法を制定し、被害者の尊厳を守ってほしい」と話した。
 

 国内で確認された日本軍慰安婦被害者は約240人で、このうち現在15人がcしている。
 

ホン・ヨンドク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/985047.html
韓国語原文入力:2021-03 02:34
訳H.J

 

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「慰安婦」被害者イ・ヨンスさん「ICJへの付託のため、文大統領に会わせてほしい」
登録:2021-03-04 02:57 修正:2021-03-04 13:37

チョン・ウィヨン外相との3日の面会で


日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんが先月16日午前、ソウル中区太平路の韓国言論会館で記者会見を開き、「慰安婦」問題を国際司法裁判所に付託し、国際法による判断を受けられるようにしてほしいと訴え、涙を流している=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者イ・ヨンスさんが外交部を訪れ「菅義偉首相を説得して(慰安婦問題について)国際司法裁判所(ICJ)の判断が受けられるようにしてほしい」と要求した。チョン・ウィヨン外交部長官は「慎重によく検討する」との原則論的な回答を述べるにとどまった。
 

 イ・ヨンスさんは3日午後、ソウルの外交部庁舎でチョン長官と面会した。その後、記者団に対し、「私にはもう時間がない。金学順(キム・ハクスン)さんが(1991年8月の初の記者会見で慰安婦運動を)始め、イ・ヨンスが最後をやらねばならない」「菅首相を説得して国際司法裁判所で判決を得られるよう、長官のところに行って申し上げた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領に必ず会わせてほしい」と述べた。
 

 これに対しチョン長官は、「これまでのイ・ヨンスさんの活動を高く評価する」としつつも、「国際司法裁判所への付託については、簡単な問題ではないため、かなり悩んでいる。慎重に検討する」と答えた。するとイさんは、日本に要求するのは「金ではなく謝罪だ」とし、「謝罪を受ければ許すことができる。日本は隣国だから学生たちとは交流するつもり。日本と交流し、親しくなれるように歴史観と教育観を確立したい」という平素の持論に改めて言及した。
 

 日本政府は2015年末の慰安婦合意を通じて「軍の関与」を認めつつも「国の責任を痛感する」との考えを明らかにしたのみで、慰安婦問題のことを国が犯した「犯罪」であるとは認めていない。イさんの国際司法裁判所への付託論は、韓日両国政府がともにこの問題を国際法廷に持ち込み、慰安婦問題が日本の「国家犯罪」であることを明確に認めてもらうことで、韓日の歴史対立を終わらせようとの趣旨だ。しかし、この過程で1965年の韓日請求権協定や2015年の慰安婦合意などが障害となり、思いがけない結果が出る可能性もある。イさんは2月16日の記者会見で、国際司法裁判所付託論を初めて主張している。
 

 正義記憶連帯などは慎重な立場を取っている。慰安婦問題については、日本の国家犯罪であるとの国際的合意がすでに存在するため、あえて再び確認を受ける必要はないということだ。また、日本が独島などの他の問題にまで争点を拡大する可能性が高いとし、政府に「慎重な対応」を求めている。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/985267.html
韓国語原文入力:2021-03-03 17:10
訳D.K

 

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問題のラムザイヤー「慰安婦」論文掲載の学術誌、3月出版は困難に
登録:2021-03-04 02:58 修正:2021-03-04 07:52

出版社、ラムザイヤー教授に「月末までに反論を」 
「論文撤回要求」連判状に3千人以上の学者が署名



日本軍「慰安婦」被害者は売春婦だとの主張を展開して批判を浴びている米ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授=ハーバード大学資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」のことを売春婦と主張したハーバード・ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の論文が掲載される予定の国際学術誌の3月号の出版は、事実上困難となる見通しとなった。
 

 聯合ニュースの3日の報道によると、オランダの出版社エルゼビアが発行する「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス(IRLE)」のエリック・ハーランド編集長は、論文の著者であるハーバード大学のラムザイヤー教授に、今月31日までに学界の指摘に対する反論を寄せるよう要請した。3月号の印刷本の出版は同氏が回答を寄せた後となることから、出版は早くても4月以降となる可能性が高い。
 

 当初エルゼビア社は、懸念を表明する文章と反論を付け加えたうえで、ラムザイヤー教授の論文「太平洋戦争における性サービスの契約」を3月号に載せるという方針を固守していたが、立場を変えて著者の釈明を直接聞くことにしたもの。
 

 これまで学界からは、ラムザイヤー教授の論文には証拠もなく、結論を導き出す過程においても誤りが多いとの批判が出ていた。特に同論文では、日本軍「慰安婦」のことを自発的売春婦だったと主張しながら、ラムザイヤー教授は朝鮮人「慰安婦」の「売春契約書」を事実上見たことがないと明らかにしたことが伝わったことで問題となっていた。同氏の論文引用を追跡した学者たちは「ラムザイヤー教授は、朝鮮人『慰安婦』や家族、または募集業者の実際の契約を、だたの1件も探していない」と指摘した。
 

 出版が遅れることについて、一部からは、同出版社が学術誌の発行を強行するために、ラムザイヤー教授に防御論理を作る時間的余裕を与えたのではないかという見方も出ている。このような理由から、同論文は撤回されるべきだという要求が広がっている。現在、ラムザイヤー教授の論文撤回を求める連判状には、3010人の学者が署名している。
 

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/985192.html?_fr=mt2
韓国語原文入力:2021-03-03 11:05
訳D.K

 

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[寄稿]親日派、現在進行形の加害者
登録:2021-03-04 03:00 修正:2021-03-04 08:51

チョン・ビョンホ 漢陽大学文化人類学科名誉教授


日本軍性奴隷被害者遺族会などが2日、京畿道議会の少女像前でハーバード・ロースクールのラムザイヤー教授の論文の廃棄などを求める記者会見を行っている=ホン・ヨンドク記者//ハンギョレ新聞社

 

 米国ハーバード大学のラムザイヤーが「慰安婦は契約売春婦」と主張して波乱を巻き起こしている。戦犯企業三菱の後援で碩座教授となった同氏の露骨な歴史歪曲論文に反論するために尽力している海外の学者たちがいる。軍事独裁時代からろうそく革命に至るまで、韓国の民主化と人権を支援し、国際社会の盾となってくれた70~80代の重鎮教授たちも参加している。
 

 そのような海外の学者たちに「外部の人間には論じる資格がない」と警告した、韓国のいわゆる「親日」学者たちがいる。一体誰が「外部の人間」なのか。日本軍「慰安婦」問題やナチスの強制労働のような人類に対する犯罪は、時効も国境もない。人類の誰もが当事者だからだ。被害者の側と加害者の側があるだけだ。被害者たちの証言を無視して加害権力の論理を代弁するのは、学問ではなく政治だ。数多くの犠牲の上にかろうじて位置している学問の自由に対する冒涜だ。「権力に立ち向かって闘ったこともない者が!」 今は亡きリ・ヨンヒ教授の痛烈な一喝が懐かしい。
 

 国籍による資格を論じる彼らは果たして何者なのか。1910年の「韓日併合」の際に、自ら進んで日帝の貴族爵位と土地を受け取った「売国奴」のことを婉曲な表現で「親日派」と言った。1965年の「韓日基本条約」も大韓民国政府が結んだものだ。日本軍出身の独裁者が市民の反対を軍事戒厳令で抑えつけて条約を締結し、受け取った金を被害者の知らぬうちに流用した。2015年の「韓日慰安婦合意」も、彼の娘が大統領だった大韓民国政府が結んだ。10万人以上の被害女性の血の涙をたった10億円に替え、その後は言及しないことにした。このように「親日」の系譜は連綿と続いてきた。帝国主義権力とその助力者たちが結んだ詐欺性の濃厚な条約も、国際間の約束として尊重しなければならないのか。
 

 「親日」は歴史ではなく常に現実だった。ソウルのど真ん中で平和の少女像をじゅうりんしながらデモする彼らからは、断食するセウォル号の遺族の前でピザを食べながら野次る姿に似た、おぞましい加虐性が感じられる。米国と日本へ行って「慰安婦は偽物だ、強制労働はなかった」と主張する彼ら。どうしてあのように執拗に被害者と共に闘う人々を苦しめるのか。
 

 私は最近、解放後に自ら加害権力となった「親日派」の歴史の一断面を振り返ってみる機会があった。太平洋戦争末期、日本は沖縄戦を準備するために、武器を運び塹壕を掘る労働力として緊急に朝鮮の若者たちを連行していった。主に慶尚北道の各村から、貧しく力のない人々が動員された。日本人の代わりに朝鮮人の巡査や面書記、郡庁職員、地域の有志たちが彼らを捕まえて訓示し、激励して戦場へと送った。逃げて抵抗した人もいたが、残る家族のために無理して行かざるを得なかったという。
 

 沖縄に連行された朝鮮人軍夫たちは牛馬のようにこき使われ、戦場へと追い込まれて死に、処刑すらされた。敗戦後、日本は沖縄戦で死んだ日本兵の名を最後の1人まで探し出して称えながら、犠牲となった朝鮮人は何千、何万人なのか、規模さえ明らかにしなかった。どの村の誰々と名指しして連行した日本は、朝鮮人強制連行の記録を隠蔽し、被害者の証言は否定している。
 

 生き残った朝鮮人たちは解放されて1年が経ってようやく故郷に帰ってきた。残酷な戦場で仲間が死んでいく姿を見、満身創痍の体で帰って来た人々の中には、自らを死地へと追いやった親日警察官や官吏に対する恨みと復讐心を行動に移す人もいた。しかし、米軍政の側に立って新たな権力となった彼らは、真相究明を求める強制連行の被害者を「アカ」だとして弾圧した。
 

 日帝の反人道的犯罪の被害者に息を殺して暮らすことを強いた大韓民国の歴史を振り返ってみる必要がある。処世術で、あるいは出世のために「親日」となった人々は解放後、保身のために率先して「反共」となり、加害行為を正当化した。冷戦対立や戦争を経て、日本軍出身の将校たちは軍事独裁権力となった。国を代表して植民地支配の補償金交渉を行い、その金を転用した彼らは、またもや被害者たちを沈黙させる加害者となった。
 

 日帝による強制連行を否定する「親日」は、冷戦理念の陰に隠されていた、未だ回復されていない正義の問題だ。数十年前の歴史上で犯された暴力には直接の責任がないとしても、その行為の結果として得た利益を享受していれば、間接的に過去の犯罪にかかわった「事後従犯」だ。多くの犠牲者の血と涙の上で享受している地位と特権の根源を明らかにしなければならない。加害の歴史を隠すために今も加虐行為を繰り返している親日派は、現在進行形の加害者だ。罪過を追及して責任を問わねばならない。


  //ハンギョレ新聞社
 

チョン・ビョンホ|漢陽大学文化人類学科名誉教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/985237.html
韓国語原文入力:2021-03-03 15:16
訳D.K

 

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