【〇○婦問題】2021.02 (h) ② | ぺる Ⅱのブログ

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続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2021

01(02/16)[寄稿]慰安婦判決、惜しまれる韓国裁判所の「強行規範」の適用論理

02(02/17)イ・ヨンスさん「慰安婦問題が国際法の判決受けるのが最後の願い」

03(02/18)世界のフェミニスト1100人「ハーバード大教授の主張、女性への暴力の正当化に」

04(02/18)「慰安婦=売春婦」主張のハーバード大教授、関東大震災歪曲論文も発表

05(02/18)慰安婦被害者のイさん、ハーバード生らに「『慰安婦は売春婦』主張の教授は無視して」

06(02/18)冷淡すぎる日本…困難極める韓日関係改善

07(02/19)「慰安婦」問題、ICJ付託案が30年経てようやく出てきたわけは?(前)

08(02/19)「慰安婦」問題、ICJ付託案が30年経てようやく出てきたわけは?(後)

09(02/19)「最悪な学問的真実性違反」ハーバード大歴史学教授ら"慰安婦=売春婦”論文を酷評

10(02/20)韓国、新任教師に性認知教育を義務化…各分野でも「性平等」広げる

11(02/20)米国政府が「慰安婦は人身売買」再確認

12(02/20)韓国与党、「慰安婦は売春婦」ハーバード大学教授論文への政府の対応を批判

 

 

 

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01 

[寄稿]慰安婦判決、惜しまれる韓国裁判所の「強行規範」の適用論理
登録:2021-02-16 08:41 修正:2021-02-16 12:13


パク・ドンシル|元駐モロッコ大使・米国弁護士
 

 聞き慣れない国際法用語や法理もいまや国民たちの常識と教養になっている。1月8日、日本政府に慰安婦被害者への賠償責任を認めたソウル中央地裁の判決とともに、「主権免除」や国家の「主権的行為」や「強行規範」といった聞き慣れない言葉が国民たちにとって身近なものになった。
 

 主権免除の原則上、国家は主権的行為によって強制的に他国の法廷に立たされることはない。「主権的行為」とは、国家の主権的権限を行使する行為だ。国家だけが行える国有化措置、犯罪者処罰などの行為だ。しかし1月の判決で韓国裁判所は「日本の行為は主権的行為だとしても、反人道的犯罪行為として国際強行規範に反するものであるため、主権免除は適用できない」との判決を示した。裁判権を免除することになれば、人道に反する重犯罪を犯せないようにした国際協約に違反したにもかかわらず制裁できなくなり、それによって被害者は憲法に保障された裁判を受ける権利を剥奪され、権利が救済されなくなるからだという。
 

 つまり、判決は日本の行為をひとまず主権的行為と認め、しかし強行規範に反するため制裁が確保されなければならないという観点から、主権免除を適用できないという論理を説いた。しかし、強行規範の性質上、より一歩進んで強行規範に反する行為が主権的行為になり得るのか分析しなければならない。
 

 「強行規範」とは、すべての国家で構成される国際共同体によって承認された普遍国際法であり、離脱が許されない上位の絶対規範をいう。「離脱が許されない」とは、諸国家がその普遍国際法に違反するような合意をすることができないという意味である。強行規範に違反する合意はそもそも無効だ。つまり、すべての国家が自分の主権的権限を放棄して普遍国際法が形成され、また離脱が許されない強行規範として成立しているので、国家はこれに違反する主権的権限がないということだ。主権的権限がなければ主権的行為はできない。したがって、強行規範に反する行為が実際に行われたとすれば、その行為は存在しない権限を行使したものであり、主権的行為そのものになり得ない。奴隷貿易・奴隷制やジェノサイドのような反人道的犯罪行為、侵略行為などが強行規範違反であるということに異論はない。


 国家の主権的行為、すなわち合法化により実施された奴隷貿易・奴隷制がその後禁止され、その禁止は普遍国際法として形成され、また国家の禁止義務順守とそれに対する信頼から、離脱の許されない強行規範として成立した。つまり、国家は奴隷貿易・奴隷制を再び合法化できる主権的権限を持てなくなった。主権的権限がないため主権的行為は不可能だ。したがって、これらの行為を実際に行ったのであれば、存在しない権限を行使したものであるから、その行為は主権的行為となり得ない。主権的行為にはならないので、主権免除は適用されない。日本軍慰安婦制度も、本質的にこれと同じだ。
 

 国際司法裁判所は2012年の「フェリーニ事件」で強行規範と主権免除の関係を扱ったが、意味のある分析を出すことができなかった。イタリアは自国民を強制労働に処したドイツ軍の行為を主権的行為と認めながらも、強行規範の性格をもつ国際法に対する深刻な違反であるため、ドイツの主権免除は認められないと主張した。裁判所はまず、深刻な国際法違反行為が主権免除を排除するという明示的な国際法規則がなく、各国の実行もほとんどないという理由で、ドイツの主権免除を認めた。続いて裁判所は「強行規範は実体規則で、主権免除は手続き規則であるため、互いに衝突せず、強行規範違反によって主権免除は影響を受けない」と述べた。強行規範に違反した行為が主権的行為に当たるかどうかを明らかにし、二つの関係を分析しなければならなかった。国家の行為が主権的行為に当たるかを十分に分析しなかったという英米圏の学者たちの批判も上がっている。


  //ハンギョレ新聞社
 

パク・ドンシル|元駐モロッコ大使・米国弁護士 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/983103.html
韓国語原文入力:2021-02-16 04:59
訳C.M

 

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02 

イ・ヨンスさん「慰安婦問題が国際法の判決受けるのが最後の願い」
登録:2021-02-17 03:12 修正:2021-02-17 06:45

記者会見で国際司法裁判所への回付を求める 
韓日両政府の思惑は複雑…とりあえずは「慎重モード」 
正義連「独島などが絡まれば別の対立の懸念」



日本軍慰安婦被害者のイ・ヨンスさんが16日にプレスセンターで「日本軍慰安婦問題の国連国際司法裁判所への回付を求める記者会見」を行っている/聯合ニュース

 

 「私は今まで、可能なあらゆることをしてきました。全世界に行って証言し、米国に行って決議(2007年6月の米下院決議)もあげさせ、サンフランシスコに追悼碑も建てました。裁判もしました。でも日本はまだ無法にふるまっています。韓国司法の判決を無視して、控訴すらせずに意地を張っています。開き直って韓国の裁判所が国際法に違反したと主張しています」
 

 16日午前11時、日本軍「慰安婦」問題を国際司法裁判所(ICJ)で裁くことを求める記者会見場が設けられたソウルプレスセンターの20階は、韓日両国から集まった100人を超える記者たちであふれかえっていた。ピンク色の韓服を着た「慰安婦」被害者イ・ヨンスさん(92)は取材陣にあいさつした後、事前に用意していた呼びかけ文を読み始めた。途中、感情が高まったイさんの声は震え、最後のくだりではついに泣き出してしまった。
 

 だが、伝えようとしているメッセージは明確だった。イ・ヨンスさんは、「もう時間がない」、「(すでに亡くなった)被害者たちのもとに行って話せるように文在寅(ムン・ジェイン)大統領と韓国政府が国際法による判決を受けてほしい、というのが私の最後の願い」と話した。先月8日に、慰安婦問題のような「反人道的不法行為」については、国際慣習法上の「主権免除原則」を適用しない場合もあるとし、日本政府に賠償を命じた韓国司法の「画期的判決」が下されて以降、韓日両国の一部から提起されていた「国際司法裁判所への持ち込み論」が生存被害者イ・ヨンスさんの口を通して公式化されたのだ。



16日にプレスセンターで開かれた「日本軍慰安婦問題の国連国際司法裁判所への回付を求める記者会見」の会見場の様子//ハンギョレ新聞社

 

 この日の会見の出席者は、国際司法裁判所への回付の意味を強調しつつ、韓国に有利な判決が期待できるとの展望を示した。「日本軍慰安婦問題国際司法裁判所回付推進委員会(以下「推進委」)」のキム・ヒョンジョン報道担当は「被害者たちは、繰り返し公式謝罪と法的賠償を行ってほしいと叫んできた。(国際司法裁判所への回付は)それを実現できる合理的な方法だと思う」と述べた。推進委に参加するシン・ヒソク博士(国際法)も「韓国には十分に勝算がある。この判決を通じて韓日間の長い歴史問題の解決の突破口を開くことができ、この10年間で出口戦略が見えないほどに破綻した両国関係の回復の契機が作れる」と述べた。シン博士はさらに、国際司法裁判所はこの問題を「実体的には国際法に違反した戦争犯罪」であると認めつつ、「手続き的に個人賠償請求権は1965年の韓日請求権協定で放棄されており、韓国司法は日本の主権免除を尊重すべきだ」との結論を下す、との予測を示した。これによって被害者たちが主張してきた個人賠償請求権は喪失されるが、核となる要求だった「慰安婦制度は日本の国家犯罪だった」との事実は認められうるから、「満足できる結果」となるという主張だ。


 しかし、イ・ヨンスさんと「推進委」の主張ほど、見通しは明るいばかりではない。国際司法裁判所に回付するには韓日両国の同意が前提となるが、両国の思惑は複雑だ。ひとまず韓国は慎重な立場を取っている。韓国が下手に提訴の話を切り出せば、日本の「老獪な外交術」に引っかかり、取り返しのつかない方向へと事態が展開する可能性があるからだ。外交部のチェ・ヨンサム報道官はこの日の定例ブリーフィングで「慰安婦被害者などの立場をもう少し聴いてみようと考えている。国際司法裁判所への提訴問題は慎重に検討していくつもり」と述べた。


 日本も同様だ。茂木敏充外相も定例記者会見で「どういう意図で、どういう考えでご発言しているかも、私、存じ上げませんので、コメントは控えたい」という反応にとどまった。しかし日本は、2015年の12・28合意で慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的」に解決されたとの立場のため、「慰安婦問題のみ」を回付しようという推進委の提案には応じない可能性が高い。


 正義記憶連帯のイ・ナヨン理事長も「慰安婦問題だけを持ち込むなら勝訴の可能性がなくはない。しかし、日本が独島、植民統治の合法性などの大韓民国の建国理念にまで手を出してくる可能性がある。結局、問題解決とは程遠い別の対立状況が発生するだろう」との懸念を示した。
 

キル・ユンヒョン、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/983195.html
韓国語原文入力:2021-02-16 16:28
訳D.K

 

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03 

世界のフェミニスト1100人「ハーバード大教授の主張、女性への暴力の正当化に」
登録:2021-02-18 02:19 修正:2021-02-18 09:19

世界のフェミニストによる声明 
「学問の自由を侵害しようとしているのではない」



17日、正義記憶連帯のイ・ナヨン理事長がソウル鍾路区の旧日本大使館前で開かれた第1479回日本軍性奴隷制問題解決のための水曜デモで発言している/聯合ニュース

 

 慰安婦被害者のことを「自発的な契約にもとづく売春婦」と主張したハーバード・ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授を批判する世界のフェミニストたちの連帯声明が発表された。
 

 正義記憶連帯(正義連)は17日午前、第1479回定期水曜デモで「ジョン・マーク・ラムザイヤー教授の日本軍慰安婦論文に関する全世界のフェミニストによる声明」を公開した。正義連は「ラムザイヤー教授の論文は、アジア太平洋地域で勇気を出して証言した被害者の証言、研究者の数十年にわたる真相究明および研究成果、国連、国際労働機関(ILO)など国際社会の報告書と勧告を考慮せずに、日本政府の歪曲した主張を紹介している」と批判した。


 正義連は続いて、「日本軍性奴隷制問題解決運動、黒人の人権運動、MeToo運動、反植民地主義運動と連帯する国内外の女性主義研究者たちが、歴史歪曲を通じた性差別、植民地主義構造の再生産を批判する声明を作成し、回覧した」と説明した。声明には、17日午後3時現在で米国、フィリピン、英国、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、カナダなどの海外と韓国国内から、1100人以上の研究者と団体が参加している。長く慰安婦問題を研究してきた丘培培(米国ニューヨーク州ヴァッサー大学)、エリザベス・ソン(ノースウエスタン大学)、リンダ・ハスヌマ(テンプル大学)、マーガレット・ステッツ(デラウェア大学)などの教授たちも名を連ねている。
 

 声明は「学問の自由を侵害しようとするものではない。固定化された抑圧と相互につながった構造を究明するのではなく家父長的・植民地主義的視点を踏襲する主張が、何を意味するかを伝えようとするもの」とし、「ラムザイヤー教授のこのような主張が、女性たちに対する暴力と性奴隷および性搾取制度を正当化するために利用され得ることに懸念を表する」と述べている。
 

 声明は、ラムザイヤー教授の主張は日本軍「慰安婦」被害生存者や現代の性暴力被害生存者たちに再び暴力を加えており、日本政府の意図的な歴史の否定と歪曲に力を与えていることを批判した。そして「女性の権利と生存者の正義のための闘争を尊重する機関と社会を作るためには、今日も加えられている女性に対する暴力と性的搾取を終わらせなければならない」とし「学問の自由との美名の下に起こる類似の問題を防止するため、大学をはじめとする高等教育機関は、様々な制度的装置を設けるべき」と述べた。
 

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/women/983348.html
韓国語原文入力:2021-02-17 15:42
訳D.K

 

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04 

「慰安婦=売春婦」主張のハーバード大教授、関東大震災歪曲論文も発表
登録:2021-02-18 02:20 修正:2021-02-18 09:19

「朝鮮人は犯罪率高い集団」虐殺、歪曲を正当化 
誤報の多かった地震直後の新聞記事を根拠に主張 
日本の右派がネット上で展開する論理と類似 
日本でも学術的根拠としては使用されず 
日本の公権力の傍観と助長には言及せず



ハーバード・ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者のことを「売春婦」と主張する論文を書いて物議をかもした米国ハーバード・ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授が、関東大震災での朝鮮人虐殺を歪曲した論文も作成していたことが明らかとなった。
 

 ラムザイヤー教授は、2019年に発表した「自警団:日本の警察、朝鮮人虐殺と私立保安業者」と題する論文で、非正常な状況において人々は私的な治安手段を求めるという論理を展開し、関東大震災当時の朝鮮人虐殺を例に挙げた。関東大震災の朝鮮人虐殺のことを「朝鮮人の犯罪に対する日本人の正当防衛だった」とする日本の右翼の主張と同じ脈絡の主張だ。実際には、1923年9月1日の関東大震災の発生後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが広がり、日本の自警団と警察が数千人の朝鮮人を虐殺したというのが定説となっている。
 

 ラムザイヤー教授は「朝鮮人暴徒が家に火をつけながら横浜から東京に向かっている」というような当時の日本の新聞記事を引用している。しかし日本国内でも、このような記事を学術的に大真面目に朝鮮人暴動の証拠として扱うことはほとんどない。大地震直後の極度の混乱期に日本の新聞が誤報を乱発したためだ。さらに大地震から3年後の1926年には、日本の内務省が「朝鮮人暴動」に関することを含めて各種の誤報例を提示しているほどだ。


 ラムザイヤー教授は、朝鮮人が一部で強盗、窃盗、性的暴行などをはたらいたという1923年の日本の司法省の発表を引用し「数字は少ないが、当時は警察の人員が不足していたことを考慮すべき」と書いている。しかしラムザイヤー教授が引用した司法省の発表は、身元不詳の朝鮮人加害者と身元不詳の日本人被害者が多数登場するものであり、発表当時から信頼性に疑問を呈する声が多かった。日本の警察が自警団の犯罪を黙認したり加担したりしていた当時の状況に関する記述は、この論文には登場しない。ラムザイヤー教授は、1920年の人口調査によると、日本に居住する朝鮮人の多くが男性で若かったとし、「若い男性はどこでも犯罪率が高い集団だった」と記し、当時の日本に居住していた朝鮮人を犯罪予備軍扱いしてもいる。


 関東大震災の朝鮮人虐殺は、右派的な日本人も長きにわたり否定できなかった歴史的事実だ。しかし、最近の日本社会の右傾化の強まりにより、関東大震災での朝鮮人虐殺を歪曲したり、甚だしくは否定する人まで出てきている。


 ラムザイヤー教授が書いたこの論文はオンラインで公開されており、今年8月に英ケンブリッジ大学から出版される予定となっている。米イースタン・イリノイ大学史学科のイ・ジンヒ教授はケンブリッジ大に抗議文を送り、「こうしたでたらめな歴史歪曲論文を、経済研究や法制研究という見栄えのする名のもと、ハーバードの教授の名義を掲げ、米国だけでなく世界的に有名な学術出版社が掲載することがないよう、方法を講じなければならない」と指摘した。
 

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/983378.html
韓国語原文入力:2021-02-17 17:19
訳D.K

 

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05 

慰安婦被害者のイさん、ハーバード生らに「『慰安婦は売春婦』主張の教授は無視して」
登録:2021-02-18 07:53 修正:2021-02-18 14:12

ハーバード大学アジア太平洋ロースクール学生会のオンラインセミナーに出演 
「日本は侵略した時のように今も無法地帯の振る舞い」 
文大統領に「国際司法裁判所で追及を」を重ねて訴える



日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんが17日(韓国時間)、ハーバード大学アジア太平洋系ロースクールの学生会が主催したオンラインセミナーに遠隔で参加して発言している=ウェビナー画面より//ハンギョレ新聞社

 

 「ハーバード大学生の皆さん、決してこのことに気を使わないで。あの人は無視してください」
 

 日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさん(93)さんが、慰安婦被害者を自発的売春婦と規定したハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授を無視しようと話した。イさんは16日(現地時間)、ハーバード大学アジア太平洋系ロースクールの学生会が開いたオンラインセミナーに遠隔で出演してこのように述べ、「一方では、あの教授が『お前たちがそんなに努力しても(慰安婦問題に)何の進展もないから、もっとしっかりしろ』と言ったのだと考える」と話した。ラムザイヤー教授の主張は一顧の価値もないと一蹴しながらも、慰安婦問題に対する人々の関心がより高まったという話だ。
 

 イさんは前日の記者会見で明らかにした国際司法裁判所(ICJ)への提訴の必要性を繰り返し強調した。イさんは「日本は朝鮮を侵略し、女子たちを連れていき、何でも自分のものにして無法地帯の振る舞いを行い、今もそのままだ」とし、「日本の菅首相と国際司法裁判所に行って完璧に突き詰めることを文在寅(ムン・ジェイン)大統領にお願いする」と話した。さらに「裁判で必ず勝って、皆さんを文大統領の前に連れて行き、あいさつをする」と述べた。
 

 この日の行事は、ラムザイヤー教授の論文内容が知れわたった後に、ハーバード大学の学生たちが準備したもの。このセミナーで、米国の人権団体である慰安婦正義連帯(CWJC)のリリアン・シン共同議長は「ラムザイヤー教授はずうずうしくも慰安婦問題に関する文章を書きながら、被害者と対話せず、被害女性たちの話を全く聞いていない」と批判した。そしてラムザイヤー教授のような人々が「日本の代弁者のような役割をしている」と話した。2007年、米連邦下院で慰安婦問題の解決に向けた決議を主導したマイク・ホンダ前下院議員も参加し、「あの教授職に対する資金支援をやめ、ハーバード大学が三菱からこれ以上お金を受け取らないようにしなければならない」と述べた。ラムザイヤー教授は、日本の戦犯企業である三菱の後援を受けている碩座教授だ。
 

 行事を準備したハーバード・ロースクールの学生のジャネット・パクさん(27)はハンギョレに「歴史の証人がこうして生きておられるのに、ラムザイヤー教授は論文に一つも参考にしなかったので、ハルモニ(おばあさん)の証言が記録されることを願う気持ちから企画した」と語った。さらに「ラムザイヤー教授の論文に接した学生たちの最初の反応は驚愕だった」とし「内容も途方もないが、ハーバード大ロースクールの教授というのが信じられないほど質の低い論文だったということなどが非現実的に感じられた」と述べた。
 

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/983326.html
韓国語原文入力:2021-02-18 02:31
訳C.M

 

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06 

冷淡すぎる日本…困難極める韓日関係改善

登録:2021-02-18 08:40 修正:2021-02-18 09:06

 

チョン外交部長官、まだ日本とは電話会談できず 
日本の過度な要求、韓国の対応の行動の幅狭める



文在寅大統領が昨年11月15日、大統領府本館でオンライン会議で開かれた域内包括的経済パートナー協定(RCEP)首脳会議と協定署名式に出席し、日本の署名式を見た後拍手を送っている。文大統領の後ろの画面に日本の菅義偉首相が見える=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 

 昨年9月の菅義偉首相就任後に続いてきた韓国政府の関係改善の努力にもかかわらず、韓国に対する日本の冷ややかな態度は変わっていない。韓国が和解のために「それなりの誠意」を見せているにもかかわらず、日本の要求水準があまりにも高く、新年に入っても関係改善は容易ではない見込みだ。
 

 8日に就任したチョン・ウィヨン外交部長官は、就任4日目から周辺国との活発なコミュニケーションを取り始めた。旧正月当日の12日、米国のアントニー・ブリンケン国務長官やロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と電話会談を行っており、16日には中国の王毅国務委員兼外交部長と電話で協議した。しかし、朝鮮半島周辺の主要国のうち、日本の茂木敏充外相とだけはまだ電話会談日程が決まっていない。日本の冷ややかな態度のためだ。
 

 日本は様々なところで韓国に対する不満を露わにしている。冨田浩司駐韓日本大使が先月27日、新しい赴任地の米国に向かったが、後任の相星孝一大使の赴任は20日以上実現していない。カン・チャンイル駐日韓国大使は先月22日、東京に到着したが、日本の冷淡な対応のため、菅義偉首相はおろか、茂木外相とも面会していない。2019年5月に赴任したナム・グァンピョ大使の時も韓日関係が最悪だったが、河野太郎外相とは赴任4日目、安倍晋三前首相とは赴任12日目に面会した。
 

 カン大使の信任状の写しを受け取るため、今月12日午後に面会に応じたのは、日本外務省の「ナンバーツー」の秋葉剛夫外務次官だった。しかし、秋葉次官はカン大使と面会をわずか10分で切り上げた。共同通信は15日、こうした日本政府の態度について、「韓国が歴史問題を蒸し返す姿勢を改めない限り、韓国を対話の相手と見なさない。伝わってくるのは、こうしたメッセージだ。政権内外で嫌韓ムードが広がる」と説明した。同通信はさらに、「関係改善の意欲は文在寅(ムン・ジェイン)政権から感じられない。急いで会う必要はあるのか」という首相官邸内の雰囲気と、チョン長官と茂木外相が会っても、「寒いですね」としか話すことがないという日本政府高官の冷笑的な反応も伝えた。
 

 しかし韓国政府は、昨年9月の菅首相就任後、韓日関係改善のために様々な努力をしてきた。 特に先月18日の年頭記者会見で、文在寅大統領は以前とは異なる破格の発言を行った。会見10日前の8日、ソウル地方裁判所が日本軍「慰安婦」被害者らに対する日本の損害賠償責任を認めた判決について「率直に少し当惑したのが事実」だとしたうえで、日本が懸念する日本企業資産の現金化問題についても「強制執行の形で現金化されたり、判決が実現されるのは韓日両国間にとって望ましくないと思う」と述べた。2019年の年頭記者会見で「司法判断に政府が介入することはできない」と述べた時とは違い、日本側に配慮した発言だった。
 

 にもかかわらず、日本政府は冷ややかな態度を変えなかった。茂木外相は翌日の19日、文大統領の発言に対する見解を問う質問に「ここ数年間、韓国によって国際的な約束が破られ、また、二国間合意が実施されていない状況というのがある。こうした現状では、問題を解決したいという韓国側の姿勢の表明だけで評価を行うことは難しいと思っている。韓国側からの具体的提案を見て、評価したいと考えている」と述べた。言葉ではなく「具体的な行動」を求めたわけだ。
 

 これまで菅首相など日本の主要当局者らの発言を見る限り、日本が望む「具体的行動」とは、2018年10月の強制徴用被害者に対する日本企業の賠償責任を認めた韓国最高裁(大法院)の判決の核心を、韓国政府自らが崩す内容と推定される。「外交的妥協」ではなく「一方的譲歩」を要求しているのだ。しかし、日本の期待に応えるためには、「最高裁判決の履行」や「原告らが同意できる外交的解決策」など、政府が維持してきた核心原則を崩さなければならない。日本が今のように冷淡な態度を維持する限り、韓国政府の行動の幅も小さくならざるを得ない。新年に入っても韓日関係改善が容易ではないのも、そのためだ。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/983345.html
韓国語原文入力:2021-02-17 16:25
訳H.J

 

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07 

「慰安婦」問題、ICJ付託案が30年経てようやく出てきたわけは?(前)
登録:2021-02-19 03:03 修正:2021-02-19 06:48


日本軍「慰安婦」被害者イ・ヨンスさんが16日、ソウルプレスセンターで開かれた日本軍「慰安婦」問題の国連国際司法裁判所(ICJ)への付託を求める記者会見で涙をふいている/聯合ニュース

 

 日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対して慰安婦問題の国際司法裁判所(ICJ)への付託を要請したことで、韓日両政府だけでなく市民社会や学界までもが、今後の事態の展開を注視している。ICJを通じて「慰安婦」被害者問題を解決しようとの方策が公論化されたのは、1991年の故金学順(キム・ハクスン)さんの初の公開証言から30年を経て初めてのことだ。
 

ICJ付託、なぜこれまで提起されなかったのか
 

 「慰安婦」問題を国際紛争処理機関に持ち込んで判断を仰ごうとする試みは、以前にもあった。1994年、挺身隊問題対策協議会(挺対協)をはじめとする韓国の市民社会団体は、1965年の韓日請求権協定と日本政府の賠償義務についての解釈を、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所(PCA)に委ねようとした。PCAは他の国際裁判所とは異なり、国ではなく個人が当事者として参加できる。当時、韓国と日本の市民社会団体は、法律諮問団を組織して提訴を進めたものの、日本政府が1995年にこの提案を拒否したことから、実現には至らなかった。



1992年12月に東京で開かれた「日本の戦後補償に関する国際公聴会」で、顔を合わせた南北の「慰安婦」被害者が抱き合って涙を流している=伊藤孝司(写真家)//ハンギョレ新聞社

 

韓国政府は解決策として検討したのではないか
 

 活発な民間活動とは異なり、韓国政府は「慰安婦」問題のICJ付託に公式に言及したことはない。外交部などの省庁内部で関連事項を検討しただけで、政策としては真剣に検討しなかったという。「慰安婦」問題の位置づけに比べて複雑な戦略的考慮が要求されるICJへの付託は、実効性のある解決策にならないと考えたのだ。
 

 1991年の金学順さんの公開証言によって「慰安婦」問題が歴史の前面に再登場して以来、日本政府は「国民の募金」などで作った「アジア女性基金」(1995~2007年)を通じてこの問題を取り繕おうとした。基金の設立後、韓国政府は問題解決に向けた積極的な努力を行わなかった。政府の態度が変わったのは、「政府が慰安婦被害者などの賠償請求権問題について具体的な解決努力を行わないのは違憲」だとする憲法裁判所の決定が2011年8月30日に下されてからだ。憲法裁の決定以降、政府は請求権協定第2条の対日請求権に「慰安婦」被害者などの賠償請求権が含まれるかどうかについての解釈の違いなどの問題を、第3条に明示された「外交上の経路」(1項)や「仲裁委員会への付託」(2項)を通じて解決するため、協議を進めた。仲裁委は日本側の拒否により組織されなかった。しかし、韓日間の外交協議が行われて、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年12月、韓日両政府間の「慰安婦」合意に帰結した。
 

日本政府はどうだったのか
 

 日本政府は独島(ドクト)、強制動員被害者への賠償判決、「慰安婦」問題などの様々な懸案について、ICJに提訴する可能性に言及してきたが、韓国に正式に提案したことはない。独島については2012年8月のイ・ミョンバク大統領の独島上陸の直後に言及。強制動員被害者への賠償については、新日鉄住金(現日本製鉄)を相手取って起こされた強制徴用損害に対する賠償請求訴訟で、2018年10月30日に韓国の最高裁判所が原告勝訴判決を下した際に、安倍首相が自ら付託の可能性に言及している。「慰安婦」については、ソウル中央地裁が先月8日に日本政府に対し慰安婦被害者1人当たり1億ウォン(約955万円)の賠償を命ずる判決を下した際、茂木敏充外相がICJへの付託を含む「あらゆる選択肢を視野に入れ」対応していくと述べている。



2015年12月28日、ソウルの外交部庁舎で、慰安婦問題に関する協議を終えたユン・ビョンセ外交部長官(右)と日本の岸田文雄外相が共同記者会見を行っている=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

韓日両政府はICJに向かうか
 

 しかし、イ・ヨンスさんが具体的な提案を行ったものの、韓国と日本の政府は慎重な態度を示している。韓国政府は「慰安婦被害者などの立場をもう少し聴取」して「ICJへの提訴問題は慎重に検討」するとの立場だ。日本政府も「どういう意図で、どういう考えでご発言しているかも存じ上げませんので、コメントは控えたい」との反応にとどまった。日本政府はこれまで、「慰安婦」制度が当時の国際法上の犯罪だったということを認めてもいず、積極的に否定もしていない。その代わりに、1965年の韓日請求権協定によってこの問題は解決済み、との主張ばかりを繰り返している。日本政府としても考慮すべき事項が多いことの傍証と解釈される。
 

 国連憲章に規定された国連の主な司法機関の一つであるICJの判断を仰ぐには、紛争当事国間の合意が必要となる。韓国政府が付託を決めたとしても、日本政府の同意なしには不可能だ。外交部の内外では、日本政府が国際社会で「慰安婦」問題に再び火がつくのを快く思わず、米国政府から良い反応は得がたいことなども考慮したため、強制徴用問題もICJへの提訴を試みなかったとみている。
 

 両国がICJの判断を仰ぐことに大筋で合意しても、具体的にどのような争点を持ち込むかをめぐっては、合意に至ることは困難とも指摘される。国が他国と国際裁判を行う前に真っ先に考慮することは「勝訴の可能性」だが、この間の政府の検討過程においては「勝訴するかどうかは予断を許さない」と判断されたとみられる。また、ICJへの付託が請求権協定による仲裁より有利だという保障もなく、「慰安婦」被害者が強制動員された日本軍の「性奴隷」だったということを確固たる証拠に基づいて立証せねばならないという課題もある。高齢の生存被害者15人のうち、円滑な意思疎通が可能な被害者は数えるほどで、一貫性のある証言の整理も容易ではない。法理的に、1965年の請求権協定と2015年の韓日「慰安婦」合意で問題が解決されたという日本側の主張が国際法専門家らを説得する可能性も否定できず、また、現在の人権法ではなく当時の国際法が基準となって日本の行為を違法とする判断が得られない可能性も排除できない。政府関係者が、現段階でICJに付託する可能性は「ほとんどない」との反応を示す理由はここにある。
 

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/983461.html
韓国語原文入力:2021-02-18 10:47
訳D.K

 

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08 

「慰安婦」問題、ICJ付託案が30年経てようやく出てきたわけは?(後)

登録:2021-02-19 06:17 修正:2021-02-19 09:00

 


平和の少女像=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 

国際司法裁判所付託への期待
 

 日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんは16日の記者会見で、「私はこれまでできる限りのことをしてきた」とし、「もはや方法がない。韓国政府が国際法で日本の罪を明らかにしてほしい。日本が過ちに気づき反省するよう国際司法裁判所(ICJ)の判断を受けてほしい」と訴えた。「日本軍慰安婦問題国際司法裁判所付託推進委員会」(以下推進委)側は、「慰安婦」制度の主体が日本政府という点を認めた1月のソウル中央地裁の判決を、日本政府が韓国国内の裁判所の判決にすぎないとして正当性を認めていないことから、権威あるICJに持ち込むことを提案した。また、この判決が「金銭賠償を命ずるにとどまり、日本の真の法的責任の認定、歴史教育への反映など被害者の人権救済は期待しにくい」という理由も挙げた。
 

 推進委側の法律検討を担当したシン・ヒソク博士(国際法)は「予断することはできないが、(ICJが)実体的に『慰安婦』制度が当時の国際法を違反した戦争犯罪として法的責任」を認める一方、「手続き的には個人賠償請求権は1965年の韓日請求権協定で放棄され、韓国裁判所は日本の主権免除を尊重しなければならない」と判断する可能性があると見通した。韓国の立場では被害者たちの個人賠償請求権は喪失するが、日本の法的責任は認められ、日本の謝罪、真相究明など法的義務が残るという主張だ。敗訴したとしても、「『慰安婦』制度に関する資料、証言などを過去(第二次世界大戦後、戦犯裁判である)ニュールンベルク裁判、東京裁判の時のように膨大な歴史記録で永久的に残すことができる」というは利点があると指摘した。シン博士は「韓国はICJで訴訟を起こした経験はないが、勝算がある」とし、2014年にオーストラリアが日本の過度な捕鯨を問題視して起こした「国際捕鯨取締条約違反」訴訟で日本が敗訴した事例や2019年4月に世界貿易機関(WTO)紛争解決機構が日本福島水産物輸入禁止関連事件で韓国勝訴した事例などを挙げた。



世界日本軍「慰安婦」メモリアルデーに迎え、2018年8月15日にソウル鍾路区旧日本大使館前で開かれた第1348回定期水曜集会の姿=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

国際司法裁判所への付託をめぐる懸念
 

 国際法の専門家らは、このようなアプローチに懸念や疑問を呈した。被害者は請求権協定にも個人賠償請求権が残っていることを前提に、日本の法的責任と賠償を要求してきたが、推進委の予測通りの判決が下された場合、国際司法裁判所の判断より“失うもの”が大きいと見ているからだ。
 

 キム・チャンロク慶北大学教授(法学)は今月16日、国際司法裁判所を通じて「慰安婦」制度が当時の国際法を違反した犯罪だという事実を確認したもらう代わりに、被害者の個人賠償請求権は請求権協定で放棄されて日本の主権免除が尊重されなければならないという判断を受け入れるなら、「弊害は実に深刻であろう」と懸念した。複数の法律専門家もこのような判断が下された場合、2018年の韓国最高裁(大法院)判決と1月のソウル中央地裁判決の意味を歪曲する結果をもたらすと警告した。「両裁判が請求権協定および国家免除を認めなかったため、国際法を違反している」という日本政府の主張を後押しする格好になり、これまで国内外で行ってきた努力を台無しにする恐れがあるという判断だ。また、日本政府の能動的な責任認定と謝罪という被害者の本質的要求は、この問題を国際司法裁判所に移しても解決されないという指摘もある。
 

 「慰安婦」被害者に対する歴史的事実はすでに国連をはじめとする国際社会の常識になっており、日本も一部認めたため、国際司法裁判所を通じて事実関係を認められなければならない段階ではないという点も、国際司法裁判所にこだわる必要がない理由に挙げられる。これに先立ち、「慰安婦」被害者問題は1994年、国際法律化委員会による「慰安婦・終わらない試練」報告書 (Comfort Women an unfinished Ordeal:『国際法から見た「従軍慰安婦」問題』に収録、日本政府の道義的、法律的責務を認める)▽1996年、国連人権委員会の「戦時における軍事的性奴隷制問題に関する朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国および日本への訪問調査に基づく報告書」(クマラスワミ報告:日本軍慰安婦を『軍事的性奴隷』とし、日本の法的責任の認定)▽1998年、国連人権委員会差別防止と少数者保護小委員会の「現代的形態の奴隷制:武力戦争下の計画的レイプ、奴隷制、奴隷に近い状況」報告書(マクドゥーガル報告書:日本政府の個人賠償及び「レイプ所」の設置・監督責任者訴追を提起)だけではなく、国連女性差別撤廃委員会(1994年、2003年、2004年、2009年・日本政府の責任の認定と賠償などを要求)と 国連拷問防止委員会(2007年)、市民的及び政治的権利委員会(2008年)などからも確認されている。
 

 韓国の政府関係者および多くの国際法専門家たちが韓日間の紛争の国際司法裁判所への付託に懐疑的である他の理由は、独島(日本名・竹島)問題のためだ。日本は1950年代から独島問題の国際司法裁判所への付託を主張してきた。韓国政府が「慰安婦」など歴史問題を提起しようとすれば、日本は独島問題も一緒に付託すべきだと主張している可能性が高い。これまで独島をめぐる領土問題の存在を認めない韓国政府の立場からすると、大きな打撃になりかねない。16日、推進委の記者会見を見守った彼らの心の底には、被害者女性の利益に合致する結果の導出のための十分な検討と戦略的判断が先に成されなかったという残念な気持ちがある。
 

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/983461.html
韓国語原文入力:2021-02-18 17:56
訳H.J

 

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09 

「最悪な学問的真実性違反」ハーバード大歴史学教授ら、"慰安婦=売春婦”論文を酷評
登録:2021-02-19 08:07 修正:2021-02-20 08:21

韓国史・日本史専門の教授ら、慰安婦論文を検討後に声明 
「朝鮮人対象の契約書は一件も見つかっていない 
学術誌は論文掲載を保留して調査すべき」



ハーバード・ロースクールのジョン・マーク・ラムザイヤー教授//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍慰安婦被害者を「売春婦」と主張した米ハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授の論文について、同大学の歴史専攻の教授らが学問的真実性が欠如していると批判した。
 

 17日(現地時間)、ハーバード大学東アジア言語文化学科のカーター・エッカート教授と歴史学科のアンドルー・ゴードン教授が声明を出し、学術誌「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス(International Review of Law and Economics)」3月号に掲載される予定のラムザイヤー教授の論文「太平洋戦争における性サービス契約」がまともな根拠文献の引用もなく作成されていると指摘した。エッカート教授は韓国史、ゴードン教授は日本近代史が主専攻だ。
 

 両教授は声明で、同学術誌の編集者の要請でラムザイヤー教授の論文を検討したと述べ、「我々はまず、慰安婦システムに内包され実行された植民主義ジェンダーの大きな政治的・経済的脈絡をラムザイヤー教授が省略したことに衝撃を受けた」とした。続いて「しかし我々は(ラムザイヤー教授の)論文において、(論文で使用された)証拠と論理を調べながら、論文の学問的真実性の問題にまず直面した」と書いた。
 

 両教授はラムザイヤー論文の引用を追跡してみたところ「ラムザイヤー教授が朝鮮人慰安婦や家族、または募集業者の実際の契約を1件も見つけられなかったと判断することができた」とした。また「さらには、日本政府や軍が指針として下した見本の契約書も見つけられなかったと判断された」と批判した。彼らはラムザイヤー教授が引用した1938年の日本内務省の文書があるが、同文書は中国・上海にある慰安所が雇った日本女性用の契約書の見本だったと指摘した。朝鮮人対象の契約書ではなかったということだ。「我々はラムザイヤー教授がいかにして読んでもいない(朝鮮人対象の)契約に対しそのように強い表現を使って主張できるのか分からない」と指摘した。
 

 両教授はラムザイヤー教授が彼の主張の核心に当たる「朝鮮人女性の契約に関する第3者の証言または文書化された記録の提示も事実上していない」と批判した。唯一日本語に翻訳された慰安所の勤務者の日記に関する本が引用されていたが、これも選択的に引用されたと指摘した。歴史的事実と矛盾する記述もあると指摘した。両教授はラムザイヤー教授が「ビルマ(現在のミャンマー)の朝鮮人慰安婦は6カ月から1年の短い契約を交わして働いた」と主張したが、引用を見ると1937年に作成されたという日本語で書かれた契約書の見本だったとし、1937年は日本軍がミャンマーで戦闘を行う数年前だと指摘した。
 

 両教授は朝鮮人女性対象の契約に関する証拠や関連文献の提示がきちんとなされていない点を指摘し、「最悪な学問的真実性の違反だ」と批判した。
 

 両教授は「インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクス」に、ラムザイヤー教授の論文の掲載を保留して調査を行い、結果によっては撤回するよう求めたと明らかにした。
 

チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/983613.html
韓国語原文入力:2021-02-18 23:47
訳C.M

 

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韓国、新任教師に性認知教育を義務化…各分野でも「性平等」広げる
登録:2021-02-20 02:22 修正:2022-05-24 07:27

第12回両性平等委員会、今年の政府の主要課題を審議


チョン・ヨンエ女性家族部長官が19日午後、政府ソウル庁舎で開かれた「第12回両性平等委員会」に出席し、発言している//ハンギョレ新聞社

 

 教育大学や師範大学などの教員養成機関の教育課程に、今年から「性認知教育」が必須科目として導入される。教育部は教員養成機関で使える性認知感受性教育資料を開発し、今年から普及させることを決めた。
 

 19日午後、チョン・セギュン首相は政府ソウル庁舎で第12回両性平等委員会を開き、第2次両性平等政策基本計画(2018~22年)の今年の実施計画案を審議した。両性平等委員会は、両性平等政策に関する主要事項を審議する首相傘下の委員会だ。
 

 チョン首相は冒頭発言で「政府を含む公共部門が率先して性平等を実践し、民間部門が自発的に参加する好循環政策構造を作る。公共部門の女性高位職の割合も徐々に拡大している」と述べた。人事革新処は、中央行政機関での女性高位公務員の採用を拡大するため、「女性高位公務員採用タスクフォース(TF) 」を設置し、各省庁の実績を点検する計画だ。
 

 この日の委員会で出た今年の主な実施課題を見てみると、まず教育部は、今年3月から教育大学、師範大学などの教員養成機関の教育課程において、性認知教育を必須科目とすることを決めた。また、各機関で活用する性認知感受性教育資料を開発し、普及させることにした。
 

 教育部は、2月2日の国務会議での教員資格検定令の改正決定を受け、予備教員への性認知教育を義務付けた。教員資格を取得しようとする人は、教員養成課程を履修する間に、全員が性認知教育を4回以上受けることが義務付けられた。この措置は、スクールMeTooやテレグラムn番部屋事件などが社会問題となったことで、教師の性認知感受性に対する国民の要求水準が高くなったためだと教育部は説明した。
 

 文化体育観光部も、見習いおよび経歴のある記者やプロデューサーなどの報道メディア従事者を対象とした性平等教育を拡大することを決めた。
 

 151の地方公企業については、地方公企業経営情報公開システムを改編することにした。企業公示資料に社員の男女別賃金額を含めて公示する「性平等経営公示制」を実施するためだ。行政安全部は、地方公企業の女性管理者の拡大に向けた5年目標制を推進していくことを決めた。
 

 この日の両性平等委員会では、2023年までに実施する「国連安全保障理事会決議1325号第3期」国家行動計画の履行状況なども点検した。
 

 今回新たに樹立される第3期国家行動計画は、人身売買防止法の制定などの50の実行課題からなっている。国連は韓国政府に対し、より現実性のある人身売買防止制度を設けるよう勧告してきており、同計画は政府がこの勧告を反映したものだ。性売買または性的搾取、労働力搾取、臓器摘出などを目的として人を募集、輸送、伝達、隠匿、引継ぎ、または受け入れる人身売買を法で禁止する人身売買防止法は、既存の刑法が人身売買の定義を狭く規定しているため、犯罪を扱うには大きな限界があるとの指摘を受けてきたことから、制定を目指すもの。昨年12月には、共に民主党のイ・スジン議員が、人身売買・搾取防止と被害者保護などに関する法律案を代表発議している。
 

 この日の委員会ではまた、日本軍「慰安婦」問題についての断固とした取り組みが強調された。チョン首相は「日本軍慰安婦被害当事国として、政府は、意味深い国際社会の決意を忠実に行動で実践する考えだ。特に歴史的事実を否定したり真実を歪曲したりしようとするいかなる試みにも、国際社会と共に断固として対処する」と述べた。
 

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

http://www.hani.co.kr/arti/society/women/983715.html
韓国語原文入力:2021-02-19 15:25
訳D.K

 

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11 

米国政府が「慰安婦は人身売買」再確認
登録:2021-02-20 02:23 修正:2021-02-20 06:44

国務省、「ひどい人権侵害」との従来の主張を再び表明 
ラムザイヤー教授、昨年初めにも日本の極右の主張を反復



日本軍慰安婦のことを「売春婦」だとする主張を展開して批判を受けている米国ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授=ハーバード大学資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍慰安婦を「売春婦」だと規定した米国ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授の論文に対する批判が拡大する中、米国政府は慰安婦問題について「女性の人身売買であり、ひどい人権侵害」と述べた。
 

 聯合ニュースは、日本軍慰安婦被害者問題について米国務省に書面で質問を送り、18日(現地時間)「米国が何度も述べているように、第2次世界大戦当時の日本軍による性目的の女性の人身売買は、ひどい人権侵害」との回答を得たと19日に報道した。米国務省は「我々は、日本と韓国が治癒と和解を促進する方向でこの問題について協力を続けることを、長きにわたり勧めてきた」と付け加えた。
 

 聯合ニュースは、国務省のこのような言及は慰安婦問題についての従来の立場と同じだが、最近ラムザイヤー教授の論文の問題で批判が拡大する中、改めて日本の責任論を強調したものと解釈されると指摘した。
 

 ラムザイヤー教授は、先日オンラインで公開した論文の中で、慰安婦問題を売春業者と売春を希望する女性が利害関係を満たす契約を交わしたものと規定して、韓国はもちろん、米国の歴史学界の大きな反発を招いた。
 

 一方でラムザイヤー教授は、日本の右翼系の産経新聞社の英語メディア「ジャパンフォワード」への昨年1月の寄稿においても、日本の極右の主張をそのまま反復していたことが確認された。同氏は「2020年の日本:偏狭な米国の大学の教授たちを理解する」と題する寄稿で「米国の教授たちは、(慰安婦のことを)拉致を通じた性売買だとする、韓国の信じがたい主張を本能的に受け入れる」と述べ、安倍晋三前首相については「(安倍首相に対して)何か肯定的な評価をしようとする人々に対して、(米国の教授たちは)完全な軽蔑を示す」と主張している。
 

 同氏はまた、米国の学界がこうした風土なのは「人文、社会科学分野は政治的風土が一方に傾いており、圧倒的に民主党支持の傾向を示すため」だと解釈している。米国の学界が慰安婦についての韓国の主張を受け入れるのは、「韓国人たちが(米国の)人文学系の教授たちの本能的な世界観に完璧に合致する話をするため」という詭弁も並べ立てている。
 

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/983667.html
韓国語原文入力:2021-02-19 10:46
訳D.K

 

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韓国与党、「慰安婦は売春婦」ハーバード大学教授論文への政府の対応を批判
登録:2021-02-20 05:53 修正:2021-02-20 06:30


イ・ナヨン正義記憶連帯理事長が今月17日、ソウル鍾路区旧日本大使館前で開かれた第1474回日本軍性奴隷制問題解決に向けた水曜集会で発言している/聯合ニュース

 

 共に民主党が日本軍「慰安婦」被害者を「売春婦」と規定したハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤ―教授の論文に対する韓国政府の消極的な対応を批判した。
 

 民主党のチェ・インホ首席報道担当は19日午前、論評を出し、「米ハーバード大学のラムザイヤ―教授のとんでもない主張が国際社会に大きな波紋を広げている。ハーバード大学の学生たちと同僚教授らがラムザイヤ―教授を強く批判し、米政界も批判に加わった。にもかかわらずチョン・ヨンエ女性家族部長官は国会に出席し、ラムザイヤ―教授の論文について、政府が対応する価値がある論文ではないという趣旨で発言した」とし、「政府の主務長官としてはとても安易な認識だ。非常に不適切で無責任な発言」だと批判した。
 

 チェ首席報道担当は「他の主務長官である外交部長官も外交部がどのような積極的な対応をしたかを省察し、今後どのように対応するかに責任ある措置を取らなければならない。外交部がこの問題に消極的である理由はない」と指摘した。
 

 チェ首席報道担当はさらに「ラムザイヤ―教授の主張の背後に日本政府があるというイ・ヨンスさんの主張があり、ラムザイヤ―教授の公式の肩書きは三菱戦犯企業の教授という報道もあった」とし、「ラムザイヤ―教授の論文で浮上した歴史歪曲の実体は決して偶然だとか、一度きりではなく、組織的で強力なもの」だと述べた。また「国内外を問わず市民社会の対応は強力だ。一方、韓国政府の認識と対応はあまりにも安易だ。無責任だという批判に値する」とし、「政府は反歴史、反人権的な歴史歪曲を防ぐための根本的な対応策を至急に示すべきだ」と主張した。
 

キム・ウォンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/983691.html
韓国語原文入力:2021-02-19 13:30
訳H.J

 

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