【〇○婦問題】2020.10 (h) ① | ぺる Ⅱのブログ

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続・チラシの裏書き

 

 

 

目次 

 

2020

01(10/09)ベルリン市、日本との関係を理由に「平和の少女像の撤去」 命令
02(10/09)韓国外交部、日本のベルリン「少女像」撤去の圧力は「自ら示した謝罪・反省に逆行」

03(10/09)[ニュース分析]ベルリン市が少女像を撤去…韓日関係改善に突発悪材料になるか

04(10/12)独大学教授たちも「日本からの少女像撤去の圧力に対するドイツの態度に衝撃」

05(10/12)ベルリン「平和の少女像」撤去の危機にドイツ市民も請願運動

06(10/12)裁判所に行った“ベルリンの少女像の運命”

07(10/13)シュレーダー元ドイツ首相夫妻、「平和の少女像」撤去反対運動に参加

08(10/13)日本軍「慰安婦」被害者の人生を描いた『草』、マンガ界のオスカー「ハーベイ賞」受賞

09(10/14)独当局「ベルリンの少女像」撤去、見直しの意向示す
10(10/15)「戦時性暴力、表現の自由」…ベルリンの少女像の運命を変えた市民の力
11(10/15)[寄稿] 国境を越える韓民族ディアスポラ、多文化アイデンティティ

12(10/15)[全文]慰安婦被害者のイ・ヨンスさん「『良心の首都』で少女像撤去してはならない」

13(10/15)日本政府「ドイツ司法の手続きを見守る」

 

 

 

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01 

ベルリン市、日本との関係を理由に「平和の少女像の撤去」 命令
登録:2020-10-09 06:21 修正:2020-10-09 06:53


先月28日(現地時間)、ドイツのベルリン市で行われた平和の少女像の除幕式で、ドイツの女性団体「コラージュ」(勇気)のメンバーが平和の少女像の横で記念撮影をしている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 ドイツのベルリン市当局が都心に建てられた「平和の少女像」(少女像)に対し、撤去を命令した。
 

 ベルリンのミッテ区は7日(現地時間)、少女像の設置を主管する韓国関連市民団体のコリア協議会に、14日までに少女像を撤去するよう求める内容の公文書を送ったと、コリア協議会のハン・ジョンファ会長が明らかにした。ミッテ区は自主的に撤去しない場合、強制執行を行い、コリア協議会に費用を請求すると付け加えた。
 

 ミッテ区は撤去命令の背景として、事前通知もなく碑文を設置し、ドイツと日本の関係に緊張が造成されたことを挙げた。「ミッテ区が韓国と日本の間に対立を起こし、日本に反対する印象を与える」とし、「一方的な公共場所の道具化を拒否する」と説明した。碑文には第二次世界大戦当時、日本軍がアジア太平洋全域で女性を性的奴隷として強制的に連れて行ったなどの説明が書かれている。ハン会長は「まずミッテ区との対話を通じて説得する」とし、現地で連帯してきた50の市民団体と協力して対応する意向を明らかにした。


 コリア協議会は先月28日、ドイツの女性人権団体と力を合わせ、ベルリン市ミッテ区の公共敷地に平和の少女像を設置した。ドイツで少女像が設置されたのは今回が3回目だが、公共の場に設置されたのは初めてで、さらに注目を集めた。これに対し、当時欧州歴訪中だった茂木敏光外相は1日、ドイツのハイコ・マース外相と40分間にわたってテレビ会談を開き、これに対応する動きを見せた。茂木外相は6日の定例記者会見で、当時、少女像の撤去を要求したという事実を明らかにした。
 

 外交部のキム・インチョル報道官は8日の定例ブリーフィングで、日本政府の少女像撤去の圧力について質問を受け、「少女像は厳然たる歴史的事実に関する追悼・教育のため、民間が自発的に設置した造形物だ。これを人為的に撤去しようと政府が関与することは決して問題解決の助けにならず、日本自ら明らかにした責任の痛感と謝罪・反省の精神にも逆行する行動だ」と批判した。
 

ベルリン/ハン・ジュヨン通信員、キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965073.html
韓国語原文入力:2020-10-09 02:48
訳H.J

 

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02 

韓国外交部、日本のベルリン「少女像」撤去の圧力は「自ら示した謝罪・反省に逆行」
登録:2020-10-09 10:04 修正:2020-10-09 11:47

12・28韓日合意の主要内容を挙げ、撤去を圧迫する日本を牽制


先月28日(現地時間)、ドイツのベルリン市で行われた平和の少女像の除幕式で、ドイツの女性団体「コラージュ」(勇気)のメンバーが平和の少女像の横で記念撮影をしている=ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 外交部が先月末、ドイツ・ベルリンに設置された「平和の少女像」に撤去圧力を加える日本政府の動きについて、「自ら明らかにした責任の痛感と謝罪・反省の精神に逆行する態度」と批判した。
 

 外交部のキム・インチョル報道官は8日の定例ブリーフィングで、日本政府の少女像撤去の圧力についての質問を受け、「平和の少女像は厳然たる歴史的事実に関する追悼・教育のため、民間が自発的に設置した造形物だ。これを人為的に撤去しようと政府が関与することは、問題解決に決して役に立たず、日本自ら明らかにした責任の痛感と謝罪・反省の精神にも逆行する態度だ」と批判した。しかし、韓国政府が外交的に対抗するのかという質問には「民間の自発的な動きに政府が外交的に関与するということは望ましくない。関連事項を注視している」とだけ述べた。
 

 これに先立ち、先月28日、在ドイツ韓国人が中心となった民間団体「コリア協議会」はドイツの女性人権団体と協力し、ベルリン市ミッテ区の公共の敷地に平和の少女像を設置した。すると、当時欧州歴訪中だった茂木敏充外相は1日、ドイツのハイコ・マース外相と40分間テレビ会談を開き、これに対応する動きを見せた。茂木外相は6日の定例記者会見で、当時、少女像の撤去を要求したという事実を明らかにし、「ベルリンという街は東西分裂から一つのベルリンが生まれ、様々な人が行き交う共存する街になった。そのベルリンの街にそういった像が置かれることは適切ではないと思う」と述べた。
 

 今回設置された少女像は、ベルリン地方自治体に芸術作品として設置申請を出し、「1年間設置する」という条件で許可を受けた。そのため、設置継続のためには1年ごとに許可更新が必要だ。
 

 この日、外交部が言及した「責任の痛感と謝罪・反省の精神」とは、2015年末の12・28慰安婦問題韓日合意を意味するものとみられる。当時、岸田文雄外相は、当時の安倍晋三首相の発言を代読する形で「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感している。安倍首相は日本の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し心からおわびと反省の気持ちを表現する」と述べた。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/964980.html
韓国語原文入力:2020-10-08 16:13
訳C.M

 

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03 

[ニュース分析]ベルリン市が少女像を撤去…韓日関係改善に突発悪材料になるか
登録:2020-10-09 20:20 修正:2020-10-10 07:15

ベルリン市、少女像が「独日間に緊張起こした」 
設置10日後に突然撤去決定 
日本外交当局の全方位的な攻勢が通じたか 
韓日関係の改善望む韓国政府、苦しい立場に



先月28日(現地時間)、ドイツのベルリン市で開かれた平和の少女像除幕式で、ドイツの女性団体「クラージュ」(勇気)の会員たちが、少女像の脇で記念撮影をしている=資料写真//ハンギョレ新聞社

 

 先月末、ドイツのベルリン市の公共敷地に設置された「平和の少女像」に対して、区庁当局が電撃的に撤去命令を下した。なかなか改善の糸口をつかめない韓日関係にどのような影響を及ぼすか憂慮される。
 

 ベルリン市ミッテ区は7日(現地時刻)、少女像の設置を主管した韓国関連市民団体「コリア協議会」に対し、14日までに少女像を撤去せよとの内容の公文書を送った。区当局は、自主的に撤去しない場合には強制執行をして関連費用をコリア協議会に請求するとも付け加えたことが確認された。コリア協議会は直ちに抗議声明を出し、今回の決定が「芸術と表現の自由に対する根本的な侵害」と明らかにし、方針の撤回を要求したが、受け入れられるかは未知数だ。
 

 ベルリン市当局が少女像の設置がなされて10日も過ぎずに撤去の決定を下したのは、日本外交当局の全方位的な抗議を受け入れたためと見られる。実際、ミッテ区は少女像の撤去を要求する公文書で「日本の各地域とベルリンの間に緊張関係を起こした」という点を挙げており、ステファン・フォン・タセル区長も少女像が韓日の対立に関連していると明らかにし「国家間の歴史論争で一方の肩を持つ事態を避けたい」と話した。当初、少女像を政治的に中立的な「芸術作品」と考えて1年間の一時設置を許可したが、そうではないという事実を遅れて確認したため、やむを得ず撤去決定を下したという趣旨の説明だ。少女像を日本軍「慰安婦」制度を通じて蹂躪された女性の人権を象徴する記念物として見るのでなく、韓日間の歴史葛藤の象徴物として把握したのだ。
 

 この過程で、日本政府の強力な外交的攻勢があったものと確認されている。加藤勝信官房長官は、少女像の設置事実が伝えられた直後の先月29日「撤去のために様々な関係者にアプローチし、日本の立場を説明するなどの行動に出る」と話した。さらに茂木敏充外相は、欧州歴訪中だった今月1日、時間を割いてドイツのハイコ・マース外交長官と予定になかった40分にわたるテレビ会談を進めた。茂木外相は6日、当時少女像の撤去を要求したかという質問に「話を交わした。ベルリンという街は東西分裂から一つのベルリンが生まれ、様々な人が行き交う共存する街になった。そのベルリンの街にそういった像が置かれることは適切ではないと思う」と述べた。日本政府は、慰安婦問題が韓日間の最大外交懸案だった朴槿恵(パク・クネ)政府時期に在外日本公館の最大任務として「少女像設置阻止」を挙げるほど、この問題に敏感に反応してきた。
 

 日本政府の積極的外交攻勢により少女像が撤去の危機に瀕して、韓国政府の立場は苦しくなった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先月16日、菅義偉新任首相に祝賀書簡を送り、「対話の門はいつも開いている。日本の積極的呼応を期待する」と述べ、史上最悪にまで悪化した韓日関係の改善に意欲を見せた。そのためか韓国のキム・インチョル外交部報道官は8日、定例ブリーフィングで日本政府の少女像撤去圧迫に対する質問を受けると「これを人為的に撤去しようと政府が関与することは問題の解決に決して役立たないし、日本が自ら明らかにしたことがある責任痛感と謝罪反省の精神にも逆行する」と批判しながらも、「民間の自発的な動きに政府が外交的に関与することは望ましくない」という留保的態度を維持した。外交部の当局者は9日ハンギョレに対し、政府の立場は「今日は表明されないようだ」と話した。
 

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/965147.html
韓国語原文入力:2020-10-09 13:05
訳J.S

 

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04 

独大学教授たちも「日本からの少女像撤去の圧力に対するドイツの態度に衝撃」
登録:2020-10-12 02:30 修正:2020-10-12 12:25

「日本の戦争犯罪否定」批判する2人のドイツ教授インタビュー


シュテフィ・リヒター独ライプツィヒ大学日本学科教授=リヒター教授提供//ハンギョレ新聞社

 

「日本政府の圧力に対応するドイツ連邦外務省とベルリンの責任者の態度に衝撃を受けた。(歴史をめぐって記憶闘争を展開する)右翼的ネットワークに対抗し、市民社会も超国家的ネットワークで対応しなければならない。こうした目標のためにも少女像はその場にあるべきだ」
 

 独ライプツィヒ大学日本学科のシュテフィ・リヒター教授は11日(現地時間)、ハンギョレの電子メールインタビューで、日本による「平和の少女像」撤去圧力に屈したドイツ外務省とベルリン市ミッテ区役所を強く批判した。リヒター教授は、日本の歴史教科書問題をはじめ、日本の新右翼修正主義に精通したドイツの日本学者だ。
 

 リヒター教授は「日本では1990年代半ばから、日本軍が犯した戦争犯罪を否定するいくつもの右翼団体が登場しているが、彼らは主に政治や外交の領域で活動している。2011年からの全世界の複数の場所で慰安婦像を撤去しようとする試み、最近のベルリンの少女像に対する圧力行使などは、この反動的ネットワークと関係がある」と指摘した。


 リヒター教授だけでなく、ドイツの多くの日本学者は、少女像をめぐる闘いは世界的に新右翼勢力が歴史をめぐって繰り広げている「記憶闘争」の一つだと指摘する。10月5日にライプツィヒ大学日本学科ホームページに、博士課程に在学中のドロテア・ムラデノバが上げた少女像撤去を批判する文章も、そのような認識を反映している。「慰安婦問題のことを両国間の外交政治的問題だと主張することは、女性たちに加えられた暴力の問題を無視する誤った考えである」



イルゼ・レンツ元独ボーフム大学社会学部教授=レンツ教授提供//ハンギョレ新聞社

 

 ナチスの美化がタブー視されるドイツでも、極端な右翼勢力は絶えず似たような試みを行っている。独ボーフム大学社会学科元教授のイルゼ・レンツさん(72)は11日、ハンギョレの電子メールインタビューで、なぜ少女像がドイツになければならないのかという質問に対し、「植民地主義と戦争暴力の歴史を持つドイツは、日本と似た問題に直面している」と説明した。
 

 レンツさんは「少女像は戦時性暴力と植民地主義を記憶しようとする記憶運動の象徴」だとし、「この暴力的な植民地時代の過去と、第2次世界大戦当時に東欧とロシアで起きた無数の性暴力を把握することこそ、私たちの課題」と述べた。レンツさんはまた「少女像の設置承認取り消しは、日本政府の外交的圧力に加えて、ベルリン市が慰安婦問題と戦時性暴力問題をきちんと知らないために起きた容認できない事件」と強く批判した。
 

 ただし、レンツさんは日本の保守政府の責任と過去の歴史を正す日本の市民社会の努力は区分しなければならないという点を指摘した。「重要なのは韓日間の対立ではない。戦争性暴力に対抗して正義を守ろうとした日本人も多い。私たちは戦争性犯罪に対する論争を抑圧する現在の日本政府と、戦争と性暴力を支持しない日本人を区別しなければならない」
 

ベルリン/ナム・ウンジュ通信員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965343.html
韓国語原文入力:2020-10-11 12:54
訳D.K

 

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05 

ベルリン「平和の少女像」撤去の危機にドイツ市民も請願運動
登録:2020-10-12 03:57 修正:2020-10-12 07:36

大統領府の国民請願掲示物、非公開状態にも関わらず3000人ほどが同意 
ドイツのウェブサイトでもドイツとオーストリアの市民を中心に1555人が署名 
正義連「市民の合意の中で建てられた少女像…国連に書簡を送る」



ドイツのベルリン市ミッテ区に立てられた「平和の少女像」=コリア協議会のウェブサイトよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者を偲ぶためにドイツのベルリン市ミッテ区に立てられた「平和の少女像」が撤去の危機に瀕すると、韓国に続きドイツ現地の市民も撤去反対の請願運動を始めた。
 

 11日、「ベルリン平和の少女像撤去反対請願」が投稿されたドイツ語の署名運動ウェブサイト(www.petitionen.com)によると、同日午後までに1555人が撤去反対の請願に署名した。韓国とオーストラリア、米国から署名した70人を除くと、全てドイツとオーストリアに在住する市民の署名だ。請願人は「反日運動ではなく平和共存という明確な意図にもかかわらず、日本政府は外務省、ベルリン上院およびミッテ区庁に銅像を除去するよう圧力をかけた」と指摘した。
 

 この日、正義記憶連帯(正義連)も声明を出し、「日本政府と右翼団体の少女像撤去の圧力とドイツのベルリン市ミッテ区の撤去公文書が、日本軍性奴隷制問題を記憶するための努力をさげすみ、表現の自由を侵害した」と糾弾した。正義連は「市民の合意の中で建立された少女像に対する日本政府と右翼団体の撤去要求は、ベルリン市民の努力をさげすむこと」だとしながら、「国連の表現の自由・女性暴力・文化圏特別報告官に書簡を送った」と明らかにした。また、正義連はミッテ区庁の住所とメールアドレスを公開し、「少女像撤去反対」の手紙とEメールを送る運動をしている。
 

 これに先立ち9日、大統領府の国民請願掲示板にも「日本政府の外圧により撤去の危機に瀕しているベルリンの平和の少女像」という題名の請願が、100人の事前同意を得て投稿された。請願人は「純粋な民間団体の活動により、地域の自治機関と様々な女性人権団体が連帯し、ドイツで初の公共場所にようやく立てられた少女像が、日本政府の外交力により弾圧されている」とし、「韓国も政府レベルで出る時です。これは単なる外交的問題ではなく、『国の品格』の問題」だと政府の措置を促した。現在、この請願は管理者が内容を検討中のため掲示板に表示されていないが、外部リンクから流入した者を含め、この日までに3511人の同意を得た。
 

 ベルリンのミッテ区庁は7日、ベルリンの少女像設置を主管した韓国系市民団体のコリア協議会(Korea Verband)に、14日までに少女像を撤去せよという内容の公文書を送った。この公文書には「ミッテ区が韓国と日本の間に対立を起こし、日本に反対する印象を与える。一方的な公共場所の道具化を拒否する」という内容が記された。ミッテ区の少女像撤去の公文書発送は、日本政府がドイツ政府にベルリンの少女像を撤去するよう要請した後、幾日もたたず行われたことが分かった。
 

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/965278.html
韓国語原文入力:2020-10-11 15:27
訳M.S

 

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06 

裁判所に行った“ベルリンの少女像の運命”

登録:2020-10-12 04:07 修正:2020-10-13 18:25

 

ドイツのミッテ区「14日までに撤去」命令 
コリア協議会、効力停止申請と異議申し立て 
正義連、国連に「撤去反対」書簡送る



先月28日(現地時間)、ドイツ・ベルリンに設置された平和の少女像=コリア協議会提供//ハンギョレ新聞社

 

 ドイツのベルリン市に設置された平和の少女像の撤去の議論は、結局、訴訟により決着がつけられることになった。
 

 少女像の設置を主導したドイツのコリア協議会は12日(現地時間)、行政裁判所に少女像撤去命令の効力執行停止の申請を、ミッテ区には行政異議を提起する予定だと、ハンギョレに11日に明らかにした。
 

 少女像が位置するミッテ区庁は7日、許可取消の公文書を送り、14日までに市民団体自らが撤去しなければ、市が撤去に乗り出すと伝えた。異例に早い行政処分に歯止めをかけるため、市民団体の対応も緊迫している。区庁と裁判所の決定まで数週から数カ月までの時間を要すると予想され、目前に差し迫った撤去は防げるとコリア協議会は期待している。


 コリア協議会のハン・ジョンファ代表は「ミッテ区のシュテファン・フォン・ダッセル区長は報道資料で、少女像を承認した都市空間および建築芸術審査委員会は慰安婦問題を巡る韓日対立を全く知らなかったかのように語っているが、申込書でも何枚にもわたり説明した。最初の許可手続きに問題がないだけに、このまま立てておくことを主張する法的根拠は十分にある」と主張した。



先月28日(現地時間)、ドイツ・ベルリンに設置された平和の少女像=コリア協議会提供//ハンギョレ新聞社

 

 少女像設立の際、市の委員会がまず1年の設置を許可し、「公共の利益に反する場合、いつでも撤去できる」という但し書きを付記したため、訴訟ではこの点が最大の争点になる見込みだ。しかしハン代表は「少女像は地域共同体コミュニティのレウニオンの後援により立てられ、これまで日本人を含む地域住民の誰一人として反対の意思を明らかにしていない」と伝えた。
 

 ドイツのオンライン新聞「ベルリナー・ツァイトゥング」は「日本政府がこのような記念碑を撤去せよと要求するこのような状況自体が、なぜこの銅像がなければならないのかの理由を示している」と報道した。また、別のオンライン・オルタナティブメディアの「ターゲスツァイトゥング」(TAZ)は、ある市民の寄稿文で「外務省がミッテ区の市政に介入した」と批判した。地方自治が確固としているドイツでは、行政府が自治体に圧力を行使したという点も議論の的だ。
 

 コリア協議会を始めとするドイツの女性・市民団体がミッテ区の前でデモを行う予定の中、少女像撤去に反対するドイツ市民社会の請願も始まった。11日、「ベルリン平和の少女像撤去反対請願」が投稿されたドイツ語の署名運動ウェブサイト(www.petitionen.com)によると、同日午後までに1555人が撤去反対の請願に署名した。
 

 韓国の正義記憶連帯(正義連)も国連の表現の自由・女性暴力・文化圏特別報告官に書簡を送る一方、ミッテ区庁の住所と電子メールアドレスを公開し、「少女像撤去反対」の手紙と電子メールを送る運動を始めた。
 

ベルリン/ナム・ウンジュ通信員、チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965267.html
韓国語原文入力:2020-10-12 02:15
訳M.S

 

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07 

シュレーダー元ドイツ首相夫妻、「平和の少女像」撤去反対運動に参加
登録:2020-10-13 01:02 修正:2020-10-13 06:38

妻のキム・ソヨンさん、ベルリン市ミッテ区役所に手紙


2017年9月、自伝の出版をきっかけに韓国を訪問したドイツのシュレーダー元首相が妻のキム・ソヨンさんと共に文在寅大統領に会った=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 

 ドイツのゲアハルト・シュレーダー元首相と韓国系の夫人のキム・ソヨンさんが、ドイツのベルリン市に設置された「平和の少女像」の撤去反対運動に加わった。
 

 キム・ソヨンさんは11日(現地時間)、ベルリン市ミッテ区役所に少女像をそのまま維持してほしいという手紙を送ると共に、その全文を自分のフェイスブックで公開した。キムさんはこの手紙で「平和の少女像の撤去決定は理解し難い」とし、「これは、残忍な暴力の犠牲者である『慰安婦』ハルモ二(おばあさん)たちの苦痛に背を向ける決定」だと指摘した。

 キムさんはまた、「私は夫とともに韓国で高齢の(慰安婦)生存者に会った」とし、「日本政府が残忍な戦争暴力の歴史を清算するどころか、沈黙するよう圧迫するのは歴史を妄覚すること」だと付け加えた。彼女はさらに「ドイツはナチスの歴史を清算することにより世界から尊敬されている」とし、「ドイツの官庁が日本の戦争犯罪の隠蔽に加担してはならない」と指摘した。
 

 キムさんは「夫とともにベルリンのミッテ区役所が平和の少女像の許可をそのまま維持するよう丁重に要請する」と書いた。
 

シン・ギソプ選任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965398.html
韓国語原文入力:2020-10-12 18:48
訳H.J

 

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08 

日本軍「慰安婦」被害者の人生を描いた『草』、マンガ界のオスカー「ハーベイ賞」受賞
登録:2020-10-13 05:21 修正:2020-10-13 07:38

「米国で『慰安婦』イシュー化することに貢献できて嬉しい」


作家のキム・グムスク氏//ハンギョレ新聞社

 

 日本軍「慰安婦」被害者の人生を描いた作家のキム・グムスク氏のグラフィックノベル『草』(日本語版『草 日本軍「慰安婦」のリビング・ヒストリー』)が、マンガ界のオスカーと呼ばれるハーベイ賞の最高国際図書部門の受賞作に選ばれた。韓国の作家がこの賞を受けたのは初めて。受賞作の発表は9日午後5時(現地時間)、米国でオンラインで実施されたマンガイベント「ニューヨーク・コミコン」で行われた。
 

 キム氏は12日、ハンギョレの電話インタビューで「日本の問題が絡んでいることでも、この本が米国でイッシュー化され、とても感謝している。今回の受賞で、韓国では興味本位だけで扱われているグラフィックノベルというジャンルの地位を、一段階格上げさせることに貢献できたようで嬉しい」と述べた。



『草』の英語版とフランス語版の表紙(左側から)//ハンギョレ新聞社

 

 彼女は9日の公式受賞の感想を通じ、「草は抑圧される女性たちの声を代弁し、また、人間がトラウマを持ち、どのように生きていくのかに対する話」だとしながら「イ・オクソンさんを含む日本軍性奴隷として生きなければならなかった他の女性たちは、多くの危険を甘受し、自身が経験した恐ろしいことを世の中に公開した。彼女たちの人生の意志が、私たちが人類を信じることに役に立つことを願う」と明らかにした。
 

 2017年に出版された『草』は国外で大きな関心を集めた。昨年、フランスの進歩派の日刊紙「リュマニテ」が選定する「第1回リュマニテ・マンガ賞」で審査委員特別賞を受け、英国の「ガーディアン」と米国の「ニューヨーク・タイムズ」がそれぞれ2019年のベストグラフィックノベル、ベストコミックにこの本を選定した。
 

 キム氏は先月末に離散家族の苦痛を扱った新作『待つ』を出版した。キム氏はこれについて「海外有数の出版社の提案をすべて断り、本当に心血を注いで作った作品」だとした。『待つ』は来年、英語とフランス語で翻訳・出版される予定だ。
 

チェ・ユナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/965473.html
韓国語原文入力:2020-10-13 02:39
訳M.S

 

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09 

独当局「ベルリンの少女像」撤去、見直しの意向示す
登録:2020-10-14 05:04 修正:2020-10-17 15:25

「訴訟で撤去に時間かかる…連邦・州政府がともに討論すべき問題」 
13日昼、現地住民や在独韓国人ら約300人が少女像を守るためのデモ 
社民党や緑の党、左派党など区議員の過半数が「撤去命令の見直しを」 



今月13日(現地時間)、ドイツ・ベルリンのミッテ区役所前で、同区による「平和の少女像」撤去命令に抗議するデモが行われた。約200人が参加した中、ドイツ市民がウクレレ公演を行っている=ベルリン/聯合ニュース

 

 ドイツ・ベルリンの「平和の少女像」(少女像)の撤去命令を下したミッテ区長が事実上、撤去計画を見直す意思を明らかにした。
 

 平和の少女像の設置を主導したドイツと韓国の市民団体であるコリア協議会は13日(現地時間)、ベルリンで少女像を守るためのデモを行った。約300人のデモ隊はドイツ語で「ベルリンは勇気を出せ、少女像はその場にいるべきだ」と掛け声をあげながら、少女像前からミッテ区役所まで30分間にわたりデモ行進をした。
 

 ミッテ区のシュテファン・フォン・ダセル区長は同日、区役所前で予告なしに現れ、デモ隊を迎えた。国際連帯のための人権団体と反性暴力団体のメンバーらが「少女像の存立理由」について発言すると、ダセル区長は主催側に自由発言を申し込んだ。「少女像の存立を要求する人々の話を聞き、状況をよく把握した」としたうえで、「昨日、コリア協議会が訴訟(撤去命令効力執行停止申立て)を起こしたため、いずれにせよ撤去には時間がかかる。その間、共に討論したい」と述べた。彼は「ドイツと日本の外交関係があるため、日本政府の抗議を無視するわけにはいかない」とし、「ミッテ区だけの問題ではなく、ドイツ連邦とベルリン-ブランデンブルク州政府がともに討論しなければならない問題」だという見解を示した。



今月13日(現地時間)、ドイツのベルリンで現地住民やドイツ在住の韓国人ら約300人が「平和の少女像」の撤去命令に抗議し、ミッテ区役所まで街頭行進を行っている=ナム・ウンジュ通信員//ハンギョレ新聞社

 

 これに先立ち、社会民主党所属のミッテ区議員らが12日、ミッテ区に少女像の撤去計画の見直しを要求したのに続き、13日も集会が開かれる前に区長が所属している緑の党や左派党の議員らミッテ区議員の過半数以上が、ダセル区長に撤去の見直しを求める意見を伝えたことが分かった。
 

 ミッテ区は今年7月、都心に少女像の設置を許可した。しかし、先月28日の除幕式後、日本政府が少女像の撤去を要請したことを受け、7日に撤去命令を下した。表面的には第2次世界大戦当時、日本軍がアジア太平洋全域で女性を性的奴隷として強制的に連れて行ったなど、碑文の内容が問題になった。撤去期限は今月14日で、少女像の設置を主管するコリア協議会は前日、ベルリン行政裁判所に撤去命令効力執行停止申請を出した。コリア協議会のハン・ジョンファ代表はハンギョレの取材に「碑文の内容が主な争点になりそうだ」とし、撤去命令の撤回のため一部の文言の修正などを検討できるという立場を明らかにした。


今月13日(現地時間)、ドイツのベルリンで現地住民やドイツ在住の韓国人ら約300人が「平和の少女像」の撤去命令に抗議し、ミッテ区役所まで街頭行進を行っている=ナム・ウンジュ通信員//ハンギョレ新聞社
 

ベルリン/ナム・ウンジュ通信員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965660.html?_fr=mt2
韓国語原文入力:2020-10-1402:46
訳H.J

 

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「戦時性暴力、表現の自由」…ベルリンの少女像の運命を変えた市民の力
登録:2020-10-15 03:01 修正:2020-10-15 06:53

裁判所の審理の間に「撤去でなく妥協」 

人権を前面に掲げる市民団体が説得 
「韓日の歴史を超えた普遍的な人権問題」 
緑の党や女性団体などがデモ参加を主導 
日本人女性、少女像の前でひざまずいて謝罪も 

少女像、今後の行方は? 
現地メディアによる連日の報道で関心高まる 
行政裁判所の仮処分判断に注目 
「性奴隷」などの碑文の内容で妥協の余地



13日(現地時間)、ベルリン市では200人あまりの市民が集まり、少女像撤去決定に抗議する集会が開かれた。集会には少女像の建立を主導した諸団体、女性人権団体、少数民族団体が参加した=ベルリン/ナム・ウンジュ通信員//ハンギョレ新聞社

 

 「(行政裁判所が平和の少女像撤去命令の効力停止の可否を決定するまでの間)私たちはこの複雑な論争にかかわるすべての活動家の主張を、原点に立ち返って改めて熟考するつもりだ」
 

 13日午後2時(現地時間)、ベルリンの「平和の少女像」撤去反対のデモ現場で、7日に少女像撤去命令を下したミッテ区のシュテファン・フォン・ダッセル区長が、予告になかった自由発言で妥協の意志を明らかにした。韓-独の市民団体「コリア協議会」が撤去命令停止の仮処分を申請したことで撤去が保留となっている間に、解決策を模索しようとの趣旨だ。フォン・ダッセル区長の一言で、デモの現場は一瞬にしてお祭りムードとなった。
 

 フォン・ダッセル区長は「韓国はもちろん、日本も満足できる妥協案があることを願う」とし「熟考」の意味を説明した。7日の撤去命令時に、ミッテ区役所は「第2次世界大戦当時、日本軍がアジア・太平洋全域から女性を性的奴隷として強制的に連れていった」との裏面の碑文の内容を問題視したことから、碑文の修正などの折衷案を探ることになるだろうとの観測が出ている。コリア協議会のハン・ジョンファ代表はハンギョレに対し「碑文の文句が主な争点になりそうだ」とし、撤去撤回のためには一部の文句について修正などを検討しうるとの立場を明らかにした。
 

 今後の交渉は順調なばかりではないと思われるが、今回の事態は緑の党などに少女像支持勢力を形成する契機となったとみられる。過去にも、日本の極右団体の圧力に対し、市長と市会議員の支援を得て少女像の存置を決めた米国のグレンデールの例がある。


 ミッテ区役所が少女像の撤去から再検討へと態度を変えた背景には、平和の少女像問題を韓日の外交問題や反日民族主義ではなく、戦時性暴力や表現の自由などの普遍的人権の観点からアプローチした市民団体の説得戦略がある。ドイツの現地メディアの報道を総合すると、世論が急激に撤去の見直しへと傾いたのは、地域区とベルリン市議会が、日本による少女像撤去圧力を「表現の自由に対する抑圧」と判断してからだった。
 

 デモ前日の12日、社会民主党ミッテ地域委員会が過半数の賛成により、少女像撤去決定を再検討するための公開討論会を提案した。13日のデモ直前には、ベルリン市緑の党から、緑の党所属のフォン・ダッセル区長の少女像撤去決定に対して強い批判が起こった。緑の党所属の市議会議員グループの報道担当者ラウラ・ノイゲバウアー氏は、ベルリン・ブランデンブルクのあるラジオ番組のインタビューに応じ、「フォン・ダッセル区長の決定は、緑の党の価値を誤って伝えた。緑の党は芸術の自由を擁護し、強制性労働の被害者と連帯する」と述べ、少女像を再び許可するよう求めた。緑の党の市議会議員の一部はデモに参加した。


 また、ベルリン市の連立政権を構成する緑の党と社会民主党が少女像を支持したのには、「少女像は戦時性暴力犯罪の象徴」との認識が広がっていることも大きく影響している。ベルリンの少女像は建立過程から、反日ではなく反戦、反性暴力をテーマとし、女性団体や少数民族だけでなく日本女性たちの参加も引き出している。



13日(現地時間)、ベルリンで開かれた少女像撤去の撤回を求める集会は連帯の場となった。同日のデモで、あるドイツ市民が少女像撤去に反対する発言を行っている=ベルリン/ナム・ウンジュ通信員//ハンギョレ新聞社


 13日のデモの前に開かれた記者会見には、ヒロコ・チェアドリク・ノジンさんら3人の日本人女性が出席し、少女像の建立を妨害した日本政府の行為に憤りを感じるという立場を表明した。ベルリンに住む日本人タキタ・マコトさん(50)はこの日、「日本軍による性犯罪の被害者に謝罪する」として、少女像の横でひざまずいた。タキタさんはハンギョレのインタビューで「韓国だけでなく、様々な国の日本軍による被害者に対する罪の意識がとても大きく、心が苦しくて謝罪せずにはいられなかった」と話した。



緑の党所属のベルリン市議会議員ベネディクト・ルクスはこの日のデモに参加し、デモの様子をツイッターで伝えた=ベネディクト・ルクス市議会議員のツイッターより//ハンギョレ新聞社

 

 撤去期限の14日を翌日に控え、九死に一生を得た少女像に対するドイツメディアの関心も高まっている。『ジュートドイチェ・ツァイトゥング』『ディ・ヴェルト』などのドイツの全国紙は、オンライン版で「少女像、当面の存置決定」と題する地域通信ニュースを掲載した。ベルリン市のホームページは市政ニュースに、少女像撤去反対デモのニュースと、以前ドイツで少女像が設置され、日本の反対にあった複数の例を詳しく紹介した。
 

 ベルリン地域のいくつかのメディアは「記念碑戦争」との見出しで、この日のデモを主要ニュースとして報道した。『ベルリナー・ツァイトゥング』は「ビスマルクの銅像などの加害者記念碑の撤去論争の真っ最中のベルリンで、被害者の記念物を解体しようとの珍しい論争が起こっている」とし「今後、行政裁判所が表現の自由に関し、今回の事態に対してどのような判断を下すか注目される」と述べた。
 

ベルリン/ナム・ウンジュ通信員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/965737.html
韓国語原文入力:2020-10-14 15:37
訳D.K

 

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[寄稿] 国境を越える韓民族ディアスポラ、多文化アイデンティティ
登録:2020-10-15 03:02 修正:2020-10-15 12:19


仁川市や京畿道安山市など、様々な文化が混じり合う地域が大幅に増えてきている。写真はソウル永登浦区大林洞のチャイナタウン=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 

 「中国では朝鮮人として暮らしていたのに、韓国に来たらしょっちゅう中国人だと言われるんですよ」。中国朝鮮族の教え子が愚痴るように言った。「韓国人を差別する日本で堂々と生きていこうと思って『本名宣言』までしたのに、韓国に来たら言葉がおかしいと言って『半日本人』扱いされるんです」。在日同胞3世の教え子も心の傷を打ち明けた。「高麗人の母親と幼い頃に韓国に来て(小中高と)学校に通ったんですが、父親がアルメニア人なので、同胞ではないから出国しろって言うんです。そのくせ、父親が高麗人で母親が他の民族の友達は同胞だと言うんです」。高麗人(旧ソ連地域に暮らす朝鮮半島出身者とその子孫)4世の青年が理解できないと言って憤った。北朝鮮の軍人たちの死体の写真を見せながら、「お前、こんなの見ると悲しいのか」と言って嫌がらせする職場の同僚のせいで腹が立ったという脱北青年もいた。今日、韓国社会で共に暮らす他国出身の同胞たちがよく遭遇する重い現実だ。


 国境を越える韓民族の移住と離散の歴史は、朝鮮王朝末期に生きる道を求めて満州や沿海州、ハワイやメキシコへと旅立った人々から始まった。日帝によって土地を奪われて北間島(プクカンド)や西間島(ソガンド)に移住した人たち、独立闘争をするために海外に亡命した人たち、侵略戦争の道具として徴兵、徴用で、あるいは慰安婦として、サハリンや北海道、九州の炭坑や南太平洋の島々に連行された人たちが後に続いた。日帝が敗れた時、当時の韓民族の構成員の約5分の1は朝鮮半島を離れていた。解放後も彼らの多くは祖国に帰れず、周辺の大国の国民になったり、無国籍の少数民族になったりした。
 

 新たな国境と東アジアの冷戦体制に阻まれて帰れなかった人々は、居住する国の性格によってそれぞれ違う名で呼ばれる存在となった。「在日同胞」は日本帝国の「臣民」として戦場や工場へと連れて行かれた人々だ。戦争に敗れると、日本は彼らを他民族出身だとして「外国人」「第三国人」「難民」の身分とした。日帝がサハリンに送った韓人たちは、ソ連の地となったかの地で「無国籍者」として抑留された。日本人はみな本国に帰ったのに、「サハリン同胞」は帰れなかった。ロシア沿海州から中央アジアの砂漠へと強制移住させられた「高麗人」は、ソ連の解体によって独立した国々の少数民族となった。満州に行った人々は中華人民共和国の樹立に伴って「朝鮮族」という少数民族の中国国民となった。


 単一民族神話によって「韓民族」は同質の血統、言語、歴史を持つ一つの文化集団と俗に考えられているが、実際は様々な文化的特性を持つ。特に、解放後に分断された二つの国家と、朝鮮半島の歴史に介入した周辺の大国に編入されて暮らしてきたことで、それぞれ異なる「国民」としてのアイデンティティを持つようになった。「韓民族」とは、「民族」のアイデンティティを共有しながらも、異なる歴史を経験し、言語や文化の多様性も同時に持つようになった人たちだ。


 冷戦終結後、韓民族の構成員たちは様々な境界を乗り越え、交流と再移住を行っている。現在、韓国社会に居住する外国人の約半数は、周辺の大国の少数民族として暮らし、最近になって再移住してきた韓民族の同胞たちだ。しかし、彼らに対する法規定だけでなく、彼らの社会的地位も大きく異なる。北朝鮮出身の住民とサハリンから帰還した高齢者は直ちに大韓民国の国民となるが、その他の同胞は出身国の経済力によって様々な規制と差別の対象となる。さらには、法的に国民資格を回復した同胞でさえ、依然として「私たち」ではなく「彼ら」、「周辺人」、「境界人」、「2等市民」と考えられている。同胞に対する差別は他の外国人に対する差別と似ていながらも、いっそう深刻な傷を残す。韓国社会において彼らが主観的に感じる差別は、多文化移住民集団の中で最も強いという。何と申し訳ないことだろう。


 不幸な20世紀に、多くの韓民族の構成員は植民と戦争、冷戦と離散によって、屈折した人生を強いられながら生きた。しかし彼らは、単に国境に閉じ込められた被害者だったわけではない。無数の人々が国家の統制を乗り越えて、戦略的かつ実践的に国境を行き来し、国家を超越した民族の歴史を切り開いてきた。もはや民族、国民(国家)、文化を同一視し、その一致を理想化してきた単一民族国家の固定観念と、国家を中心とする偏狭な「国史」概念は克服すべき時期に来ている。


 境界をまたぐ超国家的移動が普遍化しているこの時代に、民族、国民、住民の複合的性格と多様なアイデンティティを新たに認識し、尊重することは非常に重要だ。韓民族の超国家性に対する理解と多文化アイデンティティの尊重は、平和な共存のための基本的な要件だ。これは韓国と北朝鮮、両国の構成員の相互理解と文化統合のためにも絶対に必要となる。


  //ハンギョレ新聞社


チョン・ビョンホ|漢陽大学文化人類学科名誉教授 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/965765.html
韓国語原文入力:2020-10-14 17:20
訳D.K

 

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[全文]慰安婦被害者のイ・ヨンスさん「『良心の首都』で少女像撤去してはならない」
登録:2020-10-15 06:59 修正:2020-10-15 07:53

14日、国会本館前で記者会見 
「少女像は韓国の被害者だけのためのものではない」 
駐韓ドイツ大使館に直筆声明文を届ける



イ・ヨンスさんが今月14日、国会で記者会見を開き、ベルリン平和の少女像撤去に反対した。同日の記者会見には、イ・ナヨン正義記憶連帯理事長(左)とヤン・ギデ共に民主党議員(右)も出席した/聯合ニュース

 

 「イ・ヨンスの所信で、平和の少女像の撤去を主張することは絶対にあり得ません」。
 

 14日、日本軍「慰安婦」被害者であり、平和人権運動家のイ・ヨンスさんが、ドイツのベルリンに設置された「平和の少女像」(少女像)を撤去しないでほしいと訴えた。当日、国会本館前の噴水台で開かれた記者会見に出席したイさんは「日本と同じく第2次世界大戦の敗戦国だが、ドイツは日本と違って、歴史を反省し、その過ちを正してきた国」だとし、「世界の良心の首都というべきベルリンで少女像が撤去されることがあってはならない」と述べた。イさんは「ドイツの少女像は韓国の被害者だけのためのものではない」と声を高めた。さらに「2007年、米ワシントンでオランダの被害女性(ヤン・ルーフ・オヘルン)と手を取り合って雪を見ながら『私たちは同じ被害者』と言い、涙を流したことがある。オランダやアジアの被害者のためのものでもあり、(平和の少女像が)ベルリンに設置されなければならない」と述べた。
 

 今回の記者会見は、ベルリン市ミッテ区が今月8日、「韓国と日本の歴史的な問題から、片方(の立場)に立つのは避けるべきだ」として、少女像の設置許可を取り消し、14日までに撤去を要求していることに抗議するために開かれた。ただし、ベルリンの少女像は地元市民団体の反対で撤去決定が保留された。
 

 イさんはドイツに向かって「少女像は歴史の証拠」だとし、「被害者たちの痛恨と悲しみであり、後世の教育の心臓である少女像の撤去を主張するのは悪い行動」だと再三強調した。
 

 同日の記者会見には、イ・ナヨン正義記憶連帯理事長とヤン・ギデ共に民主党議員も出席し、少女像の撤去を糾弾した。彼らは記者会見後、イさんとともにソウル中区(チュング)にある駐韓ドイツ大使館を訪れ、少女像撤去の撤回を求める声明文を渡した。ヤン議員は「平和の少女像は単なる造形物ではなく、戦争性暴力と植民地主義を記憶し、そのような歴史が繰り返されないようにする歴史立て直しの象徴」だとし「ベルリン市ミッテ区が撤回決定を下すことを期待する」と述べた。
 

 以下はイさんの声明文全文。
 

イ・ヨンスの所信により世界の歴史と人権問題解決の象徴である「平和の少女像」の撤去を主張することは、絶対にあり得ません。この重要な歴史の証拠である少女像の撤去を主張するのは悪い行動です。 歴史の罪人であります。少女像は被害者のハルモ二たちの痛恨と悲しみであり、後世の教育の心臓です。ドイツは日本と同じく第2次世界大戦の敗戦国ですが、日本とは違って、歴史を反省し、その過ちを正すことに先頭に立ってきた国です。世界の良心の首都というべきベルリンの少女像は、撤去されてはなりません。
 

2020年10月14日
 

イ・ヨンス


イ・ヨンスさんの直筆声明文=ヤン・ギデ議員室提供//ハンギョレ新聞社


ペ・ジヒョン記者(お問い合わせjapan@hani.co.kr)
 

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/965766.html
韓国語原文入力:2020-10-14 17:32
訳H.J

 

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日本政府「ドイツ司法の手続きを見守る」

登録:2020-10-15 07:01 修正:2020-10-15 09:23


「少女像撤去」に向けた全面的な外交戦にブレーキ 
妥協案模索の過程に積極的に介入する見込み



加藤勝信官房長官=東京/時事通信・聯合ニュース

 

 日本政府はドイツ・ベルリンの「平和の少女像」(少女像)撤去命令が保留されたことに対し「ドイツ国内の司法手続きであり、今後の動きを見守る」とし、慎重な反応を見せた。


 加藤勝信官房長官は14日午前、定例会見で、前日にベルリンのミッテ区が明らかにした「少女像撤去命令の見直し」の立場について質問を受け、このように述べた。加藤官房長官はさらに、「これまで日本政府は慰安婦問題に対する日本政府の考え方や取り組みを様々な形で説明してきた」とし、「国際社会から正当な評価を受けるよう努力を重ねたい」と強調した。


 日本政府は、少女像撤去命令の撤回ではないという点に重点を置くムードだ。独・韓市民団体の仮処分申立てに対する裁判所の決定が出るまで、ミッテ区側が少女像の撤去を見合わせただけという認識だ。ミッテ区のステファン・フォン・ダセル区長が韓日両国が満足できる妥協案を模索する意向を明らかにしただけに、この過程で日本政府の立場を積極的に主張するものとみられる。


 日本は、ミッテ区に少女像が設置されてから、(撤去に向けて)全面的な圧力に乗り出した。茂木敏充外相がドイツのハイコ・マース外相とのテレビ電話会談で少女像の撤去を要請しており、2015年に韓日間で日本軍「慰安婦」問題が最終的かつ不可逆的に解決されたと強調した。日本政府は少女像の制作を支援してきた韓国正義記憶連帯の会計不正疑惑までドイツ側に説明したという。
 

キム・ソヨン記者(お問い合わせjapan@hani.co.kr(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
 

https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/965758.html
韓国語原文入力:2020-10-15 02:31
訳H.J

 

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