【2回目】海街diary (@第25回 TAMA CINEMA FORUM) | ヤンジージャンプ・フェスティバル

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…遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん…
  

さて、2015年の多摩映画祭。今回の2本目はこちらの作品の上映。

8月に鎌倉に行った帰りに観て、静かな感動に包まれたこの作品。
久々にあの四姉妹に逢えるのを楽しみにしていました!

では、まずはあらすじの紹介です。

【あらすじ】
まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。15年前に父は家族を捨て、母も再婚して家を去った。父の葬儀で三姉妹は腹違いの妹すず(広瀬)と出会う。頼りない義母を支え、気丈に振舞う中学生のすずに長女の幸(綾瀬)は思わず声をかける。「鎌倉で一緒に暮らさない?」

4人で始める新しい生活。それぞれの複雑な想いが浮かび上がる……。

(第25回 TAMA CINEMA FORUM公式サイトより)

いやー。やはりいいですねこの作品。

本当にいつまでも観ていたい作品ですし、この作品の後の登場人物たちの人生をずっと追いかけて行きたいなぁ・・・と思わずにはいられない、そんな作品でした。

前回観た時にはそれほど感じなかったのですが、この作品。
過去に生きていたであろう、登場人物たちの先祖、そしてこれから生まれてくるであろう、登場人物たちの子孫たちの姿がスクリーンに映し出されているような・・・・。
もっといえば、作品の舞台である「海街(鎌倉)」の過去や未来の風景までが見えてくるような、そんな作品だなぁ・・・と、感じました。

登場人物たちがそれぞれ抱えている葛藤や心の闇。
そして、彼らが家族や親族、そして周囲の人々に対して抱いている嫌悪感や、ちょっとした不満。

そんなこんな。内に対して、外に対して、さまざまな負の感情を抱いていても、そのウラには、負の感情以上に、周囲の人物や、今生きている土地や、周囲の物事やらに対して、深い親愛の情を抱いている。

そして、そういう感情たちは、きっとそれぞれの祖先たちが抱いていた感情と同じ。

その想いは、土地にも、建造物にも、町にも、そこに住む人々にも、いろいろな影響を与え、長い年月をかけて、その土地ならでは、その土地に生きる人々ならではの特徴を形作っていき、それが歴史となり、文化となる・・・・・。

この作品を観ていると、そんなことが頭に浮かんできました。

そう考えると、結局のところ、彼ら(や僕ら)が生きている「いま」というのは、過去の人物たちが生きてきた時間の積み重ねに過ぎないのかもなぁ・・・なんてことを、さりげなく気づかせてもらえたような気分。

パッと見は地味で、ふんわりした作品なのですが、実は恐ろしく深いテーマを隠し持っている作品だったのだなぁ・・・と、改めて気づかされた、2回目の鑑賞でした!
(2015年11月21日 パルテノン多摩・大ホールにて鑑賞)