先日、このブログの数少ない熱心な(?)読者である、Mさんという女性とお会いする機会がありました。
僕が、まだ独身であることを告げると、Mさん(註:人妻)は…
「若い女子が興味を持つような内容のブログを書いて、知り合うきっかけを作ればいい。」
…と言います…。
おお、なるほど!
ブログにそんな利用法があるとは思ってもいませんでした。
…というわけで……
レッツ・婚活なう!
Mさん(註:ちなみに僕の母親です)のアドヴァイスに従って、先日オープンしたばかりのナウでトレンディなスポットにお出かけ………
………と、思ったのですが、どうにも気分が乗らず…。
やって来たのは、小田原にある老舗のホール「小田原市民会館」。
今日は大好きな噺家の柳家三三さんの落語会があるのです。
いつもはもっと小さな会館で開催される、この落語会。
今回は会場を広い場所に移し、ゲストも一人増やしての開催です。
さて、本日の演目はこんな感じ…。
……むぅ、興奮のあまり写真がすっかりピンボケしてますな…。
これじゃ判らないでしょうから、改めて演目のご紹介です。
「寄合酒」 春風亭正太郎
「松山鏡」 柳家三三
~ 仲入り ~
粋曲 柳家紫文
「薮入り」 柳家三三
1番目の正太郎さんが、二つ目とは思えない堂々とした噺っぷりだった…とか、紫文さんのロックミュージシャンっぽい立ち姿が粋だった…とか、色々と言いたいことはあるけれども、今回はとにかく三三師匠の「薮入り」!それに尽きます!
この「薮入り」という噺。
始めて聴いたのは、三三さんの師匠である柳家小三治師匠のCDでのこと。
幼いうちから奉公に出した息子に久々に会える…という、薮入りの日(註:奉公人が年に2度だけ与えられた休日)を迎える親子の一日を描いたこの作品。
親子の情愛をしみじみ感じさせる前半部分でしっかりと泣かせて、後半ではしっかり笑いをとる…というコンストラストが素晴らしいこの作品が、独特の語り口で語られるもんだから、たまらない…。
…そんなわけで、始めて聴いたときからすっかり虜になってしまったこの作品。
その後、何度も何度もCDで聴きまくったものだから、僕のアタマの中ではすっかり
「薮入り = 小三治」
という図式が成立。
………ということは、この噺に対するハードルがすっかり上がってしまっている…ということなんですよね。
何しろ、今やすっかり「名人」の名を欲しいままにする、小三治。
そんな方の「薮入り」が、僕の中では基準になってしまっている…ということは、小三治の「薮入り」以上に良い「薮入り」は、素晴らしい「薮入り」。
小三治の「薮入り」以下の「薮入り」はダメな「薮入り」…ということ。
…では、小三治以上に素晴らしい噺家さんが、今どれだけいるのか…というと……。
…というわけで今回、三三さんのマクラがどうにも「薮入り」に入りそうな流れだな…と気付いた瞬間にちょっと身構える僕。
しかしながら、僕のそんな思いはすっかり杞憂に終わったのでした。
いやー。
小三治師匠とはまた違った雰囲気の素晴らしい「薮入り」。
前半部分の泣かせパートはしっとりと、後半はいつもながらのハイペースでスッキリと笑わせる…という素晴らしい出来…。
いやはや…。
やっぱり、この人は本当にすげぇなぁ…と実感…。
今後の活躍がますます楽しみ…です!
そんなこんなで、すっかり大満足。
軽くなった足取りでもって、ついでに小田原城へお花見へ…。
思いの外、しっかりと咲いているサクラにすっかり満足…。
いやぁー。
今日は本当にいいものを観させてもらえた一日でした