マウスのスイッチはタクタイルが主流?
クリックスイッチ自体が耐久の限界を超えた場合は、マウスの買い替えは仕方のない事と言うべきでしょう。
私はオムロン製の「マイクロスイッチ」を交換用にストックしていますが、先日、ワイヤレスマウスを分解すると、クリックスイッチには全て「タクタイルスイッチ」が使われていました。 記事を書いたついでに、好みのナス型マウスはないものかと、Amazonの販売製品を色々漁っていたのですが、最近の売れ筋マウスのレベルでは、どうやら「タクタイルスイッチ」が主流になっている事に気付きました。
それは、マウス分解のYouTube動画や記事から判って来たことですが、私は2010年あたりのマウスデザインに執着していたので、このスイッチの変化に気付くのが遅れた様です。
ドスパラ「マウスボタン故障修理サービス」
以下は 2018年末の少し旧い記事ですが、PCショップのマウス修理サービスに関する記事で、同様のサービスは現在も継続している様です。
この記事で修理しているマウスは、2009年の製品でマイクロスイッチが使われていますが、記事の最後の方で「オムロンのマイクロスイッチ」に置換え可能な「Kailh製のタクタイルスイッチ」の事が書かれています。
このスイッチ換装に関しては色々な所で書かれていて、「Kailh製」というのがキーワードになっています。 どうやら「Kailh製のタクタイル」は、高さや位置がオムロンのマイクロスイッチに一致する様に作られている様です。 まあ、換装は別件としても、最近の汎用マウス(高級マウスは別)の多くに、「Kailh製のタクタイルスイッチ」が良く使われている様です。
疑わしい静音のニーズ
「タクタイルスイッチ」は「タクトスイッチ」と呼ばれる事もありますが、現在の静電機器、家電機器の大変多くの所で使われています。 このスイッチは1970年代からあるそうで、今世紀には完全に一般化していますが、マウスに使われ始めたのは比較的最近の様です。 おそらく、微細なクリック感が問題視され、また耐久性が他の使用場所より要求され、それに応える製品が無かったのではと思います。
私の推測ですが、バネ機構に余裕があるので、一般に言って耐久性はマイクロスイッチが優れていると思います。 それでも、コンパクトに実装出来る、コスト上で有利、という利点が大きく、マイクロスイッチがタクタイルスイッチに置換えられて行きつつあるのではないでしょうか。
タクタイルスイッチを使ったマウス製品の売り文句で、「静音」が書かれている事が多いですが、私は「静音」が重要とは少しも思いません。 タクタイルスイッチはマイクロスイッチの「チッ」という音が無いのですが、私はスイッチ音がある方が良く、またキーボードの音ははるかに大きな音なので、「静音」を問題にするならそちらが先決でしょう。
結局、「静音マウス」はコストダウンで使用した「タクタイルスイッチ」を、良い様に言いたいだけなのだと思います。
「Kailh製」のタクタイルスイッチ
このスイッチは、汎用マウスには良く使われている様です。 Amazonでは、交換用として沢山ヒットしますが、異常に安価な製品はコピー品かも知れません。
これは本物の様で、「メーカー:Kaihua Electronics Co. Ltd.」と明記しています。
私のエレコム製ワイヤレスマウスも、この赤いボタンが並んでいます。
参考記事
オムロンのマウス用マイクロスイッチの開発歴史などが判る興味深い記事です。 積み上げられたノウハウなしで、次世代のスイッチは語れないことが判ります。




