液晶画面の撮影は難儀です 

デジタルカメラで液晶のモニター画面を撮影して、モアレが出る事は何度も経験していましたが、スマホで実際の撮影テストをしました。

 

デジカメではあらゆる撮影技法やフィルター等が使えますが、スマホの内蔵カメラは余りにも扱い難いものでした。 私の機種では、ISO感度とAUTOの露出だけが調節可能で、しかも調節範囲は狭いという扱い難さにがっかりしました。

 

ネットでモアレ抑止の方法を調べると、「傾けて撮る」というのが一番多く書かれています。「傾ける」のも2種類あり、ひとつは「斜め横から」とか「見上げる位置から」といった、液晶の真正面から撮らない方法もある様ですが、これは撮影した画面が「台形変形」するので最初からボツにしました。

 

という事で、液晶の真正面から撮影し、スマホを撮影軸上で回転する「傾斜」撮影をテストしています。

 

 

 

撮影の条件 

露出調整で明るく撮影すると、モアレが減った様に見えますが、実際は見かけだけと判りました。 そのため、露出調節をしないAUTO撮影で、暗めの撮影のままでモアレを評価しています。

 

◎ 太い横縞はモアレではなくフリッカーです。 デジタルカメラでは1/30secより遅いシャッター速度で改善しますが、私のスマホはシャッター速度を調節できません。 手持ちのNDフィルターを使っても、シャッター速度に殆ど効果がありません。 掲載画像は、フリッカーがそのまま出ています。

 

◎ 撮影した液晶画面の左端に大きな「 { 」状の影がありますが、これはモニター劣化によるシミで、今回のテストとは無関係です。

 

 

傾斜なし

画面の中央部の節を中心に、それに沿う様に何重もの波状のモアレがあります。

 

 

 

傾斜9度

画像を拡大しないと判りづらいですが、赤丸の範囲に細かな縞状のモアレが残っています。 しかし実用上は、殆ど気にならない画像です。

 

 

 

傾斜20度

良く調べないとモアレが判らない画像です。

 

 

 

傾斜45度

拡大して良く見ると、全体に細かい縞が見られます。 実用上は問題がありませんが、大きく傾ければ良いというわけではなく、液晶と撮像素子とで決まる最適な傾斜角がある様です。

 

 

 

 

 手間を惜しまない

液晶画面の撮影は、あらゆる意味でデジタルカメラ(シャッター速度・ISO・露出設定・絞りをマニュアル指定が最低条件)がベストですが、スマホしか使えない場合は、上記の様な傾斜(回転)撮影を使うのが良さそうです。

 

ただし、撮影した画像は画像処理ソフトを使って、必要部分の切り出しと、傾斜を元に戻す画像の回転処理の手間が必要ですね。

 

 

ソフトフィルターは有効かも? 

ネットを調べても、一般のカメラ用のソフトフィルターをモアレ除去に使った例は出て来ません。 

 

ソフトフィルターは、本来はポートレートで「肌を綺麗に見せる」ためのフィルターです。 モデルの顔などの描写は、甘くボカシた方が肌が綺麗に見えるという発想で作られたものです。

 

 

星野撮影でも、同傾向のフィルターを使って滲ませて、星を大きく見せる事に使われます。 これを液晶画面の撮影に使用した場合、モアレ除去の効果はあると思うのですが? デジタルカメラの撮像素子の表面は、モアレ除去のためにローバスフィルターが設けられている場合が多く、液晶画面の撮影のモアレはそれでは足りないので、こういったフィルターでよりボカしてはどうかというわけです。

 

今回のテストは、OS起動前のモニター表示の撮影が目的で、OS起動後はスクリーンショットを使えば済む事です。 従って、解像度は高い必要はなく、ソフトフィルターを使っても充分にテキスト表示は読めると思います。 もしフィルターだけでモアレ除去が可能なら、とても便利と思うのですが。