私とベースギター 

私のベースは素人レベルです。 ただ、ベースを手にしたのは早くて、ギターを弾き始めた半世紀前に、親にねだって買ってもらったのが「Aria製のヘフナー型」でした。 ネットで調べると「Aria Diamond Violin Bass 1420」の名前でヒットしますが、私のはおそらく最も初期型でしょう。 現在も所有していますが、色々改造して散々な状態なので、写真はネット上から拝借しました。

 

 

 

全体のデザインはほぼ上の写真と同じで、ピック、ペグなども同形です。 違うのはヘッドのプレートで「Aria」の文字のみでした。 気に入らずに外してしまいましたが、「Diamond」の名を付ける以前はそうだったのです。 この機種は、色々とデザインをリメイクした様で、ヘッドがアコースティックベースの様に巻いたのや、セミホロウボディも作られた様です。 少年が Beatlesに憧れていたのは隠せぬ事実ですが、バンドを組む様な仲間がなく、宅録音などに使っていました。

 

それから早送りで 20世紀末の話。 私の職場でバンドしようと3人の音楽好きが集まりました。 忘年会のイベントがとりあえずの目標で練習を始めたのですが、外的な圧力が生じてバンドは流れてしまいました。

 

その時の私はベース担当で、たまたま近所の練習スタジオに中古で置かれていたエレキベースと出会います。 手頃な値段でネックはとても良い状態、遠ざかっていた 20年の間に、ギターの製品レベルが向上しているのに驚きました。

 

 

 

結局、腕は上達しないまま 

その様にして私の物となったのは、「Ibanez SDGR」というシリーズのエレキベースです。 職場のバンドが流れ、弾かないままに物置にしまっていたのですが、先日ひっぱり出しました。

 

デザインは私の好みでしたが、紫に近いボディ色は趣味ではありませんでした。 そこで入手して直ぐに、ツヤ消し黒ラッカーでボディを塗装しました。 当時、現在の様なギターリメイクの情報はなく、塗装を剥がして塗り換える本格的な再塗装は、想像だにしませんでした。 素人で失敗が少ないのが「ツヤ消し黒のラッカースプレー」というのが相場でしたから。 これは予想した仕上がりで、余り弾いてないのですが未だ剥げていません。

 

 

 

そして、幾つかの部分にも手を入れました。

 

 

 

❶ ブリッジのイモネジを3mmビスに交換。 元のイモネジが頼りなく、ステンネジに換えています。 今はネットで買えますが、当時はアマゾン上陸前だったかな?

 

❷ 説明書がなく、4ノブのコントロールは判り難くて困りました。 色々調べて、フロント・リアのミキシングをボリュームで行う仕様だと判りました。 そこで、このツマミに小ネジを埋めて目印にしたのです。

 

❸ ピックアップが 9v電池を常に必要とする事は、入手してから気付きました。 電池の持ちが判らないのは心配で、簡単なチェック回路を追加しています。 ダイオードの発光で電池を無駄使いしない様に、ジャックを挿した瞬間にチカッと光る回路です。 今から考えると、ボタンの穴が増えてもチェックボタン式の方が良いです。 

 

電源OFFのパッシブでも使えるなら節約が出来ますが、アクティブのみでチェック機能が無いのって... 常用ギターなら充電先のリチウムを使うのかな?

 

 

 

正確な型番が判らない 

バッテリーを入れ替えて鳴らしてみたのですが、どうやら高音の調節が効かない様です。 低音と全体の調節は正常に効きます。(比較が出来ないのですが)全体の音量も少し足りない様な気がします。 これは入手の最初からそうだったのかも。

 

で、この Bass の情報がもっと知りたく、ネットを調べることに。 ところが、大変に良く売れたのか、SDシリーズには多くの型番があります。 それを判別しようと行き着いたのが、「Ibanez 」のカタログページでした。

 

 

このページのPDFのカタログを順に開き、SDシリーズが載り始めた頃を探しました。 ボディシェイプが似たベースは80年代中期からあった様ですが、特徴のあるヘッドスタイルに「SDGR」のロゴがあるこのシリーズがカタログに載り始めたのは、下の 1988年のカタログからでした。

 

 

それ以降のカタログから「SDGR」に関するスクリーンショットを集め始めました。

 

 

 

しかし、これではなかなか絞り込めないと思い始め、ネットを調べ直しました。 そしてシリアル番号から製品年代が判る事を、以下のページで知りました。

 

 

この情報は決定的でした。 黒塗装をしたのはボディのみで、幸いな事にネックのシリアル番号が読めました。 

 

 F2322○○ 

 

シリアル番号の先頭の「F23」から、「Fujigen 1992年製」という事が判りました。 後に続く「322○○」の部分は、単なる製品番号らしい。

 

製品の年度が判ったので、もう一度「92年」の「カタログ」の PDFを開くと、私の記憶にある「紫」のボディがありました。 

 

 

 

ボディカラーとコントロールノブの数とピックアップ形状、更にテールピース(ブリッジ)が黒色という事で、「SR500 JB」だと確認できました。

 

 

Ibanez SD500 JB  

この機種は数年間は販売された様で、「94年」に更に明瞭な画像がありました。

 

 

 

「SD500」は SDシリーズの初期の製品です。「JB」は色の指定ですが、同じシリーズ名で「SR530」「SR570」「SR500E」などが出て来ます。 オークション等では間違いが散見され、注意が要ります。

 

カタログによると「入門モデル」の位置付けだった様です。「\50,000」の低価格ながら、アクティブイコライザー「EQ-BⅡ 2バンドイコライザ」を装備とあります。 ペグは GOTOH製でブリッジが良質、要所は充分な品質です。 ボディは木目が良くない板を当て、木目が出ない塗装をしてコストを抑えたのではと思います。

 

余り高価なタイプではなさそうと思っていましたが、「入門モデル」と判り納得。 うーむ、弄り倒すにはもってこいやないの ^^;