先日から調子が悪かった家の鍵をダメにしてしまいました。 後から知ったのですが、シリンダー錠に普通の機械油は注しては駄目だそうで。

 

自転車のキー等で問題が無かった柔らかいグリースを注し、一度目で改善しなかったので、もう一度こってり注しました。 その後に帰宅して開錠しようとしたら、以前以上に開け難い。 数分頑張ってなんとか開いたのでネットで調べると、シリンダー錠は専用の「乾式オイル」でないと、却って状態が悪化するとありました。

 

下はシリンダー錠の分解画像ですが、沢山並んだ羽を鍵の山に押し付けて、羽の背に付けた溝の位置で鍵の適合を調べる構造です。 矢印の部分に羽があります。

 

 

 

下は、羽ごとに位置が異なる溝の様子です。

 

 

 

この羽の動きは「軽快」で滑らかな必要があり、ここに粘度のあるオイルを注すと、逆に羽が動き難くなるのでしょう。

 

グリース浸けにしてしまったシリンダー錠、外して洗う以外に改善の見込みは無さそうで、締め出しの恐怖を味わったので、いっそ鍵を交換しようかとも考えました。

 

 

とにかく外して調べる 

先ずシリンダー錠を外してアルコール洗浄をしようと考えました。 分解は室内側のグリップの根元のツバ を廻して外すとあり、これはなんとかクリアしました。

 

 

は手では回らず、ガムテープを何重にも巻いてペンチで回しました。 普通のネジ切りで反時計方向に回すと緩みます。

 

これで室内側のノブが外れ、 の円盤状の金具と室外側のノブが、2本のネジ でドア全体を挟む様に固定されている事が判ったのですが。

 

 

 

ここからが大変でした。 ネジが硬く、ほんの少し回す内に両方ともネジ山が潰れました。 これは普通ではないと気付き、ドリルでネジの頭を飛ばしました。 ネジ径を予想して、それより少し太いドリルの刃で掘る手段です。

 

 

 

これで、室外側が外へノブごと抜けました。 シリンダー錠は室外側のノブ内にあるので、洗浄作業が可能になりましたが、その前に壊したネジをなんとかしないと。

 

 

ネジがどうしても抜けない 

再固定のためには頭を飛ばしたネジを抜く必要があります。 しかしこのネジは、どうしても抜けません。 グリーン色の緩み止めが付着していて、アルコール等を注入したり、ネジをグリップし易く削ったり、1時間ぐらい頑張ったのですが駄目でした。

 

 

 

結局、交換する事に 

シリンダー錠は分解できないものの、アルコール漬けにして何度も洗うと、かなりいい感触になって来ました。 しかし、この固定部のネジが抜けない限り復旧は無理です。 ジャンク品のパーツを探す手もありましたが、鍵が無い状態で何日も過ごすわけに行きません。 鍵修理屋に高い工賃を払うのは避けたいので、結局はアマゾンを探すことになりました。

 

錠全体はメジャーな「MIWA製」でした。 最初、鍵全部を交換する必要があると思っていましたが、私の所のドアは年代物で、バックセットが特殊で受注生産と判りました。 バックセットというのは、ノブの軸中心とドアの端面との距離です。

 

 

 

しかし良く調べると、鍵全体を交換するのではなく、「室外側のノブ」のみを交換する事が出来ると判りました。 これで部品代は70%ほどになり、交換作業も少なくて済みます。 鍵交換は、通常はこの方法を採る事が多いと思います。

 

 

 アマゾンから1日半

1日半で、アマゾンから新しい「室外側のノブ」が届きました。

 

 

 

部品のメッキが違う様ですが、MIWAは互換を保って、このシリンダー錠を半世紀近く造っている様です。

 

付属のネジにも、やはり緩み止めが塗布されてます。

 

 

 

今回で懲りたので、これはアルコールで除去して固定しました。 もし固定が緩む様なら、頭側に何かを塗って固定すれば良いし。

 

 

グリーンの緩み止めについて 

この最初から塗布されている緩み止めを時々見かけるのですが、少し調べて見ました。 プレコート加工と言う様です。

 

 

この加工は上のメーカーだけではないので、色からだけで緩み止めの仕様を推測できませんが、錠前の製品付属のネジは、再使用できないタイプではないかと思います。 しかし、工務店や鍵屋さんは、鍵交換を請け負ったら、みんなネジの頭を飛ばしているのでしょうか?