「会社数字のコツがハッキリわかる本」
「会社数字のコツがハッキリわかる本」
千賀 秀信 著
ダイヤモンド社
定価:1,500円(税別)
私の評価:★★★★
決算書の基礎、損益計算書・貸借対照表から読める経営課題、CF計算書を読むポイントと経営課題、
経営分析と管理会計の基礎、株式投資への活用について、図解を用いて解説する本。
人には読むやすい本、読みにくい本は必ずあると思う。
内容の理解はともあれ、図ばかりある本はだめとか、逆に文字ばかりは苦手とか、
人それぞれ。
私自身、どちらかといえば、図が多い本は、何か初心者くさく読む気がしないのだが、
この本は、図を用いてバランスのとれた一冊だった。
私自身、現在、商社にて、与信管理と法務の業務を兼務している。
もともと法務主体であったが、数字感覚のない法務担当者は、商流を感じることができず、
現場の一線で奮闘する営業マンの心理は理解できない。
これまでの経験からそう感じ、与信管理の世界にも飛び込んだ。
学生時代、簿記や財務諸表の授業を選択していたことから、与信管理の業務にて
財務分析を行うことに抵抗感はなかったものの、やはり、現実のビジネスの中で
お金の流れを感じながら、仕事を進めていくことは難しい。
財務分析というと、売上総利益率、経常利益率、売上債権回転日数、固定比率・・・
何%以上の会社は健全、
何故、何%以上は健全といえるかを解説する本はなく、「そういうものなのか・・・」
と無理やり納得させていた自分がいたものの、
この本は、その段階から一歩踏み込んだ次元で理解ができる。
管理事務を行う方のみならず、営業マン、現場スタッフ、立場を問わず、
自分自身の現在の立場にたって、本書を読み進めることにより、今の仕事の意義を
再確認することができるかもしれない。
また、特に社会人1年目から3年目の基礎を固める方にとって、計数感覚を是非
養うために、本書を勧めたいと思う。
「その上司、大迷惑です」
「その上司、大迷惑です。 困った上司とかしこく付き合う傾向と対策」
松井 健一 著
すばる舎
私の評価:★★
【本の概要】
経営コンサルタントである著者が、様々な事例を通して「困った」上司の傾向を説明し、その対策を紹介。
また読者自身が上司になったときの心構えを紹介。
【コメント】
内容にまとまりがない。
事例と傾向に本書大半がさかれ、対策は抽象的。全てを紹介することはできないが故、
抽象的にならざるを得ないが、本書のタイトルを見て、藁をもすがる思いで買った読者には
気の毒だ。
著者が伝えたい結論、「自分自身がストレス社会に負けず、人間関係に振り回されない自分自身に
なるためには、自分自身で処世術を身につけることにつきる」
という考え方に、私個人としては異論はないが、問題解決へのプロセスも紹介せずに
対策の一例はこうだと、言われても・・・
「傾向」というより、人間関係の問題や仕事への取り組み方は、その人が育ってきた家庭環境に
大きく影響されると、私は思う。
従って、傾向を表現することはできないのだ。また、同様に対策も自分自身の物事の考え方
次第で右にも左にも変わる。
問題解決までのプロセスとしてどのような考え方をしていくことが
コンサルタントの経験上、いいものか「能力の出し惜しみをするのではなく」紹介してほしかった。
ワーキングプア
NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班・編
ワーキングプア 日本を蝕む病
株式会社ポプラ社
2007年9月第2週の日経新聞2面に最近話題となっているワーキングプアの実態に迫る本の広告が
掲載された。
私自身、大学卒業時は、所謂、就職氷河期と呼ばれる世代で、当時を思い返せば、この本で紹介される
実態がそのままの自分自身であった。
仕事の内容は、主に事務所移転作業やイベント会場の設営、倉庫作業、引越・・・
1日あたりの手取り額は、7000円弱。そこに交通費、食事代、生活費全てが含まれており、
将来を悲観していた。
職場(現場)には、同じような境遇の人が沢山いた。
私の場合、大学では経済学を専攻していたものの、今は上場企業で企業法務を担当している。
幸いにも私の場合、偶然の縁から法律事務所でアルバイトの機会をもらい、そこからステップアップ
をしていった。
私の知人には20代半ばから30代半ば過ぎに至るまで、ワーキングプアと呼ばれる層で懸命に生活
する人を幾人か知る。
その中でもD君は、知人として本人には悪いが不遇である。
家庭環境の問題あり、10代の頃、家を飛び出し単身上京。
職を転々とし、20代半ばで出会った。
給与の遅延、失業、窃盗にも入られ手元の金はない。結婚を前提としていた賃貸アパートを契約できず、住む場所を失った。
これでもか、という不幸が重なり、今に至る。
今回、この本を読んで共感したのは、ニートと呼ばれる層の全員が、ニートになりたくてなったわけでは
ないことだ。
確かに自立支援の為、この人は本気、この人は本気ではないと、一人ひとりを判断するほど、行政機関や
政府には財源も人もないだろう。
しかし、年金や税金の問題を議論する上で、今後の日本経済を考えれば、本格的な議論と具体的な策を
講じるべきときがきているように思われる。
今日、数ヶ月ぶりにD君と会った。
喫茶店でコーヒー1杯をご馳走しただけなのに、深々とお礼を言われた。
その姿に目を合わせて声は掛けられなかった。
自分自身が勝ち組だとか、負け組だとか自負する気持ちはどうであれ、
一度購読を勧める。
