ワーキングプア
NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班・編
ワーキングプア 日本を蝕む病
株式会社ポプラ社
2007年9月第2週の日経新聞2面に最近話題となっているワーキングプアの実態に迫る本の広告が
掲載された。
私自身、大学卒業時は、所謂、就職氷河期と呼ばれる世代で、当時を思い返せば、この本で紹介される
実態がそのままの自分自身であった。
仕事の内容は、主に事務所移転作業やイベント会場の設営、倉庫作業、引越・・・
1日あたりの手取り額は、7000円弱。そこに交通費、食事代、生活費全てが含まれており、
将来を悲観していた。
職場(現場)には、同じような境遇の人が沢山いた。
私の場合、大学では経済学を専攻していたものの、今は上場企業で企業法務を担当している。
幸いにも私の場合、偶然の縁から法律事務所でアルバイトの機会をもらい、そこからステップアップ
をしていった。
私の知人には20代半ばから30代半ば過ぎに至るまで、ワーキングプアと呼ばれる層で懸命に生活
する人を幾人か知る。
その中でもD君は、知人として本人には悪いが不遇である。
家庭環境の問題あり、10代の頃、家を飛び出し単身上京。
職を転々とし、20代半ばで出会った。
給与の遅延、失業、窃盗にも入られ手元の金はない。結婚を前提としていた賃貸アパートを契約できず、住む場所を失った。
これでもか、という不幸が重なり、今に至る。
今回、この本を読んで共感したのは、ニートと呼ばれる層の全員が、ニートになりたくてなったわけでは
ないことだ。
確かに自立支援の為、この人は本気、この人は本気ではないと、一人ひとりを判断するほど、行政機関や
政府には財源も人もないだろう。
しかし、年金や税金の問題を議論する上で、今後の日本経済を考えれば、本格的な議論と具体的な策を
講じるべきときがきているように思われる。
今日、数ヶ月ぶりにD君と会った。
喫茶店でコーヒー1杯をご馳走しただけなのに、深々とお礼を言われた。
その姿に目を合わせて声は掛けられなかった。
自分自身が勝ち組だとか、負け組だとか自負する気持ちはどうであれ、
一度購読を勧める。