【アズールとアスマール】 美のカルチャーショック 2 | エンタメ&アート系 神映画ランキング

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【評価】 ★★★★★







『キリクと魔女』に鮮烈な美のカルチャーショックを受け、

思わず続けてミッシェル・オスロ鑑賞。

今度は人物も3Dになって、

いよいよアートに完成度が増す。




映画に娯楽を求める人のための映画レビュー







映画に娯楽を求める人のための映画レビュー





舞台はアラビア。

うわ、うわ、うわああああっーーーー!!




美術工芸のような目も眩む美しさ。

まるで映画全体が、

精緻に造り込まれた豪華絢爛な装飾品のようだ。







映画に娯楽を求める人のための映画レビュー






映画に娯楽を求める人のための映画レビュー








主人公は、子供の頃に兄弟のように育った、

アラビア人とフランス人の青年の物語。


「アズール」はフランス語で「青」。

フランス人のアズールは青い目。

「アスマール」はフランス語で「褐色」。

アラビア人のアスマールは褐色の肌。


「青い目は不吉な目だ!」

理不尽な迷信によって、

アズールはアラビアで酷い人種差別を受ける。

ここがいい。

白人の国で有色人種が差別される映画は飽きたが、

本作品では逆に白人が迫害されるのが新鮮な視点だ。




フランス語には字幕や吹き替えがあるが、

アラビア語は何も無く、

何を言っているか全くわからない演出もいい。

「一体何を話しているのだろう?」

不安になってもわかる術がない。

ただアラビア語の音だけがエキゾチックに響く。

外国に行った時の心細い感じをリアルに思い出させる。

異文化に一人放り出された時に、

優しくしてくれる人に会った時の安心感。

差別から保護してくれる人に会った時の嬉しさ。





人種にとらわれない人々の凛々たる姿が

いかに魅力的に光輝いていることか!




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本作品には、

ナチスによるユダヤ迫害モノや、

欧米での有色人種差別モノとはまた違った、

新鮮な驚きと力強い人間賛歌が詰まっている。


異文化間の衝突と融和というテーマが

他に類をみない設定と演出をもって、

豪華絢爛な美術装飾工芸のような絵で綴られる、

唯一無二の珠玉の作品だ。




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